二次創作小説(新・総合)

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≪ポケモン二次創作≫ 最期の足掻き
日時: 2023/03/04 20:10
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: o/NF97CU)

       
 ご注意
◯死ネタが含まれます。
◯グロ注意
◯これは二次創作です。本家とは一切関係ございません。
◯ポケバは、アニメ方式で表現させて頂きます。
◯誤字脱字、私の語彙力不足での分からない所は、紙ほかの裏の陰謀についてでも、ここのスレでも大丈夫です。

《閑話》
【2022年夏】カキコ小説大会 二次小説(映像・紙ほか合同) 金賞
【2022年冬】カキコ小説大会 二次小説(映像・紙ほか合同) 銀賞
読んでくださってる方々、心の底から本当にありがとうございます!!!(´;ω;`)


──

プロローグ

ここは地球。
この星に住む、不思議な不思議な生き物。
──ポケットモンスター 縮めてポケモン
彼らは 空に 海に 大地に…さまざまなところに分布している。

この物語は… この世界の… この星の"裏"で生き残る少年の物語である…






  ──覚悟はできてるんだよね?──






 【記憶】

イチ─仕事場─ >>1-11
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ニ─恋バナ─ >>12-13
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
サン─双子─ >>14-24
───────────────
ヨン─リゼ─ >>25-30
───────────────
ゴ─3柱─ >>33-44
───────────────
束の間の刻 >>45
───────────────
ロクーチャーフル・ジーニアの英雄譚ー 
>>48-58
────────────────
ナナー嵐の前の静けさー 
>>61-65
────────────────
ハチークズレハジメルー
>>66-
────────────────
番外編 腐れ縁のユウとレイ、リウとフジ
>>63
────────────────

   ・・・

『オリキャラ、お客様リスト』

暁の冬さんーリゼ >>20
女剣士さん
――――――――――――――――――

Re: ≪ポケモン二次創作≫ 最期の足掻き【オリキャラ募集】 ( No.44 )
日時: 2022/05/15 21:57
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: ShMn62up)

「ーという訳です」

リゼが一連の流れを説明し終わったところで、僕は心配だった。タツナとミソウは僕達より幼い。このことを知ってこれ以上狂わないか心配だったため、僕は所々端折って言ったのだが、ユウがわざとなのか考えがあるのか端折った部分を詳しく付け加えた。
ミソウは何も言わず黙っている。タツナはぼーっとしているミソウを横目に何か真剣に考えている。その顔立ちがレイに似てきた気がする。

「戦力不足なんだろ。俺も協力出来ねぇか。」

タツナが言った。説得成功である。僕はほっとすると、タツナに向かって頷く。タツナは照れながらニヤリと笑った。
それにしても、こんな幼い歳なのに衝撃の事実を受け止め、自分たちも協力すると言えるのは、本当に凄いことだと思う。

「…この2人。本当に信頼しても良いんですか。」

リゼは僕とはあくまで利害の一致で一緒に居る。そのためタツナ、ミソウに感情移入等してないため、僕より客観的に見ることが出来た。僕は思ってもないことを言われ焦った。タツナとミソウも計画に入れてあげたいけど、レイに告げ口をしないと決まった訳では無い。

「それは大丈夫だよ。私が調べあげた結果だと2人は告げ口なんてしない性格だよ。」

ユウがメモ帳を見ながらそう言った。そんなことを言われても…
リゼの一言ですっかり疑心暗鬼になってしまった僕は1粒の汗をかいて双子を見る。タツナはどうしたら信用してもらえるか考えてるようで、百面相をしている。ミソウに関してはいつもの通り無表情…だけど

「私達はシュウを信用してる。」

ミソウがそう言った。その言葉は重々しく、事実であることが分かった。僕は半分信用したが、リゼはまだ疑いを持っているらしい。
双子はうーんと唸っている。それを見かねたユウが助け舟をだす。

