二次創作小説(新・総合)
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- 戦闘中 ねこ娘と虎の穴【完結!】
- 日時: 2019/11/10 13:50
- 名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)
虎の穴で行われる戦闘中!
対戦相手は猛獣や凶悪なレスラー達。
数々の罠を攻略し、復讐に燃えるマロンを打倒することができるのか。
ねこ娘が立ち上がった!
※
今回は台本形式です。
戦闘シーンはがっつり書きます。
ちょっと重い話になるかも……?
多少のキャラ崩壊にはご注意を!
ねこ娘が主役です。
参加者一覧
ねこ娘
愛野美奈子
相田マナ
四葉ありす
南ことり
園田海未
渡辺曜
次元大介
石川五ェ門
ジェネラルシャドウ
ハーロック
クロノスエボル
ゆうき
エイジア
桜木霊歌
生ブスカジ
新田
こなくん
応募用紙>>4
- Re: 戦闘中 ねこ娘と虎の穴 ( No.26 )
- 日時: 2019/11/01 20:05
- 名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)
少年は活躍したかった。これまでの戦いにおいても、彼は特に目立った結果を残すことができなかった。だからこそ今回こそは八面六臂の活躍をし、参加者から一目置かれたいとずっと考え続けていた。けれど、想いとは裏腹に身体が動かない。機関銃の部隊は勿論、猛獣や凶悪レスラー達との闘いも彼は傍観者だった。
それは好きでやっているのではない。恐怖で身体が動かなかったのだ。結果として彼は心の中で想いを燻らせていた。目立ちたい。役に立ちたい。強い敵と戦って勝って、人から賞賛されたい。どれも間違ってはいない。人間ならば誰がも抱く願望だ。そして、またとない好機が訪れる。仲間内でも屈指の戦闘力を誇るねこ娘が惨敗を喫したのだ。悲しいという気持ちもあったが、その一方で彼女が勝てなかった相手に自分が勝利すれば、皆を見返す事ができる。当然ながら手も足も出ずにやられるということはない。先ほどの戦いで敵の動きを観察していたのだから。極限まで鍛え上げられた筋骨隆々の巨漢。まさに筋肉の要塞である。
正面から挑めば自分などは一撃で倒されるのは明らかだ。だからこそ彼は、距離を置いて飛び道具を使用した。卑怯だと罵られるかもと覚悟したが、同時に開き直っていた。どんな手を使おうとも敵を倒せればそれでいいのだから。銃声が鳴り、計六発の銃弾が大男に命中。けれど相手は気にする様子もなく、前進してくる。当たった箇所は出血こそしているものの、大きなダメージではない。銃弾は尽きた。格闘術で相手をした場合、体格で絶望的な差があるので勝ち目は無い。
なので、逃げる。少年は掴まえようとする相手の腕をするりと抜けて後方に回る。
そして挑発。逃走と挑発を幾度も繰り返す。すると、人類史上最強の筋肉を持つ男の息が荒くなってきているのを察知し、少年は口角を上げた。作戦成功。
相手は2mを超える長身。加えてあれほど筋肉をつけていれば非常に重い。攻撃力の高さこそ類を見ないが、代わりにスタミナが少ないと考えたのだ。逃げ続けて体力を奪えば、やがて疲弊し攻勢に転じる時が来る。その瞬間を逃さず能力を発動すれば、自分の勝ちは揺るがない。怪物は大きく息を吐き、両膝に手をついて、遂に動きを完全停止。この時を待っていた。迷いはない。仕掛けるなら、今。
「テメェはこれで終わりだ。ザ・ハルシュネーション!」
少年は目の色を変え、対象者に幻覚を見せたり幻聴を聴かせる能力を使えた。
色は幻聴や幻覚は緑で、地獄のような思い出を見せるのが紫色である。
ところが。少年は違和感を覚えた。
どうして、自分の目の前が真紅に染まっているのだろう。
視界が真っ赤になっていく。おかしい。赤目の能力は無い。
少年に映し出されたのは天井だった。敵を見ているはずの自分が、どうして見上げる必要があるのか。思案し、少年はすぐさま答えを導き出した。
