二次創作小説(新・総合)
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- 逃走中 グレートディストラスト(完結)
- 日時: 2025/05/25 22:23
- 名前: TDR (ID: kOmP6qDh)
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WARNING 注意
・この作品は「もしもアニメ『逃走中 グレートミッション』の逃走者が、本家バラエティと似た空気感で、Netflix版のような疑心暗鬼のゲームに挑んだら」というコンセプトのもと作られています
・各キャラクターに対する独自解釈を含みます
・気を付けていますが、キャラ崩壊の可能性があります
・アニメでウォークライ未使用だったキャラクターが、この作品オリジナルのウォークライを使用する場面があります
・ハンターは本家のような個体番号ではなく、A・Bなどを付けて識別しています
以上を踏まえてご覧ください
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ムーンワールドコロニーチャンピオンシップの開催2週間前。
A7コロニーの代表も発表されていない中で、クロノス社からの招待状により、29人の逃走者が集められた。
挑むのは「裏切りの巨大迷宮ステージ」。逃走エリアは、2024・某巨大商業施設。
無人の迷宮で、逃走者たちはこれまでにない心理戦を強いられる。
裏切り、絆、疑心、謀略、欲望、信頼……。
それぞれの思惑が交錯するゲームで、ハンターから逃げ切り、高額賞金を獲得する者は現れるのか!?
逃走者(五十音順)
園城 マイカ
オーガ クリスタル
オリヴァー フォックス
カイ ブルーム
カラハリ シュウ
クエスチョンくん
クレア サマーズ
シド フェニックス
ジャイロ デーモン
進心丸 奨
セイラ ピーボディ
千石 城太郎
ダイナ アレキサンドロス
タロット 幻霧
チャマ ハスラー
兎桜 マリン
トラヴィス ロウ
根津 忠太
パンナ ラヴ
ピエタ バローネ
ヒメナ ヴィクトリア
フェザリー ギバー
フォルト ヤング
ペンタ バッカーナ
マジカル ホーミー
ライパチ(神堂 雷八)
ランゴ メイザー
リリィ ボーン
リンセン
- 意地と決意 ( No.34 )
- 日時: 2025/05/23 21:49
- 名前: TDR (ID: kOmP6qDh)
11:52
$2,017,600
シドとジャイロ、擬態ハンターゾーンに挑戦する……!
ジャイロ「一発勝負だ。慎重かつ大胆に行くぞ」
シド「ああ……!」
ポチッ
ゲート[OPEN]ウィン……
ハンターゾーン、突入……!
プロテイン[……]
グラブ[……]
シューズ[……]
このハンターゾーンのどこかで、3体の擬態ハンターが物に擬態し、2人を待ち構える……。
ジャイロ「パネルはどこにある……?」
シド「二手に分かれないと、探しきれなさそうだ」
擬態ハンター(マネキン)[……]
シド「……」
ジャイロ「……」
マネキンに擬態した擬態ハンター前を通過……!
擬態ハンター(マネキン)[……]ギギギ……
シド・ジャイロ「「!」」ダッ
動き出したことにすぐ気づき、走り出す!
擬態ハンター(制汗剤)[……]ググ……
逃げた先にも、擬態ハンター……!
ジャイロ「こっちもかよ……!」キキッ
シド「くっ……」ダッ
2体のハンターに挟まれかけ、2人はゲートへ!
擬態ハンター(マネキン)「……」タッタッタ
擬態ハンター(制汗剤)「……」タッタッタ
シド「ハァ、ハァ」タッタッタ
ポチッ
ゲート[OPEN]ウィン……
ジャイロ「くそっ、ダメか!」タッタ……
シド「ハァ……」タッタ……
ゲート[CLOSE]ウィン……
擬態ハンター(マネキン)「……」タッタ……
擬態ハンター(制汗剤)「……」タッタ……
2人とも、ハンターゾーンを脱出……!
ジャイロ「2体も連れてきちまった。もう入り直す時間もねぇ、これは無理だ」
シド「……僕は行くよ」
ジャイロ「はぁ!?」
シド「ここで諦めたら、僕のファンががっかりする―――」
ジャイロ「おい、冷静になれ、シド!」ガシッ
ジャイロ、シドの両肩を掴んで揺さぶる。
シド「何を―――」
ジャイロ「お前のファンは、逃げ切ったお前を見たいはずだろ!無茶して捕まるお前を見たいわけじゃねぇ!」
シド「―――!」
ジャイロ「ハンターが20体増えようが、逃げ切れる可能性はある!体力にも限りがあんだ、そっちに注力すべきなんだよ……!」
シド「……ありがとう。僕が冷静じゃなかった」
ジャイロ「頭冷えたんならいい」
ジャイロは両手を放し、シドに背を向ける。
ジャイロ「ここでお別れだ。次会う時は、ゲーム終了後。お互い逃げ切ろうぜ」
シド「……ああ。あとで、健闘を称えあおう」
ラストスパートに向け、別々の方向へ逃げる……!
