二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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sister act original
日時: 2017/05/16 21:49
名前: angelo (ID: AQILp0xC)

sister act(天使にラブソングを…)の1の後を妄想爆発させた何か。

個人的に大好きなんだ、不朽の神作である天使にラブソングを…シリーズと、キャスト達が…おばあちゃまとおばちゃま達がなんかめっちゃ可愛過ぎる。

未だかつて、こんなにおばあちゃまやおばちゃまが可愛い作品なんて無いよ、マジで。

名前のあるキャラ(デロリス、ロバート、パトリック、ラザラス、アルマ)と作中で名前が出たイグネイシャスとアニマ以外の名前は私が調べて適当につけました←

ちなみに、sister actのシスターキャラの名前はラテン語由来です←

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Re: sister act original ( No.21 )
日時: 2017/06/25 23:00
名前: angelo (ID: Z/MkaSMy)


デロリスはフェリクスを見つめたまま、少しの間逡巡していたが…笑って頷くと、電話を取って警察に連絡した。

少し電話のベルの音がなり、次いで警察署員の声が電話口から聴こえてきた。

「警察署ですが、どちら様でしょう?」

警察署員の声に、デロリスは一瞬ドキッとしつつ答えた。

「聖キャサリン修道院のシスター・クラレンスですが…サウザー…エディー・サウザー警部はいらっしゃるでしょうか」

少し緊張しつつ答えるデロリスを、周りのシスター達は涙を拭きながら、デロリスにつられるように緊張して見つめていた。

「エディー・サウザーですね、少々お待ちください」

その言葉から3分ほど待たされたのち、サウザーが電話に出た。

「少し待たせてすまんな、デロリス」

サウザーは大きく息を吐きながら、穏やかに答える。

「サウザー!大変なのよ!親友のシスターが!」

大声で、しかも矢継ぎ早に話すデロリスに、サウザーは優しく落ち着くように諭す。

デロリスは小さく深呼吸をして、落ち着いて話した。

「親友のシスターのニコラス…比較的小柄で、一際に小顔なあの人よ」

「胃潰瘍で吐血して…病院に運ばれたんだけど…血液型がかなり珍しくて、輸血が無くて手術出来ない状態で…早く輸血見つけて手術しないと、彼女は死んでしまうのよ!」

「だから、あなたにその珍しい血液型の人を探して欲しいの!」

デロリスがそこまで伝えると、サウザーは困ったように頭を掻いた。

「探すにして、そのシスターの血液型は?」

サウザーは仕方なく、デロリスに訊ねた。

「シスター・ネレーが言うには、血液型ーDーらしいわ」

デロリスが伝えれば、サウザーは小さく「嘘だろ」と呟いて。

「もし、警察で探せなければ…俺個人でも探すが…時間がかかるぞ」

サウザーがそう答えれば、デロリスは少し笑って。

「ありがとう、サウザー…じゃ、また…」

そう言って、デロリスは電話を切った。

後は…運を天に任せるしか無く、シスター達は涙を拭いながら、十字をきって祈った。

Re: sister act original ( No.22 )
日時: 2017/06/26 23:06
名前: angelo (ID: Z/MkaSMy)