「やられた……」
男の巨拳が少年の顔面を穿つ。グシャリと果実の潰れたような音がして、男の拳は赤に染まる。血液が地に落ち、水溜まりを作り出した。彼は気付いていた。
少年の能力の全てを。彼は一部の逃走者の能力をXから聞いていたのだ。新田と呼ばれる少年の能力は相手の目を見ることで幻覚や幻聴、地獄的な思い出を見させることができる。目が合ったら逃れる術はない。ならば話は早い。能力が発動する前に目を潰しておけばいい。顔面を殴ることで瞼を腫れ上がらせ、両の目を封じることに成功したユリウス。後はただ一方的な展開だった。圧倒的な力で敵を殴り続ける。しかし、彼もまた無事では済まされなかった。新田との追いかけっこが自分でも考えられないほど著しく体力を消耗させられていたのだ。
新田は倒れている。だが、ユリウスもまた全身の力が抜け、大地へ全身を投げ出した。少年は赤く染まった瞳で倒れた相手を見て、満足気に笑った。人格は元に戻っている。
「策士策に溺れる。でも溺れる時は1人ではありませんよ。ねこ娘さん、勝利とまではいきませんでしたが、あなたの仇はきっちり取りましたよ」
絶望的な体格差を覆し、食い下がった少年の心は晴れ晴れとしていた。
新田VSユリウス=ラインホルト 引き分け
新田 脱落
ユリウス 撃破
討伐隊 残り人数 12人
愛野美奈子 相田マナ 四葉ありす 南ことり 園田海未
渡辺曜 ジェネラルシャドウ ハーロック
ゆうき エイジア 桜木霊歌 こなくん
- Re: 戦闘中 ねこ娘と虎の穴 ( No.27 )
- 日時: 2019/11/02 14:32
- 名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)
黒木「帰れ。この黒木、弱者に振るう拳は持ち合わせてはいない」
曜「それは無理だね。ここで諦めたらXを打倒できない」
ゆうき「あんなキントレスキーに負けたオッサン、俺がさっさと片づけてやるぜ」
美奈子「ゆうき、自信があるのね。でも、ここは私に譲ってくれない?」
桜木「ちょっと待って! 私が戦うよ!」
エイジア「桜木さん?」
桜木「だって私とあの人、桜木と黒木で名前が似ているし。もしかすると、対決する運命だったのかも」
黒木「そのような安易な理由で俺と対決する気か、小娘」
桜木「うん。深い理由なんか考えてもはじまらないし、私達は何が何でも上の階に行く必要があるんだもの」
黒木「……ならば仕方あるまい。かかってくるがいい」
桜木「この戦い、最高のシナリオで終わらせてみせるよ!」
- Re: 戦闘中 ねこ娘と虎の穴 ( No.28 )
- 日時: 2019/11/02 16:02
- 名前: エイジア (ID: QOk2M1Cj)
どうも、エイジアです。
さて、大分進んでますね、次は霊歌さんが戦うのか・・・所で主役早退しちゃってますけどどうするんですか?
次を待っています。
- Re: 戦闘中 ねこ娘と虎の穴 ( No.29 )
- 日時: 2019/11/02 16:12
- 名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)
エイジアさんへ
このあと、最新話を更新する予定です。感想ありがとうございます。
そうですね、主役ですけど退場してしまいました(笑)
タイトルを変更しようかな……とも考えています。
- Re: 戦闘中 ねこ娘と虎の穴 ( No.30 )
- 日時: 2019/11/02 16:24
- 名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)
獅子を彷彿とさせる豊かな黒髪と黒髭を蓄え、空手着に身を包んだ中年男。