「まず。双子はレイよりシュウの方が好きなはずだ。むしろレイは嫌いなんじゃないか?」

その言葉にタツナもミソウもウンウンと頷く。

「会ったこともないのに奴に俺らの事を把握されるのは居心地悪いが、その通りだ。」

「名前を付けてくれた……受け入れてくれたシュウの恩は忘れたことは無い。」

2人がそう僕に向かって言う。面と向かって褒められるのはなにか心に来るものがあり僕も少し照れてしまった。

「……まるで。シュウは2代目レイのようですね。」

リゼがそう言った。僕がチャーフル?!いやいやいや、チャーフルみたいに大きなこと成し遂げられたことないし…
僕は否定しつつ満更でもない気持ちでいた。

「じゃあ、双子と私が仲間になることで良いね?シュウ、リゼ。」

「「はい。
  うん!」」

するとタツナとミソウがキャッキャとはね回る。ユウもその中に入って笑っている。リゼは遠目からだが、それを見て楽しんでいるとも言える。こうやって皆が人間らしく振る舞えるのは、今があるからかもしれない。これから、死ぬ以上の苦しみが襲ってくるとしても……この束の間の休息を味あわせて欲しいな。

ーーーーーーーーーーーーー

シュウ達が集まっている大樹の下。その様子を遠目から見る人物が居た。

「……止めないのか。」

いつの間にか隣に立っていたリーダー。その様子を見ていた人物は何も言わない。リーダーも同じだ。その様子をみて、止めようともしないし、違反行為のため誰かに報告しようともしない。

「リーダーが違反行為を咎めないなんて。世も末だな。」

「お前も同じだろ。レイ」

自分の名前が呼ばれると、心全てが何かどす黒いもので覆われた気持ちでいる。
もちろん、脱走の計画と行為は違反行為であり、最低拷問を受けなければならない。3柱の一人である俺も、この行為に黙っていいはずがない。もちろん自分自身脱走行為なんて許されざる物を承認してる訳では無い。けれど、シュウの笑顔を見ていると、体が動かないのである。

「僕らは…どうしたらレイに許されるんだろうね。」

ふと、本音が出た。昔、本当に昔に使っていた甘ったらしい言葉だった。けれど、今は、ポロッと出てしまったのである。

「案外レイも同じことを思ってたりしてな。」

そう言うと横のリーダーは消えてしまった。高潔で美しく迷いがない2代目レイが、そんな僕達みたいなことでつまずく訳がないだろう。そう呆れながら僕はその様子をじっと見つめていた。
僕は自分に甘すぎる。いくら努力しても、強くなっても、2代目レイにそっくりなだけで、シュウを止めることが出来ない。しかし、いつか、シュウ達がその計画を実行するならば、僕は相手をしなければならないだろう。
シュウがレイに似ている理由は分からない。しかし、もし、レイの分身とか、レイが生まれる時にたまたま生まれた存在で、潜在能力でもレイに似ていたら、僕は止められる自信が無い。殺せはするだろうが、殺したくはない。

「僕は…どうしたら良いんだ……」

「……コウガッ……」

僕がどんな顔だったかは分からない。きっと昔のように情けない顔でもしてたんじゃないかと思う。ゲッコウガはそれを見かねて僕を抱きしめた。水タイプだから、かつてのレイのように暖かくはない。けれど、僕は相棒が与えてくれた束の間の休息に身を任せることにした。

ーーーーーーーーーーーーー
《シュウ》

僕達は仕事が終わると、いつものようにダミが居る隠し部屋へと向かった。もちろん集団だと目立つからバラバラに行った。

「お、きたきた」

ユウさんの声が聞こえる。なるべく気配を消して来たつもりなんだけど…扉越しで気づかれてしまった。さすが3柱だ。
僕が扉を開けるとタツナ、ミソウ、リゼ、ユウ、ダミは既に集まっていた。

「ここ凄いぜ。」

「くっきーがある。美味しい。」

タツナは洋服でこの施設ではあるはずのない機械や建築に心踊らせている。そして、ユウとミソウはダミお手製の食べ物を食べていた。

「相変わらず…モグモグ……ダミの料理は……モグモグ……美味しいね。」

「ちょっと食べてから話しましょうよ。」

リゼがそれに呆れている。ユウはクッキーを飲み込む。

「いやぁ、それにしても噂には聞いていたけど、まだこの部屋が残ってたとはね。」

ユウが建築を見ながらそういう。ダミは「すごいだろう」というように腕を組んでいる。

「残ってる……て?」

僕はユウの言葉に疑問を覚え、

「あぁ。前の脱走者達もこの部屋を使ってたらしいんだよね。」

ユウが言う。僕はその言葉でこの部屋も安全じゃないと思った。前の脱走者ということは、リーダーもレイもこの部屋を知ってるということだ。僕はレイとルームメイトのため、少しでも怪しい動きを見せたらすぐさまここに来るかもしれない。僕の行動は責任重大である。

