二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- LOVELESS×××【VanaN'Ice中編集】
- 日時: 2013/03/25 11:42
- 名前: 月森和葉 (ID: BsB4CdF8)
はじめまして、またはこんにちは。
月森和葉です。
VOCALOID、特にSCLproject(natsuP) feat.VanaN'Iceの中編集です。
LAST COLOR SCLproject(natsuP) feat.VanaN'Ice収録曲です。
※注意です。
・VOCALOID小説のくせに初音ミクが出てきません。
・結構シリアスです。
・落ちの後味悪すぎ。
・メインキャラクターが全員男という男の花園(薔薇小説ではありません。念為)。
目次
13943号室 Track 07
本編>>1-35
CAST・歌詞>>36
番外編>>37-39
バナナイス対談 >>40
眼 Track 01
本編>>41-58
扉絵>>40
CAST・歌詞>>59
LOVELESS××× Track 02
本編>>61-
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- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.34 )
- 日時: 2012/10/01 19:16
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
後日。
ウミとガクに連絡を取ってみた。
二人とも繋がった。
二人とも、あの時のことは覚えていないと言った。
気が付けば家の前に立っていたらしい。
キヨには、怖くて連絡できなかった。
あいつは今も何処かで悪魔を信仰しているのかも知れないし、もうこの世には居ないかも知れなかった。
昔から俺達の元に送られてきた『手紙』。
それは既に俺達の手元には無く、どこかへ消えてしまった。
『手紙』は、郡山の一族に取り憑いている悪魔が、本当に暇つぶしで送っていたのではないかという結論に至った。
キヨは本当に何も知らない様子だったからだ。
俺達がこの二十数年間のうちに死ぬような思いでくぐり抜けてきたGameは、所詮悪魔の暇つぶしでしかなかったのだ。
そうこうしているうちに、キヨの妻、美雪さんから葉書が届いた。
そこには、長男が産まれたので、いつか見に来てやって欲しいと書かれていた。
写真にキヨの姿はなく、お姉ちゃんになった有輝ちゃんと、翔と名付けられたらしい赤ん坊が写っていた。
それ以来、郡山家とは連絡を取っていない。
受話器に手を伸ばすと、恐怖で手が震えた。
ウミもガクも、同様だと言っていた。
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.35 )
- 日時: 2012/10/02 20:46
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
俺達は、どうしたらいいのか、まるで分かっていない。
突然の変貌を遂げた幼なじみ。
心の底から絶え間なく沸き上がってくるこの不安感に、抗うことが出来ない。
俺は、俺達は何をしたら良いのか?
俺は、本当に要らない存在なのか?
この世に、不必要なものなのか?
問いは、山積みだ。
しかし、その問いの全てに、答えは存在しない。
波に抗い、もがき、苦しむことしか、俺達には出来ないのか?
答えは、絶対に何処にも存在しない。
でも、僅かな本心が泣き叫んでいる。
『答えがない問題など、在るはずがない』と。
俺だって、そう思ってる。
そう思いたい。
しかし、何を持ってしてそれを証明するのか?
—答えは存在しない。
〈〈 終 〉〉
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.36 )
- 日時: 2012/10/04 19:06
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
CAST
籠宮零 鏡音レン
四条海里 KAITO
神代樂師 神威がくぽ
郡山清 氷山キヨテル
籠宮理奈 鏡音リン
柴田芽依 MEIKO
明野琉美 巡音ルカ
郡山美雪 SF-A2開発コードmiki
郡山有輝 歌愛ユキ
郡山翔 月読ショウ
歌詞
理由も解らず 閉じ込められた
欲望塗れ 上っ面だけ
人間の 醜い 汚い 塊
騙し合うのも一つのルール
綺麗事など ここには不要
昨日は 見方の あなたも 今日は敵
残酷に切り刻まれた記憶を消して
脳髄を食い散らかして 狂ってく
ただ信じあえたら良かったのに
人を疑い 傷付け合って
過ぎ去る時間が また悪魔を呼び寄せる
残された あなたの 本当の 目的
残酷に切り刻まれた記憶を消して
脳髄を食い散らかして 狂ってく
ただ信じあえたら良かったのに
人を疑い 傷付け合って
過ぎ去る時間が また悪魔を呼び寄せる
キコエナイ
疑いは悲しみを繰り返し
許し合えていたら良かったのに
君は何を考えているの?