ハンター放出まで、残り1分
オリヴァー「……あと1分を切ったか」
オリヴァー、moriエリアの3階へ。順調に自首ボックスへと近づく……。
オリヴァー「ハンター放出地点は、2階の立体駐車場。ここから近いが問題ない。理想は、放出されて賞金ボーナス追加後の自首だ」
ここで自首すれば、オリヴァーは、裏切り者の賞金ボーナスとミッションの賞金ボーナスを合わせ、合計で約550万$を獲得できる……!
オリヴァー「自首ボックスはすぐそこにある。これで高額賞金を―――」
ドローンOLIVER[ALARM]ブーーーッ!!
オリヴァー「!」
オリヴァーのドローンのアラームが鳴った……!
オリヴァー「これは……」
???「……!」ダッ
遠くに、人影……。
オリヴァー「……あいつか」
エレベーター[3F]ウィン……
チャマ「やった……やってやったぞ……!」
エレベーター前で待ち伏せていた、チャマだ……!
そして……。
5
4
3
2
1
10:00
$2,840,000
ハンター×20「「「「「……!」」」」」ピピッ
ハンターM「……」ドドドドド……
ハンターN「……」ドドドドド……
ハンターO「……」ドドドドド……
ハンターP「……」ドドドドド……
ハンターQ「……」ドドドドド……
ハンター、放出……!
プルルルル
ピエタ「『ミッション結果|4か所のハンターゾーンでミッションクリア、80体のハンター放出が阻止された。これによりボーナスとして、賞金に80万$が加算される』……おお、ナイス!」
ピーボディ「『しかし、20体のハンターが放出。合計25体となった』……そんな……この狭いエリアに?」
20体のハンターの向かう先は……。
ドローンOLIVER[ALARM]ブーーーッ!!
オリヴァー「……やってくれたな」
アラームが鳴っている、オリヴァーだ……!
ハンターR「……!」ダッ
ハンターS「……」ドドドドド……
ハンターT「……」ドドドドド……
ハンターU「……」ドドドドド……
20体が一斉に、オリヴァーに襲い掛かる……!
オリヴァー「……自首ボックスへは間に合わんな。だが俺には〝これ〟がある」
取り出したのは、クライトリガー……!
鍵を挿せ……
鍵を挿すのだ……
👁
W A R C R Y
W A R C R Y
W A R C R Y
【EREBOS】
オリヴァー「エレボス……!!」
ズズズ……
オリヴァーの周りから、黒い霧が発生し始める!!
ズズズ……
霧が晴れた時には、霧に包まれていたはずのオリヴァーの姿は、完全に消えてしまった。
ハンターV「……?」タッタ……
ハンターW「……?」タッタ……
ハンターの視界からも、オリヴァーの姿は消えた……。
オリヴァー(猶予は約10秒。今のうちに自首ボックスに―――)
ドローンOLIVER[ALARM]ブーーーッ!!
オリヴァー「……!」
オリヴァーの姿は消えたが、ドローンは消えず、アラームも鳴り続ける……!
ハンターX「……」スタスタ
ハンターY「……」スタスタ
アラームの鳴るドローンの周りから……つまり、オリヴァーの周りから、ハンターは離れない……!
このアラームが終わるのは、通報から1分後。エレボスの能力の制限時間よりも大幅に長い……。
エレベーター[1F]ウィン……
チャマ「ウォークライで姿消えた時も、ドローンは消えてなかった……。つまり、アラームを鳴らされても無効化できない……!そうだろ、オリヴァー!」
オリヴァー「……これも計算のうちか?」
ズズズ……
再び発生した霧の中から、オリヴァーの姿が現れ始める……!
ハンターZ「……!」
【TARGET ROCKED】
OLIVER[ + ]
オリヴァー「やるな、チャマ ハスラー。見くびっていた」
ポン!
9:22 オリヴァー フォックス 確保
残り5人
オリヴァー「まさか、あいつにしてやられるとは」
ここまで大勢の逃走者を犠牲にしてきたオリヴァー少佐。
自首目前で、散った……。
プルルルル
ジャイロ「……あ!?『通報により、オリヴァー確保』……!?」
ピーボディ「通報?このタイミングで……!?」
シド「『なお、オリヴァーは裏切り者だった。確保されたため、千石・リリィ・パンナ・ヒメナを通報し、根津を確保して獲得した賞金ボーナスも没収となる』……5人も犠牲にしていたのか」
チャマ「やった……。オリヴァーが、ほかのみんなを犠牲にしてまで賞金欲しかったのが、どういう事情なのか分からねーけど……やっぱダメだ、根津たちを犠牲にしてまで賞金貰っちゃ……!」
オリヴァーの通報を成し遂げた、最後の裏切り者・チャマ。
チャマ「通報で貰った賞金ボーナス60万は、俺が逃げ切ったら、オリヴァーにやる……!俺は、誰かを犠牲に得た金なんか要らねぇ!だから……」
両手を組んで強く握り、目を固く閉じて祈る。
チャマ「だから……誰も投票しないでくれ……!」
ピエタ「てことは、オリヴァーを通報したのって、俺とジャイロ以外の3人の中の誰かで……ピーボディとシドじゃないだろうから……チャマだよな?」
ジャイロ「オリヴァーを通報したのはチャマだろ……。ほぼ確定なわけだが……」
シド「じゃあ、チャマが裏切り者とみてよさそうだね」
ピーボディ「きっとチャマだよね、オリヴァーを通報したの……」
ほかの4人は、チャマが裏切り者と確信している……。
チャマ「頼む、どうか俺を……信じてくれ……!」
恐る恐る目を開け、クロノブレスの画面を見る。
クロノブレス[VOTE:0]
チャマ「……!」
ピエタ「メールからして、チャマはここまで誰も犠牲にせず、被害者を大勢出したオリヴァーだけを狙ったってわかる。残しておくのはスリリングだが、信じてみてもいい」
ピーボディ「暴れていた少佐以外を通報せずに、ここまで逃げ延びてるから……投票はしないでおく。オリヴァーを通報して、私たちを守ってくれたって考え方もできるし」
シド「味方だと思うことにするよ。犠牲者を大勢出していた裏切り者を倒したってことでね」
ジャイロ「結局、シドの言うとおり、片方の裏切り者は全然通報に動いてなかったってことか。賞金ボーナス60万はなんか癪だが、投票はしないでおいてやるよ!」
4人は、チャマに投票しないことを選んだ……!