「あぁ、大丈夫大丈夫。この部屋は職員が潰してるってことにしてるから。ユウが。」

ダミが僕の緊張した様子にケラケラしながら言う。そう言われ、ユウはてへっと舌を出しておちゃめな顔をする。僕は拍子抜けしてしまった。

「…それにしても、ダミは死んだって筈だよね。ユウは疑問に思わないの?」

次は僕が疑問をぶつけてみる。ダミは2回目の脱走未遂者で、毒に犯され死亡していると研究所の資料に書いてあったし、ユウ自身もそう言った。

「いや、僕も最初ダミが存在してるって聞いて驚いたけどさ。ほら、ダミ死んでるじゃん。」

「え?」

ユウがケラケラと笑いながらダミの腕をとって勝手に手を振る。僕は意味が分からず、頭にはてなマークが浮かんでいる。

「もしかしてシュウ気づいてないのか?」

タツナが僕に言う。
えっ、気づいてないってどういうこと?!
僕は慌ててダミのことを見た。あれ、よく見たらダミの気配が他の人とは少し違う。いや、違うというか……

「ダミ。生きてない。」

ミソウがそう言った。その通り。ダミは一見生き物のような気配をしているがよくその気配を探ると生き物に似せた無機質な気配を放っていた。
例えるなら…アパレルにあるマネキン人形のような気配…

「言ったじゃん。僕は生きてない。詳しく言うとアンドロイドだ。」

ダミはそう言うと手首を1周させてケタケタと笑いながら言った。
え……え?ぇぇぇぇぇぇええええ?!
と、心の中では叫んでいるが、実際僕は口をパクパクさせ、何も言えてなかった。

「私も最初は騙されてましたが、途中から気づきました。」

リゼは面目ないといった顔をしながら手に頬を添える。

「どっどどどど……どういうこと?!」

僕は焦ってダミに近寄ってしまった。ダミはあははと笑いながら僕を椅子に座らせる。

「まず、僕は天才だ。」

「それは知ってるから!」

ダミは僕の前で堂々と自画自賛をするが、僕はそんなことどうでもよかった。それより何故アンドロイドなのか、本物はどこなのかを知りたかった。

「ちょちょ、落ち着いて。僕は天才だ。だからこそ、2回目の脱走を計画してる時に気づいた。
これは死者が出ると。」

……ってことは?ダミは死者が出ると知っていながら脱走を実行させたのか?
チャーフルはダミのせいで死んだのか?
僕は動向を開き、身体中の殺気を全てダミに注いでいた。

「……シュウ落ち着いて。」

リゼが言うが僕は落ち着いて居られなかった。今ここでダミというアンドロイドを粉砕してしまおうかとも思った。

「……もちろん皆にも言ったよ。脱走には必ず死者が出ると。そして、僕はその死者として名乗りを上げた。要するに、皆を脱走させるために自分を犠牲にしたんだ。」

僕の怒りは少し落ち着いた。ダミは自己犠牲をしてまでも、チャーフルを脱走させたかったのだろう。それか、チャーフルの事だから自分から犠牲に名乗りを上げていたかもしれない。

「でも、死者と共に、捕まって拷問を受ける人も分かっていた。だから、僕は第3回の脱走を成功させるために作られた存在。正式名書はB.プラタナス。オリジナルのダミが生み出したアンドロイドだ。」

