二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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sister act original
日時: 2017/05/16 21:49
名前: angelo (ID: AQILp0xC)

sister act(天使にラブソングを…)の1の後を妄想爆発させた何か。

個人的に大好きなんだ、不朽の神作である天使にラブソングを…シリーズと、キャスト達が…おばあちゃまとおばちゃま達がなんかめっちゃ可愛過ぎる。

未だかつて、こんなにおばあちゃまやおばちゃまが可愛い作品なんて無いよ、マジで。

名前のあるキャラ(デロリス、ロバート、パトリック、ラザラス、アルマ)と作中で名前が出たイグネイシャスとアニマ以外の名前は私が調べて適当につけました←

ちなみに、sister actのシスターキャラの名前はラテン語由来です←

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Re: sister act original ( No.38 )
日時: 2017/10/15 22:52
名前: angelo (ID: lBubOowT)

慌ててネレーの部屋に引き返すと、気づいたネレーがゆらりと立ち上がった。

が、様子が可笑しい。

ただ、ネレーは手を伸ばした。

ニコラスの方に、まるで助けを求めるかのように。

ニコラスも手を伸ばし、その手を掴もうとした瞬間…ネレーが胸を抑え、しゃがみこんで苦しみだした。

「ネレー、大丈夫!?しっかりして、すぐ救急車来るから!」

慌てて駆け寄ったラルフが、ネレーの背を擦りながら声をかけた。

「っ…あ…た…すけ…」

今にも消え入りそうな小さな声で、精一杯に力を振り絞って…助けを求めたが…言い終わる前にその場に倒れ込んだ。

「っ、ネレー!」

全員が慌てて駆け寄り、ニコラスはネレーの手を優しく握りしめた。

ネレーが僅かに反応したかに見えた瞬間…ネレーは強い痙攣を起こした。

白目を剥き、口の端から泡混じりのヨダレを垂らし…身体を大きく震わせて。

「ネレー…大丈夫よ…!」

ニコラスはそう声をかけた瞬間、自分の指を横向きに、ネレーの口へねじ込んだ。

「っ…」

痙攣でネレーに強く噛み付かれた状態になったニコラスは、痛みに表情をしかめた。

「ニコラス!指から血が!」

トムが叫べば、ニコラスは痛みにしかめていた表情を笑顔に変えて…トムを見据えた。

「心配しなくても大丈夫よ…こんな痛み…ネレーが、今までに味わった痛みに…比べたら…無痛よ…」

ニコラスはネレーを優しく見つめながら、静かに話す。

「私は…私は、ネレーを救えなかったのよ…だから…こんな痛みや怪我じゃ、全然足りないわ…」

「私は…罰を、罪を、受けるべき人間なんだもの…!」

ニコラスはボロボロと涙を流し、流血する指を見つめた。

「もうやめた方が良い…指が千切れるわ!」

流石のデロリスが止めに入るほど、ニコラスの指は噛み付かれていた。

ネレーの唇に血がつくほど…むしろ、口の中が赤いのがわかる程に。

「大丈夫よ、デロリス…痙攣、収まってきたから…」

強い痙攣が次第にゆっくりになり、そして収まっていった。

収まったのを確認してから、ニコラスは指をネレーの口からゆっくり引き抜いた。

指は真っ赤に染まり、見たよりも深い噛み傷からはまだ流血していた。

ロバートはデロリスの目配せで部屋を抜けると、タオルを持って現れた。

ニコラスはタオルで床をふいて、綺麗な面に折り返して指を覆った。

その時、救急車が到着し、バタバタとネレーを担架に乗せて、救急車に乗り込んだ。

Re: sister act original ( No.39 )
日時: 2017/10/15 23:11
名前: angelo (ID: lBubOowT)


乗ったのはホリス、フェリクス、ロバート、ニコラス、トム、そして修道院長様。

デロリスは皆を落ち着かせる為、ラザラスは最年長で無理は禁物だからという理由から、明るくて皆の支えになるホリスとネレーとまるで祖母と孫のような仲睦まじい関係のフェリクスが入れ替わった。

フェリクスは優しい微笑みを浮かべたまま、ネレーの手を優しく握っていた。

「…ネレーはきっと大丈夫だよ、フェリクス」

何かを察したホリスはフェリクスの肩を軽く叩き、笑った。

「そうね、ネレーの生きる力を…信じなければならないわねぇ」

そう返答したフェリクスは明るい笑顔を浮かべた。

「っあ、ニコラスは指…大丈夫?」

ハッとしたようにホリスが尋ねれば、ニコラスは…痛みにしかめていた表情を、無理矢理の笑顔に変えて頷いた。

が、スグにそれを察したロバートが怒ったような、悲しんでいるような声音で言葉を放った。

「ニコラス!もう…我慢しないでよ!」

「我慢して…独りで抱え込んだから、胃潰瘍で吐血して生死の境をさまよったのよ!?」

「もう、我慢しなくて良いのよ!」

「痛い時は痛いって、苦しい時は苦しいって…ちゃんと言っていいんだから!」

「私達が、ニコラスの本当の気持ち…しっかり受け止めるから!」

そう言い放ったロバートは、目に涙を貯めていた。

ニコラスはただただ、俯いていた。

抑えている方の手の甲に、涙を零しながら。

そして、そのまま病院に到着した。

Re: sister act original ( No.40 )
日時: 2017/10/17 22:23
名前: angelo (ID: fqLv/Uya)

