二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ブレイブラグーン-another story-
- 日時: 2012/11/24 07:10
- 名前: ウルフラム (ID: At5GTol/)
- 参照: http://www.brave/no.ruri?takew13
新人です。初です。
携帯オンラインバトルRPG「ブレイブラグーン」をバトルものにしたものです。設定は変える予定で、目次はなしです。技やエネミー、武器なども既存の
を出していきたいとかんがえています。
ブレラグを知らない人も知っている人も理解できるよう心がけます。
それとオリジナル技名とオリジナルキャラクターを募集しています。気分が乗りましたら、スレッドに書いてくれると助かります。ファンタジーストーリーの様な名前をなるたけお願いします。
人物一覧
足利 愛希 (Ashikaga Aiki)
Wait for information!
楠木 秀 (Kusunoki Syu)
茶髪。名は父親からであり、唯一の感情の名を持たない人物。主人公。
アバター名1:ウル???
アバター名2:トゥルース
菊地 のぞみ  (Kikuchi Nozomi)
茶髪。名前が平仮名表記である。秀に対する感情は他とは違うという噂も。
アバター名:ディサラ
楠木 幸  (Kusunoki Sachi)
黒がかった茶髪。名は母親からであり、楠木 秀の妹。秀のゲーム脳にその都度、苦悩している人物。空手道3段。特技は「慈恩」。
アバター名:?? ?
新田 誠  (Nitta Makoto)
黒髪。秀の数少ない語り相手。好きなものはツッコミとボケ。
アバター名:オネスト
斯波 正太郎  (Shiba Seitaro)
Wait for information!
畠山 恩   (Hatakeyama Onn)
Wait for information!
斯波 讐  (Shiba Syu)
Wait for information!
ジャッジメンツ
11th(イレブンス)
司令官《トガオチ》
田中組
総司令官《田中 礼》
司令官《パラディン》
119(イレブンナイン)
二代目総司令官《クレナイ》
司令官《ホーリックス》
W
師団長《ファルシフード》
《マウス》
《鴉》
QTUN(クトゥン)
司令官???
旅団長《アオシマ》
護衛役《マゼラン》
《ラフィネ》
オリキャラは名前だけでも全然大丈夫です。感想や問題点も書いてくれると助かります。素人ではありますが、
よろしくお願いします。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
- Re: ブレイブラグーン-another story- ( No.40 )
- 日時: 2012/09/21 09:54
- 名前: ウルフラム (ID: At5GTol/)
少女はそれからしばらくの間、テーブルの中の自分の膝上を静かに見つめ、俯く。
そして、彼女の口からは絶え間なくかすかな、それでいて堪えるような嗚咽が漏れ、しゃくりあげるように喉を小刻みに痙攣させる。
—ダメ、まだダメ!!
少女は自分自身に築いた壁を乗り越えまい、兄に泣き声を聞かれまいと、必死に堪える。
—今は、
少女は堪えたまま、自分自身に大きく分厚い壁を築いた理由を、心の奥底で再確認する。
—私、私が、私がお兄ちゃんを守っていくって、決めたんだから!!あのときからずっと、ずっと、ずっと、ずっとずっとずっと!!!