微笑む君
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.37 )
- 日時: 2012/10/04 18:57
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
番外編。
「なあお前ら。聞いて良いか?」
あれからかなり月日が経ち、久しぶりに集まった彼ら。
零には、取りあえず二人に聞きたいことが色々とあった。
「なんだい?」
「お前ら、結局彼女とはどうなんだ?」
「何を言い出すかと思えば……」
「良いじゃねえか。俺らだってこの歳だぜ?恋愛話くらい聞かせろ。—大丈夫だ。それを記事にしたりはしねぇから」
そうなのだ。
二人の恋人と言えば、方や世界に誇れる伝説の女優。方や知らぬ者は誰も居ないダイナマイトボディのスーパーモデル。
そんなのが世間に知れ渡れば、スキャンダルの嵐とまでは行かないとしても大荒れになることは間違い無しだ。
何より友人のことでスクープを取るのも、彼のポリシーに反する。
「気にするなよ。単なる僻みだ」
机に肘を付き、大きく溜め息を吐く。
その時、零の携帯端末の着信音が鳴り響いた。
「はい、籠宮—」
『あ、零?』
「なんだ、姉さんか」
『なんだとはご挨拶ね。今どこにいるの?』
唐突な質問に少し戸惑ったが、素直に答える。
「ガクん家だけど?」
『今ね、あたしの横に誰が居ると思う?』
「はあ?そんなん知るかよ」
スピーカーの向こうで声が笑っている。
『モデルの柴田芽依さんと、女優の明野琉美さんよ』
「はぁ!?なんでそんなことになってるんだよ!?」
思わず声が跳ね上がった。
『偶然会ったんだけどね。何なら今からそっちへ行こうか?』
横を向くと樂師と海里が慌てたような顔になる。
「そっちに予定とかあンだろ!?勝手に引きずり込んだらまずいだろ」
『大丈夫だって。今日は二人とも一日空いてるんだってさ』
わざわざ今日のために予定を開けたのは、男衆には内緒だが。
「……わーったよ。ガク?」
樂師は諦めたような顔で頷いた。
「良いとよ。ガクん家分かるのか?」
『大丈夫。琉美さんが知ってる。—じゃあ、後でね』
電話が切れると、彼らの口から一斉に深い溜め息が漏れた。
「女共には勝てねえ、か……」
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.38 )
- 日時: 2012/10/05 23:54
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
参照200有り難うございます。
記念に何か描きたいけど今中間テスト前で数学の提出物終わってなくて他にもイラリクとか来てて今月末は文化祭なのに個人製作全然出来てない、一体自分は何処に行こうとしているんだろうと考える中学三年の秋。
「こんにちはー♪」
「本当に来やがった……」
ドアを開けるとそこに立っていたのは、案の定籠宮理奈を筆頭とする三人組だった。
「良いじゃないの。あんたはお二人から今の芸能界事情とか聞けば?それで仕事になるなら安いもんじゃないの」
「まあそうだけどさ……」
後ろの二人も苦笑している。
零は軽く会釈すると、海里の腹に肘鉄を入れてやった。
「どうしてお前の彼女、あんなにスペック高いんだ?」
「いや、俺に言われても……」
彼自身、どうしてモデルの彼女が自分の恋人になっているのか、よく分かっていないのだ。分かっていることは、自分は彼女が好きで、彼女も自分のことを好いていてくれているらしいと言うことだ。
「後でゆっくり尋問してやるからな」
「ご勘弁を……」
確かに女優とモデルの二人は、テレビの画面で観るよりよっぽど美しく、優雅にそこに佇んでいた。
問題は性格だが、この二人と上手くやっていけている時点でその問題は解消される。
「始めまして。籠宮理奈の双子の弟、籠宮零です。ライターやってます。いやあ、仕事柄芸能人に会うことは少なくないんですが、こんな大物に会うのは始めてで嬉しいなあ」
「ちょっと零!?あたしは!?」
「姉さんはもう見慣れてるよ」
「あたしだって一応この業界に入って長いんですからね!?馬鹿にしてると、あんたの就職先潰すよ!?」
「げ、弟を路頭に迷わせる気かよ?」
再会して早々に姉弟喧嘩を始める二人をよそに、初対面の挨拶を交わしていた。
「あ、えっと四条海里です。一応サラリーマンだけど、スーツとか普段着ないし、開発部なんでそんな感じはしないかな……」
「明野琉美です。いつも神代がお世話になっております」
流石の大女優。歳が一つ違うだけなのに、纏っている貫禄が違う。
「柴田芽依です。何度かお会いしたこと、在りますよね?」
「ええ。何かの撮影会でお会いしました。よろしくお願いします」
「おいウミ」
ようやく姉から逃げ出し、ターゲットを定めた零が言った。
「ちょっと座れや」
「?」
「ここでは何だから、皆さん上にあがって下さい。ほらカゴ。行くよ」
不満顔の零を引き連れ、芸能人だらけの一同は二階に上がった。
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