「だから、ダミはリーダーと血縁関係ではないと言ってたのでしょう。オリジナルのダミとリーダーは血縁者ですが、アンドロイドのダミは生物ですら無いのですから。」

「リゼ君その通り!」

ダミが説明するとリゼが補足する。それにダミはノリノリで正解を出した。
僕は衝撃の事実を知ったが、それでもぶれなかった。

「じゃあ、僕達を脱走するために作られたの?」

「正しくは、『脱走出来なかった人の再脱走を確実に成功させる』だ。そうオリジナルに命令されて僕は動いている。」

その言葉は僕達が今から脱走するのと何の違いがあるのだろう?と僕は疑問に思った。

「まあ、すぐ分かるさ。それより、本当にオリジナルにそっくりだねダミ。」

「そりゃそうだ。僕は1度失敗をしたアンドロイドよりも精密に、オリジナルの狂った部分や難儀な部分も、改善させて作られた成功作。オリジナルの実力の最結集と言っても過言ではないからね。」

ユウが関心しながらダミを見つめると、ダミはそう言って自慢し始めた。どうやらダミはオリジナルの事となると何かしら自慢したくなるらしい。それより、アンドロイドと言っても怖いなぁ…ほら、感情がないとか、プログラムで作られているとか。
今なにか発言しているダミも所詮プログラムに従って言動しているだけだろう?

「さてと…そろそろ脱走のこと、僕の本当の目的について話そう。」

ダミが急に真面目になる。僕はその言葉に真剣に聞く姿勢をとる。

「あ、私は情報屋として情報提供はするけど、実際に脱走者として協力はしないからね。」

「「「「え?!」」」」

ユウの言葉にその場にいた誰もが驚く。ユウは当たり前だと言う表情をする。

「ここはかつてのドクやリーダーだった2代目レイ、妹が眠る場所でもある。思い入れのある旧友に協力するつもりはあれど、ここから離れるつもりは無い。」

ユウがピシャリと言う。流石の天才であるダミもそこまでは予想出来なかったようで、立ち尽くしている。ダミはうーんと唸る。

「戦力不足だね……」

そうダミが呟く。その様子は余りにも人間らしく、アンドロイドとは思えなかった。

「それに関しては私が解決するから、早く計画について話してくれないかい?」

「……分かった。話すよ。 」

その内容は誰もが予想してなかったことで、言われてたこととは違い、只只ショックを受ける他なかった。
人によっては殺気を全開させる者もいた。しかし、ダミは怯まずにポツポツと話して言った。その様子を見て僕らも黙って聞くことしか出来なかった。

「ーという訳だ。」

ダミが説明をし終わったあと、一同は黙っていた。いや、何も言えなかった。そんなことになるならば1人で脱走したい。でも、ダミの話を聞いて1人で脱走できるだなんて思ってなかった。

「…んな……ふっざけんな!!」

最初に口を開いたのはタツナだった。殺気全開でダミの襟を掴みかかる。

「私たちはシュウのために居る。シュウのために生きてる。なのに…なんで……」

ミソウが言うとタツナがそうだというように力を強める。

「……こんな事なら協力するべきではありませんでした。リーダーに報告してきます。」

リゼが初めて会った時のような冷徹な顔で僕らを見ると、足早にここを去ろうとする。

「良いけどさ、ちょっと待ってみない?リゼ。よく考えてみなよ。」

ユウだけはこの話になんの不満もなく、ただ微笑んでいただけだった。

「そうだよ。脱走を報告したら、リゼも、タツナもミソウも脱走計画に加担していた事になる。それを知られると殺されるよ?少なくとも拷問されるしね。」

ダミが悪びれもなくそう言った。死ぬぐらいなら拷問される方がマシだ。しかし、ダミの前回の脱走の全てを教えられ、拷問より死んだ方がマシだと言うことも分かった。死ぬのもまっぴらゴメンだ。
ようするに、海の魚を捕まえるワナのように、1度脱走に片足を踏み込んだら、もう抜けられない仕様になっていた。

「……くそっ…!だからって協力する訳じゃねぇぞ!」

タツナも幼いながら聡い。すぐこれがワナだということも分かっただろう。

「もちろん。脱走計画に関わると抜けられなくなってはいるけど、それでも脱走する時に邪魔されたらこっちも溜まったものじゃない。だから、僕ら側も必死で君達を説得しなければならない。そこで鍵はシュウ。君だ。」

ダミが悪気がないようにさわやかに笑いながら僕の方をみる。僕は、顔の堀を深くし、眉を八の逆方向に曲げ、ただダミを睨みつけていた。
この計画にはもう抜けることなんて許されない。かと言って妨害しても一緒に皆と堕ちるだけだ。でも、こんなこと聞いて気乗りする訳には行かない。

「…僕が素直に聞くと思った?」

僕がらしくもなく過去1番の怒りをぶつける。ダミは微笑む。何か策があるとでも言うのか?