名を黒木玄斎と言い、沖縄発祥の暗殺拳「怪腕流」の使い手である。本人も沖縄出身であり、故郷を深く愛していた。強者と戦うことを渇望する彼は、同時に沖縄――ひいては琉球王国の民の強さを全世界へと轟かせることを願いとしていた。自分を脅かす強敵と相対し、戦い、それに勝つ。それこそが彼にとって至上の喜びだったのだ。虎の穴の思惑など彼にとってはどうでも良かった。強者と戦えるならば何処へでも赴くのが彼の流儀だ。3階を陣取り、強者を待つ。けれど、現れた者達を一目見て、黒木は嘆息した。待ち望んだ相手が子供ばかりだったからだ。下の階のユリウスを倒した情報は入手しているが、彼は自分よりも弱く、戦法の引き出しも少ない。故に、倒すことは偶然が重ねれば不可能ではない。
Xからは幾多の修羅場を潜り抜けた猛者ばかりと聞いていただけに、落胆は大きく、彼は失望を覚えた。弱者と戦い、何の意味があろうか。いや、ない。弱き者を痛めつけるはいじめと同義であり、怪腕流の習得者として恥でしかない。拳を振るうは常に強者と決めている。対戦相手の桜木は明るいが、黒木の心の中は浮かなかった。桜木は杖を所持し、魔法攻撃を放とうとする。その様子に、彼は嘆息しつつも思案した。幾度か斃せば、心は折れ、他の者も諦め帰るはずだ。この者達に無駄に負傷させるよりは、自分が止めた方が幸福なのかもしれない。
巨大な竜巻が襲ってくるが、黒木は腕を引いて、正拳突きを一発。
拳圧により竜巻はかき消される。本来は動きを封じる目的だったが、狙いが外れた。それでも、桜木は巨大な桜の大樹を敵に振り下ろす。直撃すれば常人ならば全身の骨や臓器が潰れてしまうだろう。けれど、黒木は片腕一本で防ぎ、なおかつ破壊してしまった。極限にまで鍛え上げられた腕には大樹など枯れ枝ほども感じない。呆然と立ち尽くす少女に、黒木は足払いを見舞い、告げる。
「これで1度斃した」
「1度くらいでいい気にならないでよねっ」
桜木は千夜スタイルにフォームチェンジ。このフォームは全フォームで最も防御力に優れていた。黒木の鉄拳を浴び、後退するも衣服が身体を守護する。
ディフェンスをしても腕や足が痺れる威力。千夜スタイルでもこうなのだ。桜スタイルのままだったらどうなっていたかは明らかだ。距離を置いて、落雷させ、続いて砂嵐で追加攻撃。だが、黒木は砂嵐を邪魔だと言わんばかりに部屋の脇に振り払い、無傷で桜木に接近。ゆっくりと、しかし威風堂々とした足取りで近づいてくる黒木。そして、先ほどとは反対の脚を払って彼女を寝かせると。その喉元に貫手を放つ。しかし、それを寸止めし。
「2度目だ」
「舐めないでよ」
槍の突きを易々と回避し、伸び切った槍を掴んで彼女の手から放すと、穂先を地面に突き刺した。
桜木は再び距離を置き、思考を働かせた。奇跡スタイルをしたとしても回復するよりも早く回復不可能のダメージを受けては意味がない。だったら一か八かの策しかない。グリムスタイルに変貌し、大剣を振るう。黒木は巨大な刃を見ても顔色一つ変化なく、振り下ろされた刃先を掌で受け止め、握る。
「お前の動きは止まって見える。あまりにも……遅い」
「ここからが本番よッ!」
少女は剣に炎を纏わせることで黒木にも引火。更に炎の竜巻で自身と敵を包み込む。
「これであなたは逃げられないわよ」
「考えたな。だが、お前もダメージは避けられぬ」
「承知の上よ。これであなたを倒せるのなら安いわ!」
「……どうやらお前の評価を改めねばならないようだ」
「やっとわかったかしら? このままハッピーエンド目指して、一直線よ!」
「一撃で終わらせるとしよう。楽に眠るがいい」
トン。
これまで全て寸止めで済ましてきた黒木が初めて本格的な攻撃を放つ。
首筋を狙って撃たれた手刀を食らった桜木は、この一撃で苦痛を覚える間もなく意識を刈り取られた。炎が消え、立っていたのは黒木玄斎。圧倒的な強さで勝利をしたが、彼は討伐隊から背を向け、出口へと歩き出す。
「どこへ行かれるのですか?」
ありすの問いかけに黒木は答えた。
「この中で俺に匹敵する武を持つ者はいない。だが、上へ昇る資格はあると見た。
上がるがよい。そしてXを倒すといいだろう。次に会う時は、俺に全力を出させることを願っている」
「ありがとうございます!」
ありすは頭を下げ、感謝をした。
3階 黒木玄斎VS桜木霊歌 勝者 黒木玄斎
桜木霊歌 脱落
黒木玄斎 離脱