二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- sister act original
- 日時: 2017/05/16 21:49
- 名前: angelo (ID: AQILp0xC)
sister act(天使にラブソングを…)の1の後を妄想爆発させた何か。
個人的に大好きなんだ、不朽の神作である天使にラブソングを…シリーズと、キャスト達が…おばあちゃまとおばちゃま達がなんかめっちゃ可愛過ぎる。
未だかつて、こんなにおばあちゃまやおばちゃまが可愛い作品なんて無いよ、マジで。
名前のあるキャラ(デロリス、ロバート、パトリック、ラザラス、アルマ)と作中で名前が出たイグネイシャスとアニマ以外の名前は私が調べて適当につけました←
ちなみに、sister actのシスターキャラの名前はラテン語由来です←
- Re: sister act original ( No.16 )
- 日時: 2017/06/18 01:29
- 名前: angelo (ID: RuL2wqqJ)
「ああ、メアリー・ニコラス!どうして…!」
修道院長は珍しく動揺していた。
修道院長は普段は極めて冷静で、相当な時以外は余り感情を表に出さない人物だからだ。
「…修道院長様…多分、恐らく…ニコラスは、胃潰瘍かと」
イグネイシャスが静かにそう告げた。
「…胃潰瘍…」
修道院長はぽつりと呟き、顔色が青白くなって来ているニコラスの頬に触れた。
「い、胃潰瘍って口から血を吐いたりするの?」
ラルフが驚いて、声をうわずらせながら尋ねる。
「…重度に胃潰瘍が酷い場合なら症状としてあるのよ、吐血はね」
イグネイシャスは静かにそう告げ、ゆっくり吐息を吐いた。
「ただ…普通なら、吐血の前に痛み…激痛で耐えられなくなるはずなのよ」
「ニコラスはどうやって…胃の違和感や痛みを表情にも出さずにいられたのかしら」
イグネイシャスの言葉に、全員が不思議そうな表情に変化し、首を傾げたりしていた。
そんな頃、やっと救急車が到着し、ニコラスは担架に乗せられ、救急車に運び込まれて。
修道院長とラザラス、ロバート、レネー、トム、ジュリアスの5人が救急車に乗り込む事になり、救急車は病院へと向かった。
救急車が病院に向かい、病院まで残りわずかとなった時、レネーが不意に小声で呟いた。
「…ニック、普通の病院で大丈夫かな…」
隣に座って複雑な表情をしていたロバートには聞こえたようで、それはそれは勢い良くレネーの方を振り返った。
「どっ、どういう事!?普通の病院で大丈夫かな、って!?」
ロバートがレネーの肩を掴みながら、ラザラス達が耳を塞ぐ勢いの声量で叫ぶように聞き返す。
「えっ、あっ、そのっ、ニック、身体の中身…その、逆なのよ」
レネーの説明は修道院長やラザラス達には伝わらなかったようで、訳が分からん、を全力で表情に出している状態になっていた。
「ニック、生まれつきに中身が全部逆で…だから、心臓右にあって、胃とか腎臓や肝臓、腸なんかも逆…左右逆なの、全部…神経も含めて…」
ネレーが何とか言葉にして説明すると、修道院長やラザラス達はそれはそれは驚いていた。
「そ、そんなの聞いたことないよ、あたし」
ジュリアスが目をぱちくりしながら言えば、ラザラスは同意するように大きく頷いて。
「だ、だって…症例としては凄く、珍しくて…神経からツボまで含めてだと、もっと珍しいってお医者様も言ってたから…」
レネーは怯えるような表情をしながらも、何とか言葉を紡いだ。
「だから私達は初めて聞いたんだね、その症状のこと」
トムがそう答えれば、レネーは首を縦に振って頷いた。
「…だとしたら…血液型はどうなんです?メアリー・レネー」
修道院長が真剣な眼差しでレネーを見据えれば、レネーは身体をビクリとさせながら答えた。
「に、ニックの血液型…A型…ーDー(バーディーバー)」
- Re: sister act original ( No.17 )
- 日時: 2017/06/14 23:21
- 名前: angelo (ID: O/vit.nk)
バーディーバーは非常に珍しい血液型で、陰性のRH−より数少ないですが、RH null(黄金の血液と呼ばれる程の稀血)のようにごく稀よりは人数が居る血液型です。
ボンベイ型もバーディーバーと同じ、非常に珍しい血液型の1つです。
(非常に稀に、CE抗原系をまったく持っていない方がおり、D抗原系と合わせて−D−(バーディーバー)と表記されます。つまり、D抗原以外のC(またはc)とE(またはe)の抗原が存在しないので−D−と表されるのです。)
- Re: sister act original ( No.18 )
- 日時: 2017/06/15 22:46
- 名前: angelo (ID: b9FZOMBf)
少し俯く修道院長とラザラス、訳が分からずポカンとするロバートとジュリアスとトム。
なんとも対照的だった。
「ば、バーディーバーって…何?」
トムが困惑した表情で尋ねれば、修道院長が大きく息を吐いた。
「…私も詳しい事は知り得ないわ…ただ…知っているのは、とても珍しい血液型である、という事だけ」
ラザラスはゆっくりと頷いた。
私も同じよ、と言いたいのだろう。
驚きなどが入り交じり、少し静寂の間を置いて…レネーがゆっくりと説明した。
「…ニックの血液型の、バーディーバーは…凄く凄く珍しい血液型で…10〜20万人に1人、居るかどうか…」