牢獄
リリィ「オリヴァーがリタイアせずに残ったままだと、オリヴァーとチャマのどっちが被害者を出したのかが分からない。それを明確にするための通報ね」
クエスチョン「チャマは、被害者を多く出したオリヴァーを通報して、ほかのメンバーからの信用を稼いだってことかぁ……」
フェザリー「オリヴァーが自首していれば、通報せずとも、自首報告のメールで自ずと分かったんでしょうけど……」
ランゴ「仮にオリヴァーが自首できていたとしたら、チャマがここまで被害を一切出していなくても、『大量ハンターを引き付けるために、自分がチャマに通報されるかも!』って警戒して、投票される可能性は上がっていたかもしれない」
進心丸「そこまで考えての行動なのか?だいぶ綱渡りな気もするが……」
リリィ「どうでしょうね。でも、チャマ自身が残るためには、最善策の一つだったんじゃないかしら」
幻霧「ふふっ、占いをもとにしたアドバイスどおり、大きな決断ができたようだね……チャマ ハスラー」
ゲーム残り8分となり、逃走者は残り5人となった。
ジャイロ「逃げ切って、『自首しなくて良かった』って言わせてもらうぜ……!」
自首狙いだったが、ミッションで賞金ボーナスを獲得し、逃走成功を狙うことにした〝マネーピラニア〟ジャイロ デーモン。
チャマ「ありがとう、投票しないでくれて……!」
裏切り者になって一度も動かなかったが、最後の最後で大きな行動をした、〝裏取りマン〟チャマ ハスラー。
ピーボディ「……残り5人、か」
精神的な苦難を乗り越え、夢の実現を目指す、〝ボルダリングの女王〟セイラ ピーボディ。
シド「あと1、2回かな。全力ダッシュできそうなのは……」
ここまで走り続け、体力の限界が近い、〝超次元の貴公子〟シド フェニックス。
ピエタ「25体もハンターがいるなんて、最高にスリリングじゃないか!どんなに数が多くても、二度は捕まらない!」
一度捕まったが復活し、抜群の運動神経で逃げ延びている、〝スリリングバスカー〟ピエタ バローネ。
逃げ切れば、賞金296万$を獲得!
ハンターA「……」
ハンターR「……」
ただし、エリアには25体のハンター。捕まれば、賞金は0。これまでの努力も無駄となる……!
クロノス社
ハーヴェスト「チャマがオリヴァーを通報したことで、追加されたハンター20体が、エリア全体に広がるのを抑制されたみたいだけど……。5人とも逃げ切ってしまうかもしれないわよ?」
月村「問題ない。むしろ、この通達を出すために余裕ができて良かったと捉えている」
ハーヴェスト「……まだ何か通達を?」
月村「これが、最後の通達だ。この難関を切り抜け、逃走成功を目指せ!」
牢獄
クレア「誰が逃げ切るんだろうねぇ」
ペンタ「ジャイロが逃げ切ったら、どういう顔すりゃいいのかわかんねーよ」
ドローンCLAIR[……]ピピッ
クレア「……ん?」
ドローンMARIN[……]ブウウウン
根津「ど、どこ行くんだよ!?」
ペンタ「トイレじゃねーの?学校でよくあるだろ、連れしょん」
カラハリ「事態急変……!」
リタイアした逃走者たちのドローンが、一斉にエリア中に飛び立った!