心は今にも張り裂けそうな痛みに襲われるが、あのとき程ではない。
まだ耐えられる。そう思い、俯いていた表情を満面の笑みに変え、また兄の方へと顔を向け、想う。
それでまた、いっぱい、いっぱい、いっぱい怒ってやる。
この夜の事は、忘れよう。全部忘れて、いつも、どんな時でも、前だけを見ている自分に戻ろう。強くならなくちゃ、いけないんだから。
幼き少女は、幼いながらにして、自分を強くなろうと思い続ける。自分に残された、たった一人の大切な人を守り続けると、少女は、あの時から誓った。
自分の生命は、それだけに捧ごう。そう決めたのだ。
だが、
その少女の予定していた行為は、他者の行為によって阻害される。
暖かく、今にも崩れそうな華奢な少年の両腕が、後ろから少女に差し伸べられる。
いつ席を立ち、私の裏に回ったのだ。などという安易な疑問などできなかった。そのまま少年は、少女を後ろから包み込むように、抱く。
「…………。」
2人はしばし、後ろから抱き合う形で沈黙する。
そしてその永久にも感じられた沈黙を破ったのは、小さく、儚い、少女の声。
お兄ちゃん—。
少女の心の壁が、少しずつだが壊れていく、少女はそう感じた。
兄の手のぬくもりが徐々に温度を増す。
「うぅっ!」
少女は我慢できなくなると、いままで溜めてきた不平不満をぶちまけるように、泣いた。
その時間は10分を有に越したが、その間も少年は強く、強く、少女を後ろから抱きしめ続けた。
少女をこんな風に泣かせてしまった理由が、ほぼ自分にあることを知っている少年は、全てをこの一言に託し、少女に聞こえるか否かの小声で、言う。
「ごめんな、サチ」
かつてサラダボウルがあった場所には高スペックPCが今もなお画面を煌々と光らせている。そしてその画面が映し出す一つのオンラインゲーム用の記事には、このように記載されていた。
「MMORPGブレイブラグーンにて、最強、最悪。ショック障害なんて気にも留めない、命知らずの最硬アバターが出現!!!!」
そして大きく、でかでかと、少年のアバター名が記載される。
「最硬特性を持つアバター、あさってに迫る《ブレイブ・バトル・トーナメント》にも堂々の参加予定!!」
「その名も—。」
- Re: ブレイブラグーン-another story- ( No.41 )
- 日時: 2012/09/22 00:06
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
あれでよかったのか。
少年は思い悩んでいた。
涙の夜から一夜明け、朝7時。
あの後は、少女の怒る怒る怒るの繰り返しで、耳が痛くなる程、口酸っぱく説教された。
その間に決定した事例は以下の通り。
1、ゲームをする時間は最高でも2時間。
2、一時間だからといって、ゲーム内で心臓ショックになりかねないような、無茶苦茶なことをしない。
3、七時を過ぎていてもやっていたら、今後は強制没収。
とのこと、
なんとも母親なのかと疑うような口振りで妹が提案した規定を、当の妹を泣かしてしまった張本人が否定することなどできず、ただただ肯定の敬語の繰り返しであった。
ーだけど、明日にはあっちの世界での大会に参加しなくちゃ行けないんだがな……。
少年は自分のしたことを少しばかり悔やむが、きっぱり割り切って、ポジティブな方向でこの事を考える。
ーそうだな…、これは自分が相手を瞬殺出来るかという試練なのかもしれない。そうしたら、明日の大会を二時間で終わらせることも、できなくはないかも……。
下のアスファルトの方に向いて俯いて歩きながら、そんなことを考えていた。
次の刹那。
少年の方へと走ってくる二つの人影が現れる。
少年は考えることに集中し、背後から迫るそれには気づかない。
二つの人影は少年の背後にピッタリつくと、一つの人影の腕が少年の肩に伸びて行く。
その距離、30cm。
少年は気づかない。
残り、10cm。
まだ、少年は気づかない。
そして……。
- Re: ブレイブラグーン-another story- ( No.42 )
- 日時: 2012/09/23 00:35
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
西暦2034年。4月。
午前11時35分。
始業式が終わり、新しいクラスになってから始めての授業。
もう昼休みまで目前という時、声を大きくあげ生徒を教育する先生の数はどれだけいるだろう。
予想だと、あまり数を重ねる事はないだろうと思う。