「…図書館にチャーフルの行動日記がある。」

ユウがボソッと呟く。いいよねユウは。情報を提供するだけだし、もし脱走の事がバレても自分は加担してなかったと情報を揉み消せば良いし。
本当に羨ましいし妬ましい。

「その日記を見れば、シュウの意向も変わる。」

ダミが言う。僕は引き下がれない。冷静になろう。立場と身分をわきまえたらもう抜けることは許されないしすることが出来ない。ならばできるだけモチベーションをあげた状態で行くことが僕にとっては幸せだ。

「……分かった。行くよ。」

僕がそう言うとダミとユウ以外は焦った。

「ちょっと…!図書館で本を読むということはリーダーを説得するということですよ?!それこそ脱走がバレかねません!」

図書館ーそこはいつもリーダーが入り浸るところで、何か立派な理由が無ければ本を読むことは許されない。リゼがそう言いながらダミに攻撃しようとするが、ユウに何回も受け流される。

「…くっ!」

リゼは3柱のユウに敵わないと分かると悔しそうに攻撃を辞める。

「…俺はシュウの意向に従う。」

「私も。抜け出せないのなら、もうこの身も心も全てシュウに捧げる。」

タツナとミソウがこの中で1番大人かもしれない。自分の行く末を知っても尚、冷静で居る。そんな2人に僕の哀れな姿を見せる訳には行かない。

「……分かった。見るだけだよ。」

「うん。リーダーには包み隠さず言うといい。残念ながら拷問されないからね。」

ユウが言う。なら、包み隠さず言わせてもらう。僕は表情を固くしながら、心の中の怒りの炎を抑えながら、早速リーダーの元へ向かった。
タツナとミソウ、ユウはここに残るつもりのようだ。リゼも結末が同じならばと僕に着いてきた。

…もう僕はどうすれば良いかも分からない。せめて、チャーフルの意向に添えるようにしたい。







せいぜい『最期の足掻き』をしてみようじゃないか。



      終

Re: ≪ポケモン二次創作≫ 最期の足掻き【オリキャラ募集】 ( No.45 )
日時: 2022/05/15 21:34
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: ShMn62up)

束の間の刻

「…リーダーが協力してくれるとは限らねぇだろ。」

「…シュウ。大丈夫なのかな……」

双子がシュウの心配をする。

「というか、リーダーとレイが協力してくれないと思ったからユウに協力を仰いだんじゃねぇのか。」

タツナはどこまでも聡かった。ダミはその賢さにいらだちを覚えながらネタばらしをする。

「あぁ。それは嘘だよ。」

ダミがケラケラと笑う。それを知っていたのか、ユウは何も言わない。双子は意味がわからないと言ったようにダミを見つめる。

「まずユウの協力が必要だ。そこまで促す為にはリーダーとレイは協力は出来ないと嘘をついておく。そして、ユウが来たことによってリーダーが協力できるという事実をさも僕が知ったように振る舞う。完璧だろう?」