7:05
$2,875,000
プルルルル
ピーボディ「『通達|リタイアした24人の逃走者のドローンが、エリアに飛び立ち、通報ドローンとなった』……えっ、どういうこと?」
シド「『通報ドローンは逃走者を見つけると、アラームを鳴らし、ハンターを呼び寄せる。気を付けたまえ』……最後までやってくれるね、クロノス社は」
ジャイロ「な…………なんでそんなことする???」
通達 通報ドローン部隊出現
リタイアした24人の逃走者のドローンが、エリアに飛び立ち、通報ドローンとなった。ドローンは逃走者を見つけると、アラームを鳴らし、ハンターを呼び寄せる。
チャマ「ハンター25体に、ドローン24機!?そんな数いたら、下手すりゃ全滅じゃねーか……!」
ピエタ「裏切り者の脅威が何十倍にも膨らんだみたいだな。いいねぇ、スリル満天だ!」
通報ドローン1[……]フォンフォン
通報ドローン2[……]フォンフォン
通報ドローン3[……]フォンフォン
通報ドローンは、3機で編隊を組み、逃走者を探す。
ハンターB「……」
ハンターN「……」
通報ドローンにアラームを鳴らされれば、ハンター25体の餌食となる……!
シド「通報ドローンは、小回りが利くはず。どこから来る……?」
ハンターX「……」
ドローンを警戒しすぎると、ハンターに気づくのが遅れてしまう可能性がある……!
ピーボディ「ドローンの視野ってどれくらい広いんだろう……」
ハンターS「……」
ジャイロ「マジで全滅させようとしてきてるだろ、クロノス社……」
ハンターD「……!」ダッ
見つかったのは……。
ピエタ「……おっ、来たな!」ダッ
ピエタだ……!
逃げ切れるか!?
残る逃走者:5人
シド、ジャイロ、チャマ、ピーボディ、ピエタ
- 巨大迷宮ラストラン 前編 ( No.35 )
- 日時: 2025/05/24 15:13
- 名前: TDR (ID: kOmP6qDh)
6:10
$2,886,000
ゲーム終了まで、残り約6分。
ハンターD「……!」ダッ
ピエタ「……おっ、来たな!」ダッ
ピエタが、ハンターに見つかった……!
ピエタ「ゲーム終盤に追われるなんて、スリリングだねぇ」タッタッタ
アウトレットの2階を駆ける……!
ハンターD「……」タッタッタ
ピエタ「ここを降りて……」タッタッタ
階段を降り、1階へ。
ハンターC「……」
ピエタ「おっと?」キキッ
階段を下りた先の道にいたハンターを見つけ、下りてきた階段の裏へ。
ハンターD「……」タッタッタ
ハンターも、階段まで来た……!
【SEARCH MODE】
[ + ]
ハンターD「……?」
姿を見失ったようだ。
ピエタ「……」
ピエタは、階段の裏にいる。
ハンターD「……」コツコツ
階段を下りていくハンター。その階段の裏に、ピエタ……。
ピエタ「……」
凌げるか……?
ハンターD「……」
ピエタ「……」
ハンターD「……」スタスタ
そのまままっすぐ歩いて行ったため、気づかれなかったようだ。
ピエタ「……ライフ・イズ・スリリング」
終盤に来て、なおも集中を切らさない……!
ピーボディ「残り5分30秒で、ラスト5人……」
これまで長らくゲームに挑戦し続け、ついに終盤まで残ったピーボディ。
賞金獲得は、もう目の前だ。
ピーボディ「……怖い。もうこんなチャンス巡ってこないかもしれない。ここで失敗したら……」
3日前の大会での失敗を引きずり、傷心中。大きなチャンスに、手が震える……。
ピーボディ「……怖がってちゃダメだ。ここまで残ったからには、何がなんでも逃げ切って……賞金獲って、月面のコロニーをすべて登りきる旅に出るんだ……!」
夢を掴み取るには、ここが正念場だ……!
ピーボディ「そして、みんなと一緒に、このゲームの打ち上げをする……!」
牢獄
マイカ「残り5分で5人も残ってたら、誰かは逃げ切れるよね、きっと」
マリン「そうでもないよ」
マイカ「えっ?」
マリン「過去に、残り4秒まで2人残ってたゲームがあったんだ。でも、その4秒の間に2人とも捕まって、ゲームオーバー」
マイカ「そんな……」
ペンタ「で、そん時は俺だけが自首で賞金獲ったってワケ!」
リリィ「そう、まさにその回で自首して、獲得した賞金をすぐに全部スッて、借金も返せなかったのが、こちらのペンタ バッカーナね」
ペンタ「事実だけ並べたとしても、言葉って刃物になるんだぜ……!?」
カラハリ「自業自得」
千石「要は、最後まで逃走成功者が出るかどうかは分からない、ということだな」
パンナ「これだけハンター多い状況じゃ、自首もできないだろうし……」
クレア「みんな、ファイト……!」
チャマ「ここで最後まで隠れよう……」
チャマは、moriエリアの外周にある柱の陰に身を隠すことにしたようだ。
チャマ「頼む、ハンター来ないでくれ……!」
シド「屋外に移動したいけれど……」
moriエリアの屋内にいるシド。
通報ドローン1[……]フォンフォン
通報ドローン2[……]フォンフォン
通報ドローン3[……]フォンフォン
その前方には、通報ドローン部隊……!
