二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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sister act original
日時: 2017/05/16 21:49
名前: angelo (ID: AQILp0xC)

sister act(天使にラブソングを…)の1の後を妄想爆発させた何か。

個人的に大好きなんだ、不朽の神作である天使にラブソングを…シリーズと、キャスト達が…おばあちゃまとおばちゃま達がなんかめっちゃ可愛過ぎる。

未だかつて、こんなにおばあちゃまやおばちゃまが可愛い作品なんて無いよ、マジで。

名前のあるキャラ(デロリス、ロバート、パトリック、ラザラス、アルマ)と作中で名前が出たイグネイシャスとアニマ以外の名前は私が調べて適当につけました←

ちなみに、sister actのシスターキャラの名前はラテン語由来です←

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Re: sister act original ( No.27 )
日時: 2017/09/02 23:26
名前: angelo (ID: aFzuuCER)

ニコラスの眠るベッドの横で、ロバートは手を組んで祈りだした。

「お願い、主様…シスター・ニコラスを、お助け…下さい…」

泣いてしゃくりあげながらも言葉を紡ぎ、目を閉じて祈った。

他のシスター達も涙を拭ったり、ロバートの様にしゃくりあげながら…静かに祈った。

少しの間、泣き声と機械音だけが部屋に響いた。

祈りを解いたシスター達は、何人かは病室の外に出ていた。

その中には、デロリスと修道院長も居て。

修道院長は俯きながら、ゆっくりと口にだした。

「ああ、神よ…!貴方様は私達に…シスター・ニコラスに…一体、何を望んでいらっしゃるのですか…!」

「20年以上も、貴方様のお側で…従事し、街に奉仕して来た尼僧に、こんな…こんなにも酷い試練を…課さなくたって、良い筈ではありませんか…!」

声を震わせ、ボロボロと涙を溢れさせ、祈るように組まれた手には力が入っていた。

「…修道院長様…」

デロリスはゆっくりと修道院長の横に腰を下ろし、その身体を抱きしめ、背をさすった。

修道院長は、抱きしめられながら…これ以上無い程に泣いていた。

沢山の涙を流し、声を上げて。

Re: sister act original ( No.28 )
日時: 2017/09/03 22:39
名前: angelo (ID: aFzuuCER)

次の日、病院の開く時間に合わせて、連絡を取った母子が現れた。

「ああ、良く来て下さいました…!」

安堵したように話す医師の言葉に、母親は少しだけ微笑み、頭を下げた。

そして、シスター達の方向を向いて…しっかりとした目で話した。

「…私の血が、必要なのなら…是非とも、利用して下さい…」

「それが、彼女に息子共々…命を救われた私に出来ることですから」

その言葉をシスター達は喜び、ハグしたりハイタッチしたり話したりしていたが、慌てて母親に頭を下げた。

母親は少し照れくさそうにしながらも、シスター達に頭を下げた。

輸血を作る為の準備をする時間が多少必要、と医師がバタバタ準備に取り掛かる間、シスター達と母親が会話を弾ませていた。

「いやーもー、可愛いねぇ、いつの時代も赤ん坊ってのは変わらないねえ!」

ラザラスが赤ん坊を見つめながら、笑って話す。

「ほんと、凄く可愛い!」

ロバートはラザラスにくっつきながら、笑っていたら、

シスター達は皆、赤ん坊の可愛さにメロメロになってしまっていた。

「輸血の準備が整いました、来て頂けますか?」

医師の言葉に、母親は赤ん坊をシスター達に預け、足早に処置室へと入って行った。

シスター達は代わる代わる赤ん坊をあやしながら、処置室を見つめていた。

処置室から母親が出てくると、赤ん坊を返し、そして再度頭を下げた。

「何度御礼を述べても足りないぐらいです…本当に、ありがとう…」

修道院長の言葉に、シスター達はそれぞれ御礼を述べた。

「いいえ…私も命の恩人に恩返しが出来て…良かったと思っています」

母親は優しい笑顔を浮かべ、一礼すると帰って行った。

静かになった廊下で、ラルフは俯きながら、ポツリと呟いた。

「まだ…輸血は足りてない、のよね…?」

ラザラスは静かに返答した。

「…ええ、手術するにはね」

その言葉に、少し笑顔になっていたシスター達は…また、俯いてしまった。

Re: sister act original ( No.30 )
日時: 2017/09/05 22:10
名前: angelo (ID: aFzuuCER)

病室前の椅子に座り込むシスター達。

落ち込んだり、話したり、支えあったりと、シスター達はそれぞれに行動していた。

気がつけば、ニコラスが病院に運ばれてから11時間が経過していた。

「…タイムリミット、どれぐらいなのかしら…」

不意に時計を見上げたイグネイシャスが、ポツリと呟いた。

「…今日の15時が限界です、手術の時間を加味しても」

いつの間にやら現れていた医師が、ゆっくりと…静かに答えた。

シスター達は動揺し、お互いに顔を見合わせたり、話したり…泣きそうに表情を歪めたりしていた。

「今は9時…だから…」

「残り、は…6時間…?」

ぼんやりした表情でホリスが呟いた。

「そんな!そんな短時間で、10~20万人に1人の稀血の持ち主探せっての!?」

「あ、あの人だって偶然病院で治療受けたから連絡とれただけよ!?」

デロリスは医師に詰め寄りながら、吐き出すように叫んだ。

Re: sister act original ( No.31 )
日時: 2017/10/09 22:46
名前: angelo (ID: jX/c7tjl)