そんな事が出来るのは、体力のある新しく学校に足を踏み入れる若手の先生か、熱血指導に日々励む先生のどちらかだろう。
25歳程度の天然パーマ気味の大人、この人もその中の一人だった。
「後醍醐天皇側と対峙する理由を作ることが出来る。だから足利尊氏は後醍醐天皇の大覚寺統から光厳天皇の持明院統に移った……。」
123時間目が終わり、最低最悪の4時間目の歴史の授業が始まってから、約5分。
少年の瞼は今にも落ちそうな位置まできていた。ノートはかなりの量をとっているが、先生の黒板に書くスピードには全く追いつかず、今にも《ついていけてない》状態となっている。
しかし、それは少年だけに起きていることではなく、他の生徒達の中にもチラホラとペンを置き雑談していたり落書きを歴史のノートにしているものもいる。
その中でも、ただ一人、黙々と拝聴しペンを動かしている秀才と呼ぶに相応しい人物がいた。
くっきりとし、少し茶色がかった大きな瞳。
揃えられたであろう細い眉に色白の肌。
スラリとした骨格、華奢な手足。
そして、やや長めの茶髪の髪をポニーテールにして一つにまとめている一人の少女。
少年の席は教卓から見て右端の一番奥の位置。
そしてその少年の右隣に座る少女がまさにその人だった。
偶然開いていた教室の窓から心地よい程度のそよ風が吹く。
それは少年の男性にしてはやや長めの髪を強く撫でると、次いで少年の隣でノートをとっている少女の茶色い髪を優しく凪
少女は微かな風に気づくと、その源である教室の一つの窓に目を向けようとする。
その時、教卓やノートを見もせず、ただただ一人の少女にだけに目を向けていた少年はその行為に刹那驚き、慌ててノートをとっているフリを……。
少年は想う。
何故目を背けようとするのか。
何故、少年は少女を見る事は出来ても、見られることはできないのか。
その答えは1+1の計算よりも簡単で、幼稚園児にでも理解出来る程に単純明快である。
しかし、少年はそれを認めない、否、認めたくない。
少年は、決めたのだ。
あの時から。
自分の心を鈍感にし、
そしてー、
全てを。
《拒絶》する、と。
- Re: ブレイブラグーン-another story- ( No.43 )
- 日時: 2012/09/23 21:27
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
「おーっはよ、しゅう!!」
少年の友である菊池のぞみが、朝っぱらから大声を出して右肩をたたいてくる。
通常、この少女の名前表記は菊池望というものであり、戸籍上ひらがな表記ではないらしい。しかし、この少女がゲームや会員などのアカウント登録の際の本名入力や、テスト時の名前記入では「菊池のぞみ」という形になっていることがほとんどであった。しかも、それを学校の先生方までもが黙認していた。現にこの少女とともにプレイしているMMORPG《ブレイブラグーン》では、この少女の本名入力の欄にはしっかりと、望がひらがなで表示されている。そこのところはこの少女のこだわりなのか、はたまた一身上の理由とわれるものなのかは定かではない。
そんな少し謎に包まれているような少女とこんな関係を作れたのは、あのMMORPGなのである。
少々色々なことを経て築いてきた関係なだけあって、その絆は少女の中では確かなものであるようだった。
そしてもう一人、少年が小学校4年生のころから知り合った旧友と呼ぶにふさわしい人物も、その囲いのなかに存在した。しかし、そいつが最初に掛けてきた言葉は心地よいあいさつではなかった。
「しゅう!全く、お前はあんまメールボックス見てないだろ。20時ごろにクラスメンバー全員で荒神級エネミーを狩に行こう!ってみんなにメールしたのにさ」
朝っぱらから愚痴を言ってきたのは新田誠。先にも述べたとおりの人物なのだが、どうも中学校二年生の秋らしくなってきた9月になっても、この少年はどうも苦手であった。その理由は、いたってシンプル。
「それより凄かったぜ、クラスメンバーの中で秀とあと一人だけ集まんなかったけどさ。荒神級エネミーの《サムエル》を俺たちぶっ飛ばしたんだぜ!!いやー、あのときの俺の活躍は凄かったな、なんせ俺が与えたダメージ量は一万オーバーだしな」
そこに、少女が首を突っ込む。
「あんたよりジャッジメンツの人達のほうがダメ与えてたわよ。ほら、えっと。《トガオチ》さんだっけ?あんたなんか手も足も及ばないわよ」