シド「ドローンにも、見つかるとマズいからね……」
ジャイロ「チッ、全然進めやしねぇじゃねーか」
ハンターE「……」
同じくmoriエリア屋内のジャイロの近くには、ハンター。
ジャイロ「早く外に出ないとやべーのに……!」
屋外を目指すが、思うように動けない……。
ピーボディ「ここなら、壁を登っていけそうだけど……」
ピーボディは、屋外・大階段上の踊り場で、ハンターが来ないかを見張る……。
ピーボディ「まだ雨で壁が少し濡れてるし、屋上にもハンターがいるかもしれない。登るのは最終手段にしたいわね……」
ハンターY「……」
ハンターU「……」
読みどおり、屋上にもハンターはいる……!
ピエタ「……増えてきたな」
ただ1人、アウトレットにいるピエタ。
ハンターO「……」
ハンターV「……」
最終ミッションで追加されたハンターが、来た……。
通報ドローン4[……]フォンフォン
通報ドローン5[……]フォンフォン
通報ドローン6[……]フォンフォン
さらに、通報ドローン部隊も、アウトレットへと向かっている……!
ピエタ「この場所も安全じゃなくなってきたぞ……」
誰が逃げ切り、誰が捕まってもおかしくない、「裏切りの巨大迷宮ステージ」ラストラン。
賞金296万$を獲得する者は、現れるのか!?
ハンターS「……」
チャマ「お願いだ、逃げ切らせてくれ……」
通報ドローン7[……]フォンフォン
シド「みんな、見ていてくれ……」
ハンターV「……」
ピエタ「いいスリルだ。楽しくなってきた」
ハンターE「……」
ジャイロ「あと少しなんだ、あと少しで……」
通報ドローン10[……]フォンフォン
ピーボディ「絶対逃げ切ってみせる……!」
通報ドローン13[ALARM]ブーーーッ!!
通報ドローン14[ALARM]ブーーーッ!!
通報ドローン15[ALARM]ブーーーッ!!
通報ドローン部隊に、逃走者が見つかった……!
狙われたのは……。
ジャイロ「なっ、来てやがったのか!」ダッ
ジャイロだ……!
ハンターE「……!」ダッ
近くにいたハンターと……。
ハンターM「……!」ダッ
ハンターN「……!」ダッ
遠くにいたハンターが、アラームの鳴る方へと向かう……!
ハンターE「……」タッタッタ
【TARGET ROCKED】
JAIRO[ + ]
見つかった……!
ジャイロ「くそっ、こんなところで捕まってたまるか!」タッタッタ
ハンターに捕まれば、失格。賞金は0……!
ゲーム終了まで、残り4分
ハンターO「……」
ピエタ「……移動するしかないな」タッタッタ
ハンターとドローンの隙を見て、移動を試みるピエタ。
ハンターC「……!」ダッ
しかし、別のハンターに、見つかった……!
ピエタ「―――バレたか!」ダッ
通報ドローン4[ALARM]ブーーーッ!!
通報ドローン5[ALARM]ブーーーッ!!
通報ドローン6[ALARM]ブーーーッ!!
さらに、通報ドローン部隊も、ピエタを捉えた!
ピエタ「なっ、うるさ……こんな音デカいのかドローン!」タッタッタ
ハンターV「……!」ダッ
ハンターD「……!」ダッ
ハンターC「……」タッタッタ
ハンターとドローンを連れて、moriエリア行きの連絡橋へ……!
ジャイロ「ハァ、ハァ……」タッタッタ
ハンターM「……!」ダッ
ハンターN「……!」ダッ
ジャイロ「くっ、多すぎんだろ!」ダッ
ジャイロ、逃げ場を探して階段で下の階へ!
ハンターW「……」
しかし、下からもハンターが、来てる……。
ジャイロ「―――あああ!!」タッタ……
ハンターW「……!」
【TARGET ROCKED】
JAIRO[ + ]
ジャイロ「挟み撃ちかよ……!」
ポン!
3:32 ジャイロ デーモン 確保
残り4人
ジャイロ「ハァ……ハァ……あと少しだったのに……」
ハンターと通報ドローンに翻弄された……。
ピエタ「ハァ、ハァ」タッタッタ
連絡橋を渡るピエタ。
ピエタ「―――あっ!」タッタッタ
ハンターZ「……!」ダッ
ハンターT「……!」ダッ
正面からも、アラームを聞きつけた2体のハンター……!
ピエタ「おいおい、そりゃないだろ……」
ポン!
3:17 ピエタ バローネ 確保
残り3人
ピエタ「あー、これは悔しい。2回も挟み撃ちで確保か」
こちらも、ハンター5体に挟まれた……。
ジャイロ「やっぱ、自首しとけばよかったんだ……ちくしょう……」
ピエタ「下の道路に飛べりゃ、挟み撃ちにはならなかったんだがなぁ」
※連絡橋の下の道路はエリア外。
逃走成功目前で、立て続けに2人が確保だ……!
プルルルル
シド「……ジャイロとピエタが捕まった。あとは僕とピボっち、チャマの3人」
ピーボディ「ジャイロ、ピエタ……!残り3人……」
チャマ「……トップ3?マジかよ……!」
残る逃走者は、シド・ピーボディ・チャマの3人。
ハンターA「……」
ハンターX「……」
対するハンターは、25体。
通報ドローン16[……]フォンフォン
通報ドローン17[……]フォンフォン
通報ドローン18[……]フォンフォン
さらに、通報ドローン部隊が、24機・8部隊で飛び回り、3人を探す……!