レネーがそこまで言うと、全員の表情が驚き…を通り越してパニックになっていた。
「え、あ、ちょ、それ、それって、ニックの命が凄く危ないって事!?」
トムが大きな声を響かせ、パニックでオロオロし始める。
「た、多分大丈夫、と思う」
パニックでオロオロするトムにビビりながら、レネーがゆっくり答えていく。
「ニック、血液型とその珍しさを知ってから…1月に1回ぐらいの頻度で献血して、自分の血で輸血作ってた、から…」
レネーの答えに、皆が安堵した。
「で、メアリー・レネー、輸血のある病院はどこに?」
安堵も束の間、修道院長が静かに尋ねる。
「ニックの生まれた病院の…聖クロス大病院に…」
レネーもまた、静かに答え、ラザラスがそれを救急車の運転手に伝え、慌てて大病院に向かって走り出した。
その頃には、ニコラスの顔色は青白くなっていた。
- Re: sister act original ( No.19 )
- 日時: 2017/06/18 01:28
- 名前: angelo (ID: RuL2wqqJ)
病院に着くと、ドクターやナースが手術着で現れ、慌ただしくニコラスを手術室へと運びこんだ。
その直後、1人のドクターが慌ててレネーの元へやって来た。
レネーはそのドクターを見て、表情を綻ばせた。
「お久しぶりです、先生」
レネーが頭を下げると、先生は焦ったまま話し出した。
「ああ、久しぶりだねサーシャ…と悠長に話してる場合じゃないんだ!」
「A型バーディーバーのマリアの輸血、つい2週間前にもう一人のA型バーディーバーの母親と赤ん坊の手術で使用して…1つも残ってないんだ…!」
その台詞に、全員がパニックを起こした。
レネーは絶叫してその場で立ち尽くしたまま泣きじゃくり、ロバートはその場で顔を覆って泣き崩れ、ジュリアスは涙を零しながらもロバートを案じ、トムは大声を上げて嗚咽しそうな程に泣き、ラザラスは額に手を当てたまま呆然とし、修道院長は失神しかけていた。
「に、ニック、が、ニッグが死んじゃう!助けて、助けてよ先生…!」
レネーはドクターの胸ぐらを掴んで泣き叫んだ。
「…輸血が無い以上…どうにもしようがない…すまない…!」
ドクターは何度も目を拭っては頭を下げた。
「…取り敢えず、修道院に連絡してくるわね」
呆然状態から多少復帰したラザラスが、ぽつりと呟いて…近くにある電話を手に取って、修道院にかけた。
『はい、聖キャサリン修道院のシスター・クラレンスですが』
電話に出たのは、少し抑えたトーンになっているデロリスだった。
「…デロリス…大ピンチよ」
ラザラスは震える声でそう呟いた。
『だっ、大ピンチってどういうことよ!?』
電話口から聞こえたデロリスのかなり大きな声に、ラザラスは流石に表情を歪め、電話を耳から離した。
「電話口で叫ばないでちょうだい、鼓膜が裂けるわ」
「後、大ピンチってのは…ニコラスに対応する輸血が無いのよ、血液型が希少過ぎて」
ラザラスがそう静かに告げると、流石のデロリスも黙ってしまった。
『…ニックは…死ぬって事…!?』
デロリスの声に、ラザラスは苦笑いをして答えた。
「…そうね…数時間中に輸血が見つからなければ…ね」
ラザラスはそう告げ、一旦電話を切った。
- Re: sister act original ( No.20 )
- 日時: 2017/06/19 23:01
- 名前: angelo (ID: 7hcYnd26)
一方、修道院。
受話器を置いたデロリスは、ぼんやりと皆の元へ戻った。
「デロリス、ニコラスはどうだったの?」
パトリックが変わらぬ陽気さで明るく声をかける。
デロリスはぼんやりしていた表情を悲しげに変え、パトリックに抱きついた。
「で、デロリス!?一体どうしたのよ!?」
流石のパトリックも動揺し、あたふた周りを見て、周りのシスターと目配せしていた。
デロリスはパトリックに抱きつくのを辞め、ゆっくりと言葉を口に出した。
「…ニック…死んじゃうかも、しれない」
その言葉に、シスター達は動揺し、涙を零した。
「ニコラスが死ぬって…どういうことか…ちゃんと説明してちょうだいな、デロリス」
アルマは優しげな表情でデロリスを見つめながら、ゆったりと話す。
「詳しくはわからないわ…ただ、血液型が珍し過ぎて…輸血が無いらしいわ」
「ニックは献血してたけど…珍しい血液型だから世界中で必要とされてて、必要になればメキシコとかカナダとか、遠くはアフリカにも冷凍パックして送ったり…その上に1週間前に退院した母子がその血液型だったみたいで、大量出血と手術で残存してた輸血使い切った、って」
そこまで言うと、デロリスは椅子に座り込んで項垂れた。
パトリックは呆然と固まり、アルマは棒立ちのまま涙を溢れさせ、ラルフは大声あげて大泣きし、泣いてるフェリクスに慰められてて。
ホリスは俯いてボロボロ涙を流し、ヒューゴは何回も目を開閉しながら、何度も指で目頭を拭っていた。
アーネストはぼんやり状態、イグネイシャスはハンカチで目元を抑えながら声を押し殺して泣き、オーレリウスはハンカチで目を拭いながらも茫然自失状態になったアニマを気遣って。
「…ねぇ、デロリス」
そんな中、フェリクスがデロリスの肩を軽く叩いて呼ぶ。
「…フェリクス」
デロリスはただ、フェリクスの表情を見つめていた。
「一つ、提案なんだけれど…」
「あなたの知り合いの警察の…サウザー警部、にその血液型の人を探して貰うことは出来ないかしら?」
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