ダミが何もかも全て見抜いているような瞳で双子を見つめる。

「…もしかして、私達が協力することも、計算内だったり?」

ミソウもタツナの片割れだ。かなり聡かった。ダミはふふっと笑うと

「さあ、どうだろうねぇ?」

と不敵な笑みをした。そこでユウが割り込む。

「ダミもレイと一緒。シュウに嫌われたくなくて必死で先延ばしにしたかったんだよ。今回の事を。」

ユウがダミの滑稽な部分を晒すとダミが微笑みを深くしながらユウに連続パンチを食らわせるがユウはぬらりくらりと笑いながらかわす。

「アンドロイドなのに、人間らしい所もあんだな。」

「そりゃぁオリジナルの最結集だから。当たり前だよ。」

ダミが自慢しながら言う。それに呆れたタツナとミソウは床に座った。

「それでも、かなり性格は悪いと思うよ?ダミ。」

「これでも治されたらしいんだけどね?リウ。」

すると今度はリウがダミを殴る側に回った。ダミはユウのようにケラケラと笑いながらその拳をかわしていた。

「…なんで俺らの周りってこんな沸点低いんだろうな。」

「タツナも沸点低いよ。」

「お前もな。」

そう言って双子はお互いくしゃくしゃっとした笑顔で笑った。

   終

Re: ≪ポケモン二次創作≫ 最期の足掻き ( No.46 )
日時: 2022/05/15 22:08
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

こんばんは。こちらもキャラの精神世界へ行く展開になる予定の女剣士です!

ダミは故人でありながらも、中々の鋭い持ち主ですね。
しかも、事情を話した瞬間タツナが声を荒げる!!
まあ、理解出来ないのは無理もないですね。
スピンオフでも、似たような展開は来ないでしょうけど…やっぱり切ないです。
こっ此処は……、読者の1人であり執筆者でもありますから耐えるしかないです。

引き続き、応援しています。

Re: ≪ポケモン二次創作≫ 最期の足掻き ( No.47 )
日時: 2022/05/15 22:40
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: ShMn62up)

>>46

またまたご感想ありがとうございます!
ここからは本当に閲覧注意になります…
私もかける自信が無い……(´;ω;`)

Re: ≪ポケモン二次創作≫ 最期の足掻き ( No.48 )
日時: 2022/05/16 15:31
名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: ShMn62up)

ロクーチャーフル・ジーニアの冒険譚ー

「ギャッ……」

「ごめんねっ!」

私はバンギラスを一撃で殺しす。イーブイは私にテトテトと着いてきてまだ戦闘に慣れていない。けれど、私の相棒だから、慣れてもらわなければ困ってしまう。ここは心を鬼にして教育しなきゃならない。ごめんね……

「レッ、レイ!まって…わあっ!」

すると着いてきていた、黒髪に赤い眼の少年がつまづく。彼はフジ。元々は研究所で作られたワルビアルのキメラで、死に際を助けた。それからは放っておけなくて教育している。

「もーっ。フジは鈍臭いなぁ」

私はフジの所へ行って手を差し伸べようとする…

「ちょっと!レイは何もしなくていいのっ!ほら!フジ!立ちなっ!」

すると少し黒く濁った水色がかった白髪の子がフジを無理やり立たせる。彼女はスイ。フジと同じく死地に立ってたところを助けたん…だけど、なにかフジに突っかかる。4柱中の3柱だからできるだけ皆に優しくしてもらいたいんだけどな……

「こらっ、スイ!そんな厳しくしないのっ!」

「…むぅ……」

私が注意するとスイは頬を膨らませ拗ねる。私はフジの脇をつかみ立たせる。フジは私と同い年のようだけど、なにか弟のように感じる。これでも柱になりかけの凄い子なんだけどなぁ。
けど、私は見捨てたりしない。私はフジの頭をポンポンとする。

「……」

フジは頭に両手を当てて顔を真っ赤にする。あれ…流石にこの年でよしよしは恥ずかしかったかな?ごめんね…

「おーい。そこで水売ってないでさっさと仕事するぞー」

すると上から声が聞こえる。紺色の髪に赤いタオルを額につけている私よりも年上の男性。彼の名前はアーボ。私がここに来た時に助けて貰った上に教育してもらった先輩だ。

「大丈夫!アーボは心配しなくていいよっ!」

私が笑顔でそう言うとアーボは『そうか』と言ってどこかに行ってしまった。アーボも私の仲間だ。いや、この施設の皆は仲間なのだが、特に思い入れがある。もちろんスイとフジもだよ!

「あっ、レイ。」

すると私の横を通りかかった人物が私に声をかける。紫がかった白髪。ドクだ。ドクとダミは純粋な人間で、ポケモンに殺されそうなところを助けた。人間なのに柱になってるから私は尊敬せざる得ない。

「ドク。今日もリウの教育?いつもありがとう!」

するとドクは顔を赤らめて無視してリウが居る大樹へ向かって行った。うん。今日も皆無事だ…!

