二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- LOVELESS×××【VanaN'Ice中編集】
- 日時: 2013/03/25 11:42
- 名前: 月森和葉 (ID: BsB4CdF8)
はじめまして、またはこんにちは。
月森和葉です。
VOCALOID、特にSCLproject(natsuP) feat.VanaN'Iceの中編集です。
LAST COLOR SCLproject(natsuP) feat.VanaN'Ice収録曲です。
※注意です。
・VOCALOID小説のくせに初音ミクが出てきません。
・結構シリアスです。
・落ちの後味悪すぎ。
・メインキャラクターが全員男という男の花園(薔薇小説ではありません。念為)。
目次
13943号室 Track 07
本編>>1-35
CAST・歌詞>>36
番外編>>37-39
バナナイス対談 >>40
眼 Track 01
本編>>41-58
扉絵>>40
CAST・歌詞>>59
LOVELESS××× Track 02
本編>>61-
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- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.1 )
- 日時: 2012/09/06 22:04
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
真っ暗な闇の中で、聞こえてくるのは二つだけ。
堅い靴の底がコンクリート製の床を穿つ音と、自分の荒い息遣い。
どうしてこうなったんだろう。
言わなくても察して欲しいところだが、やっぱり言わなくちゃ駄目なんだろうな。
そもそもの事の始まりは、昔の、子供の頃の遊びだった。
それが、二十代になった今でも続いている。
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.2 )
- 日時: 2012/09/07 22:42
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
自分の所に、送り主の名もなく送られてきた一通の『手紙』。
それは、自分達が昔考えた、『隠れん坊』と『鬼ごっこ』の開始を告げる、ホイッスルだった。
『手紙』は誰かが巫山戯て送っているのだろうと皆思っていたから、誰も何も言わなかった。
そんなことを聞くなんて野暮じゃないか。
俺の名前は籠宮零。この間大学を卒業し、今はライターをやっている。
あだ名は『カゴ』。小さい頃からの友達が名付け親だ。
街中に大きく聳える、無機質で銀色の建物。
そこの自動ドアをくぐると、俺は至ってシンプルな自分の名刺を受付嬢に差し出した。
その裏に、ウミへ、と書いて、懐かしの友に渡すように言った。
これであいつはすぐに俺の前に姿を現すことだろう。
そいつは、昔から甘い物が好きだった。
好きすぎて、それが高じて某有名製菓会社の商品開発部に就職した。
少しすると見慣れた顔がエレベータから降りてきて、俺の顔を認めると嬉しそうに笑った。
「久しぶりだな、カゴ!」
「おう、やっと会えたか、ウミ」
短く切った髪の間で、子供っぽい光が輝いている。
四条海里。あだ名はウミ。俺と同い年の、親友の一人だ。
「—おい、ウミ。あの手紙、みたか?」
「ああ。まさかこの歳になってまで送られてくるとはな」
暫く二人は空を眺めていた。
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.3 )
- 日時: 2012/09/08 21:46
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
「行くか。次はガクだ。キヨはまだ仕事、抜けられないだろうしな。つーか俺が呼び出しといて何だが、お前、もう仕事はいいのか?」
「ああ。丁度新製品の案がまとまったところでね。当分は大丈夫だ」
「じゃあ行くか」
ピカピカに磨き上げられたガラス製の自動ドアをくぐると、暑い真夏の太陽が照らす街へ出た。
「あちぃー…。」
真昼のオフィス街を、二人、言葉もなく歩いて行く。
やがて目的の建物が見えてきた。
壁にでかでかと「MUSIC STUGIO」と書かれている。
受付で、相手の居る場所を聞く。
ただ、受付に座っていた中年の女性は、あまり快くは教えてくれなかった。
コアなファンと思われただろうか。
無数に並ぶ扉の隙間から微かにメロディーが流れてくる。
勝手知ったると言うように無造作に扉を開くと、中では二人の男が大量の機材の前に座り、その視線の先に彼らの目指す相手が居た。
しかし、そこはガラスの壁で遮られている。
大人しくその作業が終わるまで待つ。
音楽が鳴りやむと、ヘッドホンを外して、ガラス張りの部屋から髪の長い男が出てきた。
二人に気がつくと、この男にしては珍しい作り物ではない笑みを浮かべた。
「やあ、ふたりとも。いつの間にきたんだい?」
こいつは神代樂師。人気のシンガーソングライターだ。あだ名は『ガク』。
神代家には代々不思議な能力があって、こいつもその例に漏れない。
それが関係あるのかどうかは知らないが、長く伸びた髪を高く結い上げ、適当に纏めて簪でそれを留め、言葉遣いも、俺達に対してさえ柔らかい言葉で話す。
まったく女らしいっちゃ仕方がないが、顔は立派に男なので(しかも女の子に人気のある顔だ。ここが一番酌に障る)、色々と反応に困るところが多い。
「さて、残るはキヨだけだが、あいつは仕事上がるのが遅いからな…」
苛立たしげに呟くと、ガクは笑って自分の家に来るように言った。
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