二次創作小説(新・総合)
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- ごちうさ モンブラン風味 作者募集!
- 日時: 2020/10/28 12:08
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
ご注文はうさぎですか?の二次創作を執筆したいと思います!ごちうさのキャラを描くのは初めてですが、読者を心がぴょんぴょんするんじゃあああ状態にさせられるよう、頑張ります!
お話の募集用紙>>44
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.8 )
- 日時: 2020/09/21 18:45
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
天竜さんへ
感想ありがとうございます!早速修正してきます!
ココアはにこに吹き飛ばされましたね。
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.9 )
- 日時: 2020/09/21 20:57
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
黒髪ツインテールの少女が持ち芸を披露しますと、喫茶店は沈黙に包まれました。しばらくの沈黙を破ったのはチノさんでした。
「芸にしては面白くないですね」
「芸じゃなくて自己紹介よ! アンタ達、本当に私を知らないの!?」
「知らないよぉ」
「知らん」
「この宇宙№1アイドル矢澤にこを知らないなんて、人生を損しているわよ」
「アイドルに興味はない」
「小学生かと思ってました」
「高校生よ! それも三年!」
「何だと!?」
にこさんの言葉にリゼさんは目を大きく見開きました。胸も薄く、童顔で、背も小柄な矢澤さんは、どう頑張っても中学一年生にしか見えません。
それがまさか高校三年生、つまりリゼさんと同じとは思えなかったのです。
「所謂ロリキャラという奴か…・・・」
「にこちゃん可愛い♪ 妹にしてあげる!」
「ちょっとやめないさいよ!」
ぎゅーっとハグしてくるココアさんをどうにか押しのけつつ、にこさんは本題に突入します。
「それはともかく。リゼ、今すぐ私と勝負しなさい」
「何故そうなる!?」
「アンタさっきにこって笑っていたわよね!? その笑顔がスクールアイドルとして見過ごせなかったのよ」
リゼさんを指差しながら、頭から煙を出して怒るにこさんですが、内心はこんなことを思っていました。スタイルも中々の者でスマイルもでき、キリッとした表情に服もよく似合っている。リゼがスクールアイドルになれば強力なライバルになるのは間違いない。そうなる前にライバルは早めに潰さねば。
可愛らしい外見に反して腹黒い考えを持ちながら、困惑するリゼさんに早口で言います。
「いい? 勝負は三回戦にするわ。内容は歌、チラシ配り、料理でいいわね」
「勝手に決めるなっ」
「あら、勝つ気がないの~? じゃあにこにーの不戦勝ということで」
「待て。この勝負受けて立つ! 敵前逃亡など恥だ。不本意かつバイト中だが仕方あるまい。私のプライドをかけ、勝ってみせるっ」
「そうこなくっちゃ」
頭一つ分ほどの差がある両者は空中でバチバチと激しい火花を散らしました。
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.10 )
- 日時: 2020/09/22 17:14
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「何で!? なんでよぉ」
両膝を突いたにこさんはボロボロと涙を流しながら、現実を受け入れることができませんでした。
「仕方がないですよ」
「にこにーが負けるなんてあり得ない!」
唇をギリギリと噛みしめるにこさん。
三本勝負の結果はリゼさんの二勝一敗に終わりました。
スクールアイドルの自分の方が歌もチラシ配りも一日の長があるとにこさんは思っていました。けれど勝負の蓋を開けてみますと、リゼさんは歌がうまく、チラシ配りも長く住んでいる土地の有利が働き、にこさんよりもずっと早く配り終えていました。最後の料理勝負ではにこさんも得意なジャンルということもあり互角以上の勝負を繰り広げ、辛くも勝利を掴み全敗を避けることができました。ですが全勝するつもりだったにこさんは悔しくて仕方がありません。
瞳に涙を浮かべて悔しがる彼女の姿を見たリゼさんはストロベリーソースをかけたフレンチトーストを作り、にこさんの座るテーブルに持っていきました。
分厚く切ったトーストを甘い卵で包んだ生地の上からストロベリーソースと生クリームがかけられ、飾りとしてミントが乗っています。
「何よこれ」
「私の奢りだ。食え」
「フン」
拗ねていたにこさんでしたが、お腹のぐうぅという音に慌ててお腹を抑えます。
「空腹はごまかせないようだな」
「う、うるさいうるさーい!」
「まるでばいきんまんみたいですね」
「じゃあ私がアンパンマンになるよ!」
「子供かーい!」
チノさんの冷静なツッコミにココアさんがボケ、更に矢澤さんがツッコムという漫才のようなやりとりをした後、リゼさんが腰に手を当てて。
「早く食べないと冷めてしまうぞ」
「わ、わかってるわよ」
トーストからはほわほわと白い湯気が立ち上り、とても美味しそうです。
フォークで突いて口に運びますとじゅわあああ~とバター香りと油が口いっぱいに広がり、卵の甘味が美味しさをより演出していきます。分厚いはずのトーストなのに噛んでみると驚くほど柔らかく、口の中で溶けていくようです。
