二次創作小説(映像)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

LOVELESS×××【VanaN'Ice中編集】
日時: 2013/03/25 11:42
名前: 月森和葉 (ID: BsB4CdF8)

はじめまして、またはこんにちは。
月森和葉です。
VOCALOID、特にSCLproject(natsuP) feat.VanaN'Iceの中編集です。
LAST COLOR SCLproject(natsuP) feat.VanaN'Ice収録曲です。

※注意です。
・VOCALOID小説のくせに初音ミクが出てきません。
・結構シリアスです。
・落ちの後味悪すぎ。
・メインキャラクターが全員男という男の花園(薔薇小説ではありません。念為)。

目次
13943号室 Track 07
本編>>1-35
CAST・歌詞>>36
番外編>>37-39
バナナイス対談 >>40

眼 Track 01   
本編>>41-58
扉絵>>40
CAST・歌詞>>59 

LOVELESS××× Track 02
本編>>61-

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



【VOCALOID】眼【VanaN'Ice中編集】 ( No.44 )
日時: 2012/10/28 18:21
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)

「俺達は、何が欲しいんだと思う?」
 と、十四歳の少年は言った。
「僕達が何を考えているか、知っているでしょう?」
 と、二十歳前後の青年は言った。
「私達は、何を望んでいるんでしょうね?」
 と、二十代後半の青年は言った。
 彼ら全員が『Me』であり、この世界上で最強の遺伝子を持つ人間だった。
 それに対して、議会の者達は沈黙することしかできない。
「いいよ、行ってあげる」
「その代わり、僕たちの欲しいものをちゃんと用意して下さいね」
「私達が、この世界を救うのですから」
 三人は示し合わせたように同じことを言った。
 一度も会ったことも無いというのに。暗い牢の中で。
 そうして、初めて暗い地下牢の中から、日の照らす地上へ出たのである。

【VOCALOID】眼【VanaN'Ice中編集】 ( No.45 )
日時: 2012/10/15 21:10
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)

「やあ」
 初めて出た外での彼らの第一声はそれだった。
「はじめまして」
「こんにちは。私の兄弟」
 初めて会ったというのに、どんな人物かも伝えていないのに、彼らはそう言ったのだ。
 彼らには破壊本能、異常恋愛、サディズム、そして相手の思考を読む能力まであるらしい。
「さて、行きましょうか」
「危ないからおじさんたちは帰っていいよ」
「お気をつけて」
 一番年上の者には心配までされてしまう始末である。
 変な気分のまま、本部に戻っていった議会のメンバー達だった。
「……で、敵って、何処にいんの?」
「さあ?」
「たぶん、国境近くにいるんでしょうね」
 なんとも気の抜ける会話ではあるが、それは彼らの全てを表しているとはどうしても思えない。
 指先を切り詰めた手袋を填めつつ、穏やかに微笑みながらの会話である。
 完全武装とは言い切れない彼らの軽装は、これからの激しい戦線はとても想像できない。

【VOCALOID】眼【VanaN'Ice中編集】 ( No.46 )
日時: 2012/10/18 19:07
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)

明日、いきなりですがnatsuPが動画を投稿されるそうです。
うわぁ楽しみだなあ/////



「どうする?」
 あまりに無邪気な質問だが、これから戦場に向かうという者の声でもない。
「取りあえず、夜まで待ちましょう。流石に昼間では人数の差が激しく不利です」
「はーい」
 頭の後ろで手を組み、遠くを見渡す。
 荒れた遠くの大地の上を埋め尽くすのは、夥しいほどの量の人だ。
「うへぇ、俺達、あれと戦うの?」
「そのようで」
「だから夜まで待ちましょうと言ったのです。あれだけの量を、明るいうちに全て捌く自信がおありなら、止めはしませんが」
 暗に、暗い内にならやれると言い切ったようなものである。
「流石に、アレは多いなぁ……」
 そう言いつつ、顔は笑っている。
 これから、どれだけの血が流されるのだろう。
 そして、それを苦とも思っていない彼らは、どんな人間なのだろうか。
 楽しげに衣服の隙間等に武器を仕込んでいる彼らは、一体何を考えているのだろうか。

【VOCALOID】眼【VanaN'Ice中編集】 ( No.47 )
日時: 2012/10/28 18:23
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)

 深夜。
「……」
「此処でいいの?」
「恐らく」
 暗い闇の中、草木を掻き分けて三つの人影が出てきた。
 辺りは静まり返り、聞こえるのは虫の音だけ。
 その中で、三つの目が光っていた。
 動物でもあるまいに、青と紫の目が爛々と輝いている。
「さて、もうそろそろ俺達の出番かな?」
 懐から取り出したナイフを、楽しそうに舐める。
 そして、そのナイフを無造作に敵地に投げ込んだ。
 少年の手を離れた凶器は、吸い込まれるようにして敵兵の背中に突き刺さったのである。
「敵襲だ!」
 突然倒れ込んだ同士に、辺りが騒然とざわめく。
 彼らの敵—隣国のコードネーム『LESS』—は、個々の能力は果てしなく強いのだが、協調性が無く、統率がとてつもなくし辛いと言うことだ。
 それ故、こうして場を乱してやれば殲滅も容易い。
「さあ、行きましょうか」
 今までいた茂みの中から飛び出し、彼らは戦場へと侵入した。

【VOCALOID】眼【VanaN'Ice中編集】 ( No.48 )
日時: 2012/10/25 21:00
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)

「うああっ!」
「ぐっ……!」
 暗い闇の中、見えない何かが自分の命を削っていく。
 ナイフを両手に一本ずつ握り、楽しげに笑みを浮かべながら敵を殲滅してゆく。
 返り血も殆ど浴びていない。
 まさに神業としか言いようがなかった。
 この場にいる全ての敵を倒すまで止まらない。
 政府は、大変なものをこの世に放ってしまったようである。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



この掲示板は過去ログ化されています。