「イヤァァァァァ!助けて!」
「ピキャァァァァ!」
「ふぁにぃぁぁぁぁー!」

……今日も聞こえる。皆の断末魔。今日も聞こえる。皆の叫び声。私はその声を聞くために働いてるわけじゃない。こんなために生きてるわけじゃない。私は…私は…

「あのっ、レイ。今日はもう時間じゃない…?」

フジが知らせてくれる。本当だ。腕時計を見ると時間だ。今日も行かなきゃいけない。

「スイ。フジいじめちゃダメだよ?」

「……わかってる。」

スイはぷいっとそっぽ向くとどっかへ行ってしまった。私はフジを見る。フジはまだオドオドしている。

「フジ。1人で大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ。」

フジはくしゃりと綺麗な顔をする。そうだ。この笑顔の為に私は生きてるんだ。この笑顔が私の生きる糧だ。

「アーボ!リーダー代理おねがーい!」

私は森に向かって叫ぶ。何も聞こえはしない物のきっと伝わっているだろう。私は「よしっ」と頷くと、すぐ「あの場所」へ向かった。

ーーーーーーーーーーーーー

裏世界。そこは基本地下を根城としている。私も今、地下のどこかにある、私の基地に居る。私は施設ではリーダーでもあり、ピラミッドも兼任している。その他にも、裏の世界を支配している。

「レイ様。先程麻薬の売買が…」
「こっちはまた奴隷の売買がありました。」
「施設破壊に成功しましたが、施設にいた人はどうしましょうか。」

資料には私に判断を委ねる物が多々ある。裏の世界を支配……それは表のように投票を行って大統領や総理大臣になるのではなく、力で強者を消し、部下を沢山持ってる人が上に居ることが出来る。私は力だけで強者を消して、裏の頂点にたった後に部下をこしらえた。
この例は異端である。それでも、頂点に立ったからには私は裏の皆を幸せにしたい。全てを表のようにしたい。
ただ、それだけの思いでこの資料を、仕事をこなしている。なら、何故施設で働いているかって?
そうだなぁ。あの施設はポケモン処理の最後の砦、軽々と消すことは出来ない。消したとしたら表世界がポケモンで溢れかえり、生態系が崩れてしまう。
裏世界は表世界で、出来ないこと、表上はしては行けないことをするのが裏世界だ。裏があるおかげで表がある。私はその裏を壊そうとしている。するとどうなるのか?表も一緒に壊れる。
表だけの世界を作ろうとするなんて本当に難しい……

「んー……」

私は頭を捻って頑張って部下たちに指示をしようとした。しかし、アイディアが思いつかない。

『ブルルルル』

「わあっ?!」

すると電話が鳴る。びっくりして声を出してしまった。けれど、私はそれで慌てたりしない。直ぐに電話をとる。

『ゼロさん。お仕事です。』

すると心に何か重みがドシッと降ってくる。この電話は『ピラミッド』の仕事だ。
ピラミッドも私は気に食わない。一見ピラミッドはお手軽派遣会社だ。しかし、ピラミッドを詳しく言うと、汚い仕事が回ってくる汚れ役である。私はそのピラミッドの頂点にいる。頂点にいればいるほど汚い役が回ってくる。
私はそうやって沢山の汚れ役を背負って、裏の世界を生きている。

「今回はなんですか。」

『今回はアローラ地方の表世界の大統領を殺してもらいます。』

私はすぐ脳内データベースを調べた。アローラの大統領。アローラの文化を潰しながら金儲けをしているゲス野郎だ。だからといって殺したらアローラの関係が崩れかねない。受けるか…受けないか…

『ゼロさんがダメなら他の方に』

「やっ、やります!」

私はそう言って私は電話を切った。そしていつものフードコートと武器を持って直ぐに向かった。ここからアローラは数日かかる。海も渡らなければいけないから今回はかかりそうだな。

ーーーーーーーーーーーーー

夜風が吹いている。アローラなのにいつもより風が冷たくて肌に風が突き刺す。ここは大統領が住んでいる根城。外は警備がガチガチだが、私から直ぐに入ることが出来る。
私は大統領のベッドルームに入る。大統領はすやすやと寝ている。この大統領は確かに悪いことをした。けど、絶対悪という訳じゃない。殺したらアローラが崩れてしまう。けれど、私がしなければ他の方がしなければならない。