ゲーム終了まで、残り3分
シド「1分なら全力で走れる。残り1分までは、見つかりたくない」
体力に限りがあるシド。moriエリアの屋外へ。
シド「……改めて見ると、このアーチがある道、いい雰囲気だね。ここで終わりたい」
最後の勝負の場所を決めた……!
チャマ「……ヤバい」コソコソ
チャマの近くに……。
ハンターA「……」
ハンター……。
チャマ「…………」
柱の陰に隠れる……。
ハンターA「……」
ハンターが、チャマの隠れる柱に近づく……。
チャマ「……!」ササッ
ハンターの視界に入らないよう、少しずつ動き、柱の裏に隠れ続ける……!
ハンターA「……」
チャマ「…………」
ハンターA「……」スタスタ
気づかれなかったようだ。
チャマ「い……息ができない……」
ゲーム終了まで、残り2分
ピーボディ「……ドローン来た」
通報ドローン19[……]フォンフォン
通報ドローン20[……]フォンフォン
通報ドローン21[……]フォンフォン
2階・大階段にいるピーボディ。
その下にある噴水広場に、通報ドローン部隊……。
ピーボディ「…………」
姿勢を低くして、目立たないようにする。
シド「……あれはドローンかな?」
その近くに、シドもいる。
ハンターM「……」
ドローンに気をとられれば、ハンターがやってくる……!
チャマ「……えっ、また来た」ササッ
ハンターS「……」
さらに、チャマの近くに、またしてもハンター……!
ピーボディ「……3階行ったほうがいいかも」
シド「通報されないように……」
チャマ「来るな……!」
ハンター「……!」ダッ
見つかったのは、誰だ!?
次回、決着。
残る逃走者:3人
シド、チャマ、ピーボディ
- 巨大迷宮ラストラン 後編 ( No.36 )
- 日時: 2025/05/24 23:06
- 名前: TDR (ID: kOmP6qDh)
1:33
$2,941,400
ゲーム終了まで、残りおよそ1分30秒。
ハンター「……!」ダッ
この土壇場で見つかったのは……。
シド「―――来たか、ハンター!」ダッ
シドだ……!
ハンターM「……」タッタッタ
通報ドローン19[ALARM]ブーッ!!
通報ドローン20[ALARM]ブーッ!!
通報ドローン21[ALARM]ブーッ!!
さらに、近くにいた通報ドローン部隊にも、見つかった……!
シド「挟み撃ちが怖い、ここを回ろう……」タッタッタ
同じ店の小さな建物周りを回り続け、ハンターと距離をとり続ける作戦だ。
ピーボディ「……通報された?私じゃない?」タッタッタ
その近くにいたピーボディ。
アラーム音を聞き、2階から3階へ上がり、屋内を目指す。
ハンターP「……」タッタッタ
その屋内から、シドを通報したアラームを聞いたハンターが接近……!
ピーボディ「……誰か下で通報されたみたい」タッタッタ
ハンターP「……!」ダッ
見つかった……。
ピーボディ「―――来た」ダッ
ハンターP「……」タッタッタ
ピーボディ「もう、登るしかない!」ガシッ
ドローンとハンターに挟まれ、最終手段で建物の外壁を登る……!
ゲーム終了まで、残り1分
ハンターS「……!」
【TARGET ROCKED】
CHAMA[ + ]
ハンターS「……」ダッ
チャマ「くそっ……!」
柱の陰に隠れていたチャマも、見つかった……!
逃走成功目前で、残る3人全員がロックオン!
0:40
ピーボディ「ふっ!」バッ
上や横へと巧みに飛び移り、外壁を登っていくピーボディ。
ハンターP「……」バッ
しかし、ハンターはじわじわと距離を詰めている……!
ピーボディ「次はあそこに……!」ググッ
さらに上にある溝に手をかけるため、反動をつける……。
ハンターP「……」バッ
ピーボディ「はあっ!!」バッ
ピーボディ、大ジャンプで溝に左手をかけ―――
ツルッ
ピーボディ「え―――」
雨水で濡れた外壁で、指が滑った……!
バランスが崩れ、落下する……。
ピーボディ(また……また落ちるの?こんな大事なところで)
ハンターP「……」
ピーボディ(私は……また―――)
0:30
ピーボディ(―――まだ……!!)
ピーボディ「まだ落ちてない!!」
ガッ
滑った溝の真下、別の溝に咄嗟にかけた右手の指で、どうにか踏みとどまった!
ピーボディ「ううっ……!」
ハンターP「……」バッ
しかし、ハンターとの距離は、およそ2m!
ピーボディ「登り切るまで……上り詰めるまで、私は諦めない!!」
0:25
ハンターS「……」ダッ
チャマ「ぐうっ……!」ダッ
太い柱を障害物に、一定の距離をとり続けるチャマ……!