苺ソースの部分は甘酸っぱさとコラボし、生クリームを塗るとクリーム独特の軽い触感に包まれていきます。なんと美味しいトーストでしょう。
「美味しすぎる~!」
顔中が幸せでにやけるにこさんに、リゼさんも満更でもないという風に微笑みました。しばらく至福を味わっていたにこさんはやがて素に戻り。
「ねえ、本当にお代はいらないの?」
「必要ない。私の奢りなのだからな」
「・・・・・・ありがとう」
「何か言ったか?」
「何でもない! 次は負けないんだからっ!」
「また来い」
目から零れる涙を隠し、にこさんはラビットハウスから飛び出しました。
結局この日にきたお客さんは矢澤さんだけでしたけれど、それでも楽しい経験と新しい友ができたと、リゼさんは満足な気分で一日を終えることができました。
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.11 )
- 日時: 2020/09/23 11:25
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
桐間紗路ことシャロさんは、黒と白を基調としたゴスロリドレスに白いうさぎ耳の飾りを頭に付け、ウェーブのかかった金髪が特徴の美少女です。
上品そうな立ち居振る舞いとお嬢様学校に通っていることから、名家のお嬢様ではないかと勘違いする人もいますが、実際の彼女はとても貧しく、極力お金を使わない生活をしています。たとえば、最近話題の喫茶店に行く際にはお代わりができる無料券を確保しておきますし、欲しい雑誌があっても眺めるだけで我慢すると言った感じです。食べたいものも食べられない生活を送っていることも影響しているのでしょうか、彼女は同年代の女子と比較しても華奢でした。
この日も生活費を稼ぐためにフルール・ド・ラパンでアルバイトをしていたシャロさんは、小さく息を吐きました。
この頃働き詰めで疲労が蓄積されているのです。
目の下には隈ができ、とても元気とは程遠い状態でした。
それでも彼女は働かなければならないのです。
身体に鞭を打ち、営業スマイルで客を迎え、懸命に働きました。
そして夕方になり、ようやくこの日の営業が終了間際になってようやく、シャロさんは机に突っ伏して、盛大に息を吐き出しました。
「疲れたわ。もう動けない・・・・・・」
そのままシャロさんは瞼を閉じてしまいました。
- Re: ごちうさ モンブラン風味 ( No.12 )
- 日時: 2020/09/23 21:19
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
それから一体どれくらいの時間が経過したのでしょう。
目が覚めたシャロさんはテーブル席に一人のお客さんが座っていることに気が付き、慌てていつもの笑顔で接客に行きます。
「お客様、メニュー表になっております」
上品な笑顔でお水とメニュー表を差し出し、再びカウンターに戻ろうとしますとお客さんに呼び止められました。
「ハーブティーを一つくれないか」
「かしこまりました」
一礼してティーを淹れにいったシャロさんはハーブティを注ぎながらも、客を注視してしまいます。黒く長い前髪が特徴の若い男性で、黒いサングラスをかけていますからはっきりと素顔はわかりませんが、鼻筋の通った美形に見えます。
シャロさんはこの男性に見覚えがありました。どこで出会ったのかは思い出せないのですが、初対面ではないと直感でわかりました。
どこで会ったのかと思案しているうちに男はお茶を飲み終わり、お金を置いて出ていってしまいました。シャロさんが置かれたお札を見て見ますと、その額はなんと一万円。極貧の彼女にとって手にしたこともない金額でした。
「あの方はどこの王子様なのかしら」
ぽわぽわと天にも舞い上がる心地になったシャロさんは俄然やる気を出し、その効果が実ったのでしょうか、この日は普段の三倍もの稼ぎを得ることができました。
「――ってことがあったのよ」
数日後。学校帰りにシャロさんは千夜さん、リゼさんにあの日のことを話して聞かせました。
「シャロにとってその人は幸運の王子かもしれないな」
「そうなのよ。でも、どこかで会ったことがある気がするの」
「ひょっとして俳優さんかしら」
「サングラスしていたから顔はよくわからないの」
「サングラスってことは静かなるドン、か!?」
「・・・・・・」
「すまない。ネタが古すぎたようだ」
謎の男性についてあれやこれやと語っていますと、前方からココアさんが凄い勢いで走ってきました。
「みんな、これ見て!」
ココアさんがスマホを取り出し画面を見せます。
するとそこにはSNSのトレンドにフルール・ド・ラパンが乗っていたのです。
「トレンド入り!?」
「何があったんだ!?」
「びっくりだね」
三人が身を乗り出してトレンドから書き込みをチェックしますと、フルール・ド・ラパンに有名な野球選手が来店したそうなのです。
その顔を見たシャロさんは驚愕しました。
「この人よ、間違いない!」
シャロさんが指さした画像にはあの日訪れたサングラスをかけた男の姿が移っていたのです。サングラスを外し野球のユニフォームに身を包んだ姿はまさしく球界のプリンスそのものでした。
「良かったな、シャロ」
「ほんとね」
「シャロちゃん、おめでとう!」
「みんな、ありがとう。じゃあ、私は店に行くわね」
疲労のどん底で絶望的な気分だった数日前のシャロさん。
ですが、今は違います。
共に喜んでくれる仲間と幸運が訪れたのですから。
きっと数日後にはフルール・ド・ラパンに大勢のお客さんが押し寄せてくることでしょう。
フルール・ド・ラパンに来た野球選手、私の作品を読んだことのある読者のみなさんなら誰のことか、もうお分かりですよね?