「…?!お前っ誰だ?!」

迷っていたら気づかれてしまった。大統領はドサイドンを繰り出す。私はナイフを手に持つと…

「グガァッッ!」

ドサイドンを一刀両断にする。『ドサッ』そんなドサイドンだった岩が落ちる音を聞くと大統領に近づく。

「……」

大統領はなにも抵抗しない。さすが大統領。器が大きいし、死ぬのがおかしくない立場にいる事が分かっていたのだろう。

「最期に教えてくれ。」

そう大統領が言った。私はナイフを構える。

「…お前は…幸せか?」

私はその言葉に立ち止まってしまう。
幸せ…そんな4文字はとうの昔に捨てたよ。私が犠牲になるのなら。私だけ辛い思いをするならば。世界最強として生まれた身を世界に捧げ皆を幸せにするだけだ。

「……もう捨てた。」

私がそう言った。大統領はフッと笑うと目を閉じる。

「君はいつか身を滅ぼ……す。」

『グシャッ』

私は脳天からその大統領を殺した。返り血が私の顔にかかる。
この血は美味しい。この人はいい人だった。ただ、環境が噛み合わなかっただけで、歯車が何か少し違ったら良い大統領になっていただろう。
私も同じ。裏を無くそうと、平和にしようとしてるのに、こうやって汚れ仕事をうけおっている。

『それでいいのか』

最近私の中でその言葉が巡り巡っている。だけれど続けるしかない。数十年続けられたらきっと、何か、変わる……はず……

「げほっ、おえっ…!」

すると何か胸から込み上げてきて胃液と共に血が口から飛び出る。
何が原因だ。1週間寝てなかったからか?何も食べてなかったからか?いや、違う、ただのストレスだろう。それだけなら何とかなる。

「ブイッ…イブイッイブイッ!」

イーブイが私の足を引っ掻いている。
ああ、心配してるんだろう。私が死ぬとか思ってるのだろうか。

「…大丈夫」

私は満面の笑みでそう言った。こうやって、笑顔を顔に貼り付けてばかりで表情筋が疲れてきている。
あぁ、泣きたい。あぁ、全てを投げ出したい。
誰か、助けて。誰か、救って。
そんな自分の気持ちを抑えながら私は帰った。皆が待ってる。皆が心配してる。フジが…フジが待ってる。
早く帰らなくちゃ。

ーーーーーーーーーーーーー

「ヒィヤァァァ!」

叫びを聞きながらその人の頭を潰す。返り血がかかる。今回はパーティ参加の全滅だったため、私は体全体真っ赤っかになっている。すると後ろかプルルルルと音が鳴る。パーティに付属されていた電話。多分私宛だろう。

『ゼロさん。次の仕事だ。イッシュ地方のヒウオギシティ。赤白家の全滅を頼みます。』

「はい。」

私はもう断る気力もなく素直に言った。さあ、次の仕事だ。早く終わらせて、早くデスクワークにつかなければ、いや、あと施設の皆のケアもして…

「イブイッ……」

イーブイが私の事を心配する。なに心配してるのいつもの事…じゃ…あれ?なんか汗かいてる。目から…汗?いや、返り血かも知れない。まあどちらにしろ気にする必要無い。
皆の為に。皆の笑顔のために。フジのために。私は働かなきゃいけない。

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「また施設の解体をして頂きたい……」
「独裁政治をしている人物が……」

私は資料をいつものように見る。いつものように改善策を考える。いつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものようにいつものように。








なんで私はこんな事をしてるの?











「ははっ、あははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」


もうなんでもいい!もうどうにでもなれ!もう全て壊れてしまえ!もうどうでもいい!
そうだ大切な人だけ守ればいい!他人なんてどうでもいい!

そうだ皆で脱走しよう!そうだ皆で幸せになろう!
フジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジとフジと


「あははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!」

少女は涙した。
少女は狂喜した。
少女は、少女は、少女は、少女は……










フジだけは幸せになって欲しいな。


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