二次創作小説(新・総合)
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- ごちうさ モンブラン風味 作者募集!
- 日時: 2020/10/28 12:08
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
ご注文はうさぎですか?の二次創作を執筆したいと思います!ごちうさのキャラを描くのは初めてですが、読者を心がぴょんぴょんするんじゃあああ状態にさせられるよう、頑張ります!
お話の募集用紙>>44
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.28 )
- 日時: 2020/09/26 05:24
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「ZZZ・・・・・・」
「お客様、閉店時間なので起きてくださいませんか?」
「あと一時間だけ~」
フルール・ド・ラパンは心も身体も癒されるハーブティーが人気のお店です。
お店のお茶を飲むとどれほど不機嫌な人でも落ち着いたり、癒されたりすることができます。けれど、この日のお客は別の意味で困ったことが起きました。
柔らかなロングヘアが特徴の近江彼方さんはいつも愛用の枕を持ち、どこでも眠ることができるほど、睡眠を何より好んでいました。そして、フルール・ド・ラパンに訪れ、ハーブティを注文するなりうたた寝してしまったのです。
商品が出された瞬間は目を覚まし、美味しそうに飲んでいたのですけれど、ティーの効果が睡眠をより深いものにしてしまったのか、その後は船を漕ぎっぱなしで目を覚まさなくなってしまいました。
「すやぴ・・・・・・」
「起きてくださーい!」
「いかん、泣けてきた・・・・・・」
「お客様が起きないとお店を閉めることができないんです!」
「照れるぜ・・・・・・」
「ダメね。全く会話になってない」
耳元で大声で呼びかけても、身体を揺さぶってもダメでしたので、最後の手段としてシャロさんは彼女の枕を奪い取ってしまいました。直にテーブルに頭をぶつけた彼方さんはその衝撃で、ようやくぱっちりと目を開けました。
「おはよう~」
「お目覚めのようですね。もう午後6時ですよ」
「彼方ちゃん爆睡できたよ~。ありがとね~」
「喜んでいただけて何よりです」
「学園に帰ってお勉強を頑張るのさ~」
彼方さんはしゃっきりとした顔で、枕を脇に抱えて背筋を伸ばしてお店を出ていきました。もちろん、お金はしっかりと払っています。
シャロさんは肩をすくめてひとり言を言いました。
「恐るべき、私のハーブティーの威力。今日のことはある意味自慢できそうね」
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.29 )
- 日時: 2020/09/26 09:14
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
帰宅途中だったシャロさんは、前方に小さく光るものを発見しました。
近づいてよく見ますと、それは地面に落ちた500円玉でした。
拾うものもありませんし、気づく者もいません。
500円あればハンバーガーも、チキンも、牛丼だって食べることができます。
周りを伺いつつ、サッと硬貨を拾って掌の中に収めたシャロさん。
足早にその場を去り、向かった先は交番の前でした。中では両津勘吉巡査が携帯型のテレビを視聴しているところでした。
「あの、お巡りさん」
「ん? どうした。わしは忙しいんだ」
「これ、落とし物です」
「ご苦労」
両津巡査に500円を渡し、振り返ることもなく、交番から駆けて行くシャロさん。両津巡査は彼女の姿が見えなくなるのを確認してから意地悪く笑うと、硬貨を自分のポケットにしまったではありませんか。
「儲かったな」
一方のシャロさんは走りながら泣いていました。
500円を使えば美味しいものを食べられたかもしれない。
好きなものを購入できたかもしれません。
しかし、彼女は自分の良心に従い交番に届けることをしました。
500円だって彼女にとっては目もくらむような大金です。
ですが彼女はお金を落とした人が困っているだろうと考え、自分のポケットには入れませんでした。
もう2日間も何も口にしていません。お腹はペコペコで倒れそうです。
ですが彼女は涙を拭いて上を見ました。
青い空に温かな太陽が照っています。
「お腹は満たされないけれど、心は満たされることができたから、これでいいのよ」
ボロボロの倉庫がシャロさんの自宅です。家にはベッドと陶器が少しある他は何もありません。動き回ってはお腹が余計に空くので、彼女は眠ることにしました。お腹の音を聞きながら布団を目深に被ったその時。コトン、と外に設置されている郵便ポストに何かが入れられた音がしました。外に出て中を確認しますと、透明な袋に入った大きなライ麦パンが入っていました。
誰が届けたのかはわかりませんでしたけれど、大きなパンを胸に抱き、シャロさんは一筋の涙を流しました。見知らぬ人の善意が心に沁みたのです。
今夜はきっと彼女は幸せな一日を過ごすことでしょう。
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.30 )
- 日時: 2020/09/26 09:27
- 名前: 天竜 (ID: ZQ/BM/dz)
天竜です
シャロが真実を知ったらどうなるんだろう?
シャロは自分で使いたかったはずだけど困っている人のことを考えて交番に届けたが、交番にいたのがこの人だけとは
前には彼方も出て来ましたね。他のジャンルとのコラボいいですね。これからもして欲しいです。
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.31 )
- 日時: 2020/09/26 09:42
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
天竜さんへ
感想ありがとうございます!シャロが真相を知ったらショックを受けるかもしれません。まあ、知らぬが仏ということで・・・・・・
他ジャンルのキャラも色々出してみようかなと思います!
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.32 )
- 日時: 2020/09/26 19:45
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「ゴホゴホッ。ケホケホッ」
シャロさんは激しく咳き込んでしまいました。三日前から風邪をひいてしまい、彼女は寝込んでいるのです。家はとても寒く、布団をかぶっても震えを抑えられません。そんな時、扉が開いて一人の男性が入ってきました。禿げ頭に杖をつき、大きながま口を背負っています。
「はいよ」
「あなたは誰ですか」
「お嬢ちゃん、風邪のようだね。病院へは行かないのかい?」
「お坊さんですか?」
「いいや、医者だよ」
「お医者様・・・・・・」
「いっちょうわしが治してしんぜよう」
老人はがま口から針を取り出すと、いきなり布団をめくってしまいました。
「何をするんですか」
「動かんで・・・・・・」
シャロさんの足に針を打ち込み、1分ほどじっとしていました。
額には大量の汗をかいています。やがて針を抜き取り、息を吐き出しました。
「明日の朝には治る」
「あの、先生! お代は!」
「お金は要りません。それではお大事に」
それだけ言って先生は去っていきました。
彼の正体は琵琶丸という名前の凄腕の針師なのです。
琵琶丸が去った後、再び扉が開いて入ってきたのはリゼさんでした。
彼女は白い袋に入れた保温パックを見せて。
「見舞いにきたぞ。コーンスープ作ったんだ。食べさせてやるよ」
「は、はい!」
琵琶丸の予言通り彼女はたった1日で回復することができました。
彼の針が効いたのはもちろんのこと、リゼさんがスープを一口ずつスプーンで「あーん」してあげるという夢のような甘い時間を過ごせたことも多いに効果があったかもしれません。