チャマ「ハァ、ハァ……このまま、逃げ切る……!!」
チャマ(ここで逃げ切って、俺は……今までの誇れない自分を変えるんだ!!)
ハンターS「……」スッ
ハンターが、柱に触れる……。
0:20
ミシッ
チャマ「えっ―――」
ビキビキビキ
柱に大きなひびが入る……!
チャマ「くそっ、それアリかよ!!」ダッ
柱から離れるチャマ。
バキッ、バキバキバキ!!
柱が、砕けた……!
ハンターS「……」ダッ
チャマ「……!!」
0:15
ハンターM「……」タッタッタ
シド「ハァ、ハァ、あと少し……!」タッタッタ
ハンターとの距離を一定に保ち続けるシド。
通報ドローン19[ALARM]ブーッ!!
通報ドローン20[ALARM]ブーッ!!
通報ドローン21[ALARM]ブーッ!!
ハンターN「……」タッタッタ
しかし、アラームに引き寄せられたハンターが、シドに迫る!
シド「ハァ―――あっ」
ハンターN「……!」ダッ
正面から来た……!
今いるのは、1本道。挟まれた……!
シド(思い出すよ、ロンドンステージの颯也を。どんなに追い詰められても、諦めずギリギリで逃げていたキミを)
シド「このピンチを超えてこそ―――」
0:07
シド「スターだ!!!」
ズザアアア
ハンターN「……」タッタ……
スライディングでかわした……!
0:06
ハンターR「……!」ダッ
しかし、正面から3体目……!
シド「―――!!」
0:05
ピーボディ「うううああああああ!!!」
ハンターP「……」バッ
0:04
チャマ「ちくしょおおおおおお!!!」
ハンターS「……」バッ
0:03
ハンターR「……」バッ
シド「―――うおおおおおお!!!」
0:02
0:01
0:00
$2,960,000
牢獄
マリン「ど、どうなった!?映像は!?」
オーガ「ハンターが邪魔で、捕まったか見えなかった!ちゃんといい画角で撮れよドローン!!」
クレア「ゲーム終了のメールはまだなの!?」
カラハリ「まだだ、慌てるな」
プルルルル
一同「「「「「!!」」」」」
ライパチ「メール来たぞ!読み上げる!」
フェザリー「頼んだよ!」
ライパチ「…………確保情報」
マイカ「えっ」
シド「ハァ……ハァ……」
仰向けに倒れているシド。残り1秒でよろけて転んだためだ。
その目に映るのは、青い空、その空に書かれた「TIME UP」の文字。
そして、眼前1mmにあるハンターの指先だった。
シド「……あとコンマ1秒でもあったら、結果は分からなかったね」
シド フェニックス 逃走成功
296万$獲得
シド「見ているかい、みんな?スターの底力、見せられたかな?」
ピーボディ「ハァ、ハァ……え?」
ピーボディが外壁を登り切った先、屋上にも2体のハンターがいた。
ハンターY「……」
ハンターU「……」
ハンターP「……」
そのハンター2体と、外壁を登って追ってきたハンターが、ピーボディに手を伸ばした姿で停止している。
空には、「TIME UP」の文字が大きく表示されている。
ピーボディ「……~~~!!」
両腕を勢いよく、高く、掲げた。
ピーボディ「やったああああああ~~~!!!」
セイラ ピーボディ 逃走成功
296万$獲得
数分後・牢獄
チャマ「あーあ……あと少しだったのに……」
惜しくも残り2秒で確保されたチャマが、牢獄に到着した。
根津「お疲れ様、チャマさん!」
リンセン「すごいぞ、残り数秒まで残るなんて」
チャマ「ありがとう……」
オリヴァー「やるじゃないか、チャマ」
チャマ「……オリヴァー。悪かったよ、通報しちまって」
オリヴァー「俺は気にしていない。人を陥れたからには、自分が陥れられる覚悟はできていた」
チャマ「……そうか。でも、あんたが犠牲にした根津たちには、謝ってくれよ」
オリヴァー「その話は、もう済んでいる」
オリヴァーは、ちらりとリリィを見た。
リリィ「……そうね」
チャマ「そうなのか……?じゃあ、もう許したってこと?」
根津「ええ、丸く収まってます!」
オリヴァー「顛末が聞きたければ、あとで話す。今は、逃げ切った2人を祝おう」
オリヴァーや根津たちが目を向けた先には、シドが悠々とやってきていた。
シド「大スターとしての面目躍如たる活躍、できたんじゃないかな!」
クレア「シド、久々の逃走成功、おめでとう!」ぱちぱち
千石「さすがはスターだな。おめでとう」ぱちぱち
ジャイロ「最後は随分泥臭い逃げ方だったな、大スター」
シド「その泥臭さのおかげで、逃げ切れたんだよ」
ジャイロ「追いつけたか?あいつらには」
シド「……ああ、なんとかね。まだ彼らに並び立つことができそうだ。頭を冷やしてくれた、キミのおかげだと思ってるよ」
ジャイロ「……さあ?俺はなんにもした覚えはないぜ」