その頃、病院では…それぞれが涙を拭いながら、どうしたものかと頭を悩ませていた。

「同じ血液型の人を探すにしたって、方法が問題よ…」

ジュリアスが大きく息を吐いた。

「ひとりひとりに声をかけるなんて、時間がかかりすぎて埒が明かないし」

そう言い放つジュリアスに、ラザラスは困った表情を返していた。

「どう、したら…良いんでしょうね」

トムのこの言葉を皮切りに、ロバートは俯いて涙を零した。

レネーもまた、泣きじゃくり始めた。

「やだ、嫌だよ、居なくならないで、リリー、私を1人にしないでよぉ…!」

40代後半(45ぐらい?)のおばさんが、まるで…子供のように大声を上げ、泣き叫んでいる。

「メアリー・レネー、落ち着きなさい!」

修道院長は、自分に言い聞かせるようにして、レネーに一喝する。

だが、レネーは泣き止む気配すら見せず、子供のように泣き続けている。

ロバートはそれにつられるように大泣きし、更にはトムまで再度大号泣し、ジュリアスは必死につられて溢れる涙を拭い、修道院長は困り果て、ラザラスは頭を抱えていた。

しばらくして、再度泣き止み始めた時…レネーは何かを取り出した。

それは、今にも千切れそうに見える程古ぼけた、傷で濁ったビーズが通され、真ん中には大分濁って変色してしまった十字架がある、小さなサイズのロザリオ。

レネーはそのロザリオを、胸にあててぎゅっと握りしめた。

そして、俯いたまま…呟き始めた。

「リリー、私のこと…小さい頃からずっと、ずっと助けてくれた」

「でも、私は…リリーを助けること、出来ないまま」

「シスターになってからも、そっからおばさんになった今も…助けられてばかり」

「リリー、そんな私に約束してくれた」

「ずっと傍に居てくれるって」

「ずっと友達で居てくれるって」

「リリー、約束破る?」

呟いているネレーの話し方は、普段とは違っていた。
どこか片言で、たどたどしくなっていた。

修道院長達もそれに気づいたようで、不思議そうな、だがどこか複雑な表情をしていた。

「…ネレー、大丈夫?」

トムがネレーの傍に立てば、ネレーはぼんやりとした表情ながら答えた。

「大丈夫、私」

ネレーはどこか片言で、たどたどしいままだった。

「どうしたのさ、なんか…片言になっちゃってさ」

ジュリアスが尋ねれば、ネレーは不思議そうに首を傾げる。

「私…話、変?」

トムの方を見つめながら、ネレーはそう尋ねた。

「…なんにも、変じゃないわ」

トムは笑ってそう答えた。


Re: sister act original ( No.23 )
日時: 2017/06/27 23:25
名前: angelo (ID: Z/MkaSMy)


トムの笑みに、修道院長達がつられ、少し笑った時だった。

レネーが不意に、話し出した。

「…私、小さい時、ここに来たの」

懐かしそうに、目を細めた。

「私、故郷はプエルトリコ…お金稼ぐため…家族で、船乗って…アメリカ行って、移住した」

家族を思い出し、少し寂しそうな表情をした。

「でも、私…分からない、英語分からない」

寂しそうな表情から、少しだけ、泣きそうに表情を歪ませた。

「だから…いつも、虐められた」

「悪口、殴る、蹴る…いつも、いつも」

レネーの目から、また涙が零れた。
ロバートは泣きそうな表情になり、トムは俯いて、ジュリアスは表情を強ばらせて。
修道院長は辛そうな表情で胸を抑え、ラザラスはただただ…レネーを見つめていた。

「言葉分からない、身体小さい、抵抗出来ない」

「だから…私、サンドバッグ、ね」

そこまで言うと、レネーは涙を拭った。

ロバートも涙を拭い、ジュリアスはまだ表情を強ばらせたまま、トムは手の甲に涙を零し、修道院長は一筋涙を流し…ラザラスは目を伏せていた。

「ボロボロで、辛い、苦しい…そんな時、リリー…じゃない、ニコラス、会った」

レネーは少し、嬉しそうな表情を浮かべた。

「座って、泣いてる私見て…ニコラス、声かけてくれた、抱き締めて、頭撫でてくれた」

「私もニコラスも、言葉分からない、でも、嬉しかった、幸せだった、とても」

レネーは嬉しそうな表情を綻ばせ、幸せそうな表情に変わった。

「次の日、ずっと傍に居てくれて、イジメっ子、止めてくれた」

「初めて、どこも…痛くない日だったの」

その日を思い出すように目を閉じて…少ししてから、ゆっくりと目を開いた。

「ニコラス、私助けてくれた」

「英語もたくさん、たくさん教えてくれた」

「今度は、助けたい…ニコラス」

そこまで話すと、ラザラスが口を開いた。

「…ニコラスを助ける為に…お医者に聞いてくるよ、気になる話を思い出したからねぇ」

そう言って、ラザラスは医者の居る病室に入って行った。

Re: sister act original ( No.24 )
日時: 2017/09/03 22:42
名前: angelo (ID: aFzuuCER)