そこでドヤ顔をしていた誠が、しかめっ面になる。
「だっ、だけど!!俺がいなかったら大天使《サムエル》には勝てなかったぞ!!」
のぞみは、誠の苦し紛れの返答を耳にすると「どうだか」といって、その場をやり過ごす。
誠は痛いところを突かれたのか、いきなり話題を方向転換させる。
「そっ、そういえば!あのフィールドに《絶壁》がいたらしいんだけど、のっ、のそみは見たか?」
刹那。
場の空気が一変する。
この状況に気づいているのは秀とのぞみのみ、言った本人はそれの重大さには気づいていないようだった。
少年と少女は誠が気づいてないことを確認すると、心の奥底で深く安心する。
「いやー、あの盾捌きは見事だよな。あの人の特性《二盾流(にていりゅう)》をフルに生かした動作は、神の域に達しているよな」
秀は誠の言葉を聞き、少し照れくさくなるが、のぞみが秀にだけ聞こえるように小さく笑うと、意識を切り替え歩くことに専念しようとする。
しかし、その前に誠からの急襲が襲い掛かった。
「そう思わないか、秀」
こんなタイミングで同意を求めるな!!といいたいのを堪えつつ、笑いながら少年は言う。
「そうだな」
苦笑いになっていなかっただろうか。後でのぞみに聞いてみよう。
それでダメだったら、
—練習しなきゃな。
- Re: ブレイブラグーン-another story- ( No.44 )
- 日時: 2012/09/24 21:59
- 名前: ウルフラム (ID: mVHy..WT)
一時間目の数学の授業が終わると、奥の端っこの席に座る秀のもとへ半ば駆け足で近づき、言う。
「だるい」
一時間目の先生は田畑という根っからの数学者が勤めた。この先生は特に生徒達と趣味が合うわけでもなく、はたまた面白い雑談をしてくれるような人でもない。しかし、自分はこの物静かで、いつも何を考えているかわからない田畑先生が嫌いではなかったし、むしろ他の雑談やらゲームやらアニメの話を持ちかけて話をするような先生の方のほうが苦手であった。その理由は、田畑先生などの一部の教師は黙々と授業を行うのに対し、そのほかの先生はいつもくだらない娯楽の話を生徒達にし、そして何より生徒に対して「この○○○はどう思う?」などといった質問を投げかけてくるのである。勉学以外のことに関しては驚異的な疎さをもつ自分にとって、それはただの罰ゲームといわれるものでしかなく、とにかくその手の質問が投げかけられる恐れがあるときは、なるべく目立たないように肩を若干すぼめながら自分で勝手に問題を作成し、それを娯楽話が終わるまでひたすら解きまくっていたのだ。
長々とした思考の末、誠に対して発した言葉は以下のようなもの。
「がんば」
すると誠は、いかにも嫌そうな顔で少年を睨む。
「人事だね、秀。まぁ、確かに、学年成績二位の人に不平不満をどう愚痴ったって相手にされないのはわかってるんだけどね」
誠はそれだけ言うと、大きくため息をつく。
そこで誠の愚痴が終わるかもしれないと思った秀は、希望に満ち溢れた顔で誠を見た。
「ときに秀。少したのまれてくれないかな?」
—クソっ。だめだったか。
少年はあきらめた風にため息を就くと、それに対応したように誠から声が発せられる。
「なんだよそのため息は。俺はたのまれてくれる前から見放されてるのか・・。」
こちらも次いで、あきらめた風なため息をつくと少年に向かって言う。
「ところで、今日の夜さ、9時頃から空いてるかな。少しあっちの方で秀の持ってる武器とか防具とか貸してもらえるとありがたいんだけど、さ。ほら、明日《トーナメントバトル》があるだろ。あれって上位64位以内に入ると参加賞と、必ずもう一つ副賞がついてくるんだ。それで、さ。」
誠はしばし間を開き、頼む。
「たのめないかな?」
少年は言う。
「9時じゃなくて、8時なら。都市エリザークの中央管理塔前の任務掲示板の前に待っていてくれれば」
そういうと誠は瞳を輝かせ、一階下の職員室に聞こえない程度の大声を出す。
「おっけー!!ありがと!!じゃエリザークの掲示板で8時にな!!」
それだけ言うと、誠は少年の席を離れ自分の席に戻り次の授業の準備を始めた。
まだ。
まだ彼には伏せるべき必要がある。
そう思い少年も次の授業の準備を開始するため、バックのファスナーに手を掛けた。
—次の授業は・・・、社会。
—これはまた、
—憂鬱なもので。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
この掲示板は過去ログ化されています。