病院に着くやいなや、ネレーはすぐに運ばれ、胃洗浄が行われた。

シスター達は椅子に座って祈っていた。

が、不意にロバートは別の医師を呼びに行った。

手術の間、別の医師と共に診察室へ行き、ニコラスの指を見てもらった。

指を抑えていたタオルを離せば、タオルは大分血で真っ赤になっていた。

そんなニコラスの指は、医師が驚く程噛みちぎられていた。

もう少し、噛み傷が上に引っ張られていれば…骨が見えるぐらい、ギリギリまで深い傷だった。

その為、縫合治療をする事になり、消毒してから数箇所の指の深い切り傷を縫い止めた。

その上からガーゼと包帯を巻き、定期的に病院に来るように言われ、15分程で治療は終了した。

そして、また皆が祈った。

手術の無事を、強く強く祈った。

Re: sister act original ( No.41 )
日時: 2017/10/17 22:41
名前: angelo (ID: fqLv/Uya)


しばらく時間が経ち、それぞれが多少なり話したりし始める中、ロバートがニコラスの前に立った。

その瞬間、周りのシスター達が振り返ったりして二人を見つめた。

「…ニコラス」

「貴方に、聴きたいことがあるの」

ロバートが静かにそう話せば、ニコラスは少し困った顔をした。

「…ネレーの事?それとも…私の事、かしら?」

困った表情を、少し笑顔に変えて、静かに返した。

「…どっちも、かしら」

ロバートはじっとニコラスを見据えている。

「…そう」

「なら、何が聞きたいの?」

ニコラスもまた、じっとロバートを見据えた。

2人の周りに、ピリピリした空気が流れる。

「…薬の事、とか」

ロバートが少し言いづらそうに口に出せば、ニコラスは少し俯いていた。

「…薬、ね…」

「そうよね、説明しなきゃよね…?」

ニコラスは胸に手を当てる癖を見せ、大きく息を吐いた。

そして、ゆっくりと話し出した。

「私とネレーが幼馴染なのは知ってるわよね?」

ニコラスがゆっくり尋ねれば、ロバートは頷いて。

「…彼女、移民だったのよ、プエルト・リコからの…」

ニコラスは少し、懐かしそうに目を細める。

「…それが原因でイジめられてたのは、ネレー本人から聞いたわ」

「突然、ネレーが話し出した…ってのが本当の所ではあるわ」

ロバートがハッキリと告げれば、ニコラスは心底驚いた表情をしていた。

「…それは、まさか…」

「いや、何でもないわ…話を続けるわね?」

ニコラスは少し考え、小声で独り言を呟いたが、なんでもないと笑った。

「なっ、何でもなくはないでしょう!」

「ちゃんと、聞かせて下さい…シスター・ニコラス」

ロバートの真剣な表情に、ニコラスは困った様な表情を浮かべ、仕方ない、と…また大きく息を吐いた。


Re: sister act original ( No.42 )
日時: 2017/10/19 22:21
名前: angelo (ID: fqLv/Uya)

「…わかった、わかったわ…」

「ちゃんと、全てを…隠さずに話すわ…約束する」

ニコラスはそう言って、目を伏せた。

そして、心配や不安があると必ずする、ニコラスの癖…胸に手を当てた。

「ネレーは…小学生時代も、中学に入ってからも…酷くいじめられたわ…」

「国へ帰れ、学校に来るな、移民が調子に乗るな…いわれのない、暴言…挙げれば、キリがないわ…」

ニコラスの目に、涙が浮かぶ。

「物を隠され、壊され、落書きされ、捨てられ…」

「殴られたり、蹴られたり、物を投げつけられたり…」

一筋、また一筋と…ニコラスの頬に涙が伝った。

「挙句の果てには…やっても居ない罪を押し付けられる…いわゆる、冤罪も沢山あった…」

「私は…助けようとした…でも、助けられ、無かった…見えない場所で…イジめられていたから…」

話していくうちに耐えきれなくなったのだろう。
ニコラスは、口元を抑え…ボロボロと泣き出した。

「…ニコラス」

デロリスは、静かにニコラスを抱きしめた。

「辛かったわね…苦しかったわよね…良いのよ、泣いて…全部吐き出してちょうだい…私達にも、あなたの荷物…少しでいいから、背負わせて…」

抱きしめ、背をさすりながら…デロリスはゆっくりと話した。

それを皮切りに、ニコラスは声を上げ、嗚咽する程泣いた。

可愛らしさはあれど、40代半ばのおばちゃんが…まるで、子供のように。


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