いっぽうその頃、サウザーは仕事しながらも稀血の持ち主を探していた。

「流石は稀血…全く見つからん」

そうぼやきながら、電話を置いた。

「どうしたもんか…」

知り合いのいる病院は全て連絡をとって見てもらったが、やはり居なかった。

額を抑え、考えを巡らせる。

と、電話が鳴り響いた。

サウザーは我に返ると、慌てて電話をとった。

「もしもし、こちらベルン警察署のサウザー…」

そこまで言うと、慌てふためいたデロリスの声が聞こえた。

「サウザー!大変!時間が無いわ!」

次から次へと放たれる言葉に、サウザーは一瞬停止しかけて…デロリスを諌めた。

ロシアから来て輸血した稀血の人物が居ること。

そして、残り時間が6時間をきった事を告げられた。

電話を切ると、サウザーはその人物を探し始めた。

署長に頭を下げ、仲間にも協力を要請し、あらゆる情報を探した。

そして、ロシアの子は…見つかった。

隣町に住んでいたのだ。

サウザーは慌てて電話をかけた。

『…はい、もしもし…』

静かな声が、電話口に届く。

「もしもし、こちらベルン警察署のエディー・サウザーと申します」

サウザーが名乗れば、ロシアの子は驚いた声をあげた。

「驚かせてすまない…が、君に頼みたい事があるんだ」

『た、頼みたい事!?』

「あぁ…私の知り合いのシスターの友人が…重度の胃潰瘍で眠っている…」

「その友人の血液型というのが、A型の-D-という…君と同じ稀血なんだ」

「だから、君に輸血を協力して欲しい…残り6時間、それが友人の命のタイムリミットだ…」

「…そう、ですか…」

ロシアの子は、かなり困惑していた。

「…最後に、その友人は…幼い君に、命に関わる輸血法で君に輸血し…君の命を救った恩人なんだ」

「返事は…1時間以内に決めて、連絡をしてくれ…良い返事を待っている」

ロシアの子は、黙ったままだった。

サウザーは少し間を置いてから、電話を切った。

「…頼む」

大きく息を吐き、祈るように腕を組み、頭を下げた。

Re: sister act original ( No.32 )
日時: 2017/10/10 22:57
名前: angelo (ID: jX/c7tjl)


一方、病院。

残り6時間から、ミサに来てくれている人達に片っ端から聞いたものの、いるはずも無く…病院に戻ったものの意気消沈していた。

「…もう…残り、4時間…」

ロバートが小さく呟けば、シスター達は俯いてしまった。

もう、打つ手は全て行った。

中には涙を流すシスターもいた。

その時だった。

「…デロリス!」

慌てて走って来たサウザーと、その後ろから、ダークブロンドに明るい青い目の女性が現れた。

「喜べ、シスター達!」

「彼女はA型-D-の稀血の持ち主で…輸血に協力してくれるそうだ!」

サウザーがそう話した瞬間、シスター達は喜び勇み、騒いだ。

抱き合ったり、安堵から座り込んだり、はたまた泣き出したり…様々に反応していた。

「あぁ…神よ…感謝致します!」

アニマはそう呟いて強く祈っていた。

「…あぁ、本当にありがとう…感謝を幾ら述べても足りない程です…!」

修道院長は涙を拭いながら頭を下げ、何度も感謝を述べていた。

そして彼女が処置室に向かい、輸血ぶんの血を抜き…急ぎで手術が行われた。

ニコラスが手術室に運ばれ、手術中のランプが点灯した。

ロシアの子は、サウザーと共に手術室の椅子に座っていた。

「…ねぇ、サウザー…その子は帰らないの?」

デロリスが不思議そうに尋ねた。

「…ん?あぁ…彼女は手術の無事を見届けてから帰りたいと言ってな…だから残ってる」

サウザーは笑ってそう答えた。

「何で、手術の無事を見届けようと?」

ロバートが静かに、ロシアの子を見つめて尋ねた。

ロシアの子は…真剣な眼差しで語り始めた。

「…手術中の方…シスター・ニコラスさんは、私の…命の恩人なんです」

「私は幼い頃、大きな事故で重症を負って…手術しなければ助からなかったんです」

「でも、私は稀血…同じ血液型が見つかるはずもなく、あの時は死を待つばかりだったそうです」

「そこに、同じ血液型だったシスター・ニコラスさんが隣町にも関わらず、慌てて駆けつけて下さって…」

「緊急手術で、輸血ぶんの血液を抜く暇も無く、直接管を通してお互いの血液を輸血する方法しか無かったそうです」

「感染症になるかもしれない、血が足りなくなって後遺症が出るかもしれない、最悪死ぬかも知れない」

「それでも、シスター・ニコラスさんはその方法を受け入れて手術して下さった」

「母から、そう聞いたんです」

「だから、だから私は…恩返しがしたかったんです」

「そして、生きているシスター・ニコラスにひと目でいいから会いたい…そして、叶うなら…お礼が言いたいんです」

話を聞いたシスター達はかなり驚いていた。

ニコラスが輸血したのは知っていたが、命に関わる方法だとは知らなかったのだから。

「是非、彼女に会って話してあげてよ!ニコラス、絶対に喜ぶわ!成長した貴女を見れるんだもの!」

パトリックが少し興奮気味になりながら話す。

「っあ、私はメノロワ・メドベージェフと申します!」

慌てて名乗ったメノロワに、シスター達はケラケラ笑った。

そんなこんな笑ったり話したりしていたら、手術中のランプが消えた。

そして、医師が現れた。

修道院長は、医師に詰め寄る勢いで尋ねた。

手術は成功したのですか、と。

医師は笑って答えた。

もちろん、成功しましたよ、と。






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