「おじゃまするわよ、ドクター」

ラザラスは病室に入ると、静かに声をかけた。

「あぁ、シスター・ラザラス」

医者はラザラスの声に振り返り、笑って頭を下げた。

「…ニコラス」

ベッドに寝かされたニコラスは、呼吸器に栄養管と心電図、自分の血液を濾過してそのまま自身に戻す透析の機械が付けられていた。

ニコラスの顔は生気を感じられないぐらいに蒼白で、文字通り血の気が引いていた。

「以前、ニコラスはここで同じ血液型の母子に輸血したんだったわよね?」

ラザラスはニコラスを見ていられなくなったのか、不意に話し出した。

「ええ…それ以前にも、同じ血液型で輸血が足りなかったロシアの子の手術で、輸血してくれたこともあるんです、彼女は」

「それも、自分の身体とロシアの子の身体を管で繋ぎ、直接的に輸血する…命に関わる可能性もある方法を、彼女は笑って受け入れて…」

そう懐かしそうに話す医者の横で、ラザラスはびっくりして口元に手をやりながら話す。

「その子達に、連絡はとれないの?」

そうラザラスが尋ねれば、医者は悩んだ表情をしていた。

「番号が変わってなければ…しかし、個人情報保護法があるから無闇には…」

ブツブツ呟きながら、逡巡する医者に、ラザラスは怒りの混じった表情を見せた。

「あんたは命を救う医者なんだろう!?」

「法律だのなんだのと、気にしてる場合じゃないよ!」

「何を悩む必要があるんだい!」

ラザラスの一喝に、医者は吹っ切れた表情をして病室を飛び出し、院長部屋のパソコンから母子とかつて輸血したロシアの女の子の番号をメモして、走って戻って来た。

「はぁ、はぁ、はぁ…ふぅ…シスター・ラザラス、これが二人分の番号だ…かけて来て欲しい」

「…僕はニコラスの容態を見てなきゃならないからね」

ラザラスは納得したように頷くと、「本当にありがとう」と告げ、頭を下げて病室を後にした。

修道院長達に話し、修道院長が母子に、ラザラスがロシアの女の子に電話をかけた。

Re: sister act original ( No.26 )
日時: 2017/07/02 23:07
名前: angelo (ID: pUqzJmkp)


何とか母子には連絡がつき、スグにでも来てくれる事になった。

修道院長はなんども「ありがとう」を口にしていた。

しかし、ロシアの子には番号が変わってしまったようで、繋がらなかった。

連絡を終えた修道院長達が座っている時だった。

「ラザラス!」

いつの間にか、デロリス…だけじゃなく、皆が集合していた。

「デロリス!皆も…」

ラザラスはびっくりしつつ、安堵したように笑った。

ロバートはデロリスに抱きついて、また涙を零していた。

トムはラルフやヒューゴに、レネーはフェリクスやオーレリウスに、ジュリアスはホリスやアーネストにそれぞれ抱きついたり話したりしていた。

「ラザラス、ニコラスは?」

デロリスがロバートの背をさすってあげながら尋ねる。

「…そこの病室よ」

「…顔面蒼白で管や機械が繋がって…見てられなくなるわ」

ラザラスはゆっくり息を吐いて話しながら、病室に入った。

「…ニコラス…」

流石のデロリスですら、額を抑えて俯むいてしまった。

「…あぁ、なんてこと…」

イグネイシャスはハンカチで涙を拭いながら、震える声でポツリとそう呟いた。

「生きて、いるのよね?」

デロリスの後ろで、ラルフが不安そうな声を出した。

「…何とか生きてるわ、麻酔で眠らせてね」

「でも、手術出来なきゃ…間違いなく死ぬわね」

「吐血による失血…または胃に空いた穴から胃液が漏れ出して…臓器が溶けて痛みに苦しみながら…それか、痛みとかで食べられずに餓死するか…その前に耐えきれず自殺するか…四択ね」

ラザラスはそこまで言うと、額を抑えた。

それを聞いたラルフは顔を覆い、声を上げて泣き出し、横に居たホリスが優しく抱き締め、背をさすってあげていた。

「…エディー、お願い…」

デロリスは小さな声で、呟いた。


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