シド「ふふっ……。さ、今回の主役は僕だけじゃないよ!」
シドが振り返ると、ちょうどピーボディが牢獄へとやってきたところだった。
クレア「ピーボディ、初めての逃走成功、おめでとう!」ぱちぱち
ピエタ「ようやく夢が叶えられるな」ぱちぱち
ピーボディ「ありがとう、みんな……!みんなのおかげで頑張れたんだよ」
マリン「いいや、ピーボディが頑張ったからさ」
カラハリ「粉骨砕身、努力のたまものだ」
ピーボディ「その努力も、心が折れずに逃げ切れたのも……諦めずに上を目指せたのも……全部、みんなが、いてくれた、から」
言葉に詰まりだす、ピーボディ。両手で顔を覆う。
ピーボディ「本当に、ありがとう……みんな……!!」
クレアがピーボディに駆け寄る。それに続いて、マリンやフェザリーたちも駆け寄っていく。
マイカ「なんだか、もらい泣きしそう……」
ヒメナ「長らく、賞金で夢を叶えるために頑張ってたみたいだから……喜びもひとしおだろうね」
シド「ホーミーちゃん、自首おめでとう。キミも今日の主役だよ」
ホーミー「ありがとう。シドとピーボディには元気づけてもらったから、感謝してるし、逃げ切ってくれて嬉しいわ」
シド「僕は大したことしてないけど、そう言ってもらえるなら甲斐があったよ」
ホーミー「2人には元気づけてもらって、牢獄に来た時は、みんなに自首を祝ってもらって……よくわかったよ。やっぱりみんなは、ライバルでありながら、仲間でもあるんだって」
ペンタ「あー、自首羨ましい……」
ジャイロ「いつまで言ってんだ、お前は」
今回は、2人が逃走成功、1人が自首成立で、高額賞金を獲得した。
次に逃げ切って賞金を獲得するのは、あなたかもしれない……。
👁
CHRONOS
- エピローグ ( No.37 )
- 日時: 2025/05/25 22:02
- 名前: TDR (ID: kOmP6qDh)
ホワイトエリア・シド邸。その敷地内。
ここに、実に30人を超える人が集められている。
シド「それじゃ、頼んだよ」
マリン「これ私でいいのかな……。任されたからにはやるけど」
マリンにマイクが渡された。
マリン「それでは、『裏切りの巨大迷宮ステージ』における、シドとピーボディの逃走成功、ホーミーの自首成功と―――」
マリン「『ムーンワールドコロニーチャンピオンシップ』における、颯也の優勝を祝して!!」
一同「「「「「かんぱーい!!」
シド「ということで颯也、おめでとう!」
颯也「ありがとう!でも良かったのか?」
シド「何がだい?」
颯也「だって、元々シドたちの打ち上げパーティーだったんだろ?俺まで呼んでもらった上に、祝ってもらうなんて」
ピーボディ「元から、月世界王者統一戦の優勝者がA7コロニーから出たら、この日に一緒に祝おうって話だったんだよ」
シド「僕らも優勝する気だった、というのもあってね!」
ピーボディ「だから気にしないで、今日は楽しもう!」
颯也「……ああ、本当にありがとう!」
颯也以外にも、「裏切りの巨大迷宮ステージ」に参戦していない人たちも呼ばれている。「A7コロニーの逃走者による打ち上げ」の側面が強いからだ。
ラビ「僕がA3に一時的に帰ってる間に、まさかそんな人間性を試すゲームをしてるなんて……。しかも、いろんなハンターが勢ぞろいだったんだろ?生で見たかったよ」
マイカ「放送アーカイブの再編集版、最近配信され始めたもんね」
ラビ「そういう変わり種のゲームもできるんだ、月村サトシ……。勉強になるなぁ」
スネーク「俺に肉を焼かせるなら、勝訴確定だ。誰もが満足する焼き加減にしてみせよう」
ペンタ「おいおい、誰だよこの肉奉行呼んだの」
ジャイロ「ホワイトエリアはすげーな、屋外で肉焼いてもすぐ換気される。よっと」
ペンタ「あっ、それ俺が焼いた肉!」
ジャイロ「借金の担保としていただくぜ~」
アブラム「パンナ嬢、ミッションもやって、いつも以上に頑張っていたな……!応援していたぞ!」
パンナ「ありがと!次のゲームもキャリーお願いね」
リリィ「……」
こういう場では、人間観察が捗る。
向こうでは、クレアやピーボディたちが集まって談笑している。
クレア「ねぇ、ピーボディ?」
ピーボディ「ん、何?」
クレア「ピーボディは、巨大迷宮でも、統一戦の予選でも、賞金獲得したでしょ?」
ピーボディ「そうだね。予選でも貰えるなんて思わなかったよ、良い臨時収入だった」
クレア「それだけお金あれば、月面コロニーを登り切る旅に出られるよね」
ピーボディ「うん、近いうちに予定組もうと思ってる」
クレア「……それじゃ、もう逃走中には出なくなっちゃうの?」
ピーボディ「えっ?」
ピエタ「それ、俺も気になってた。夢を叶える資金のために出てたんだし、今後はどうするんだ?」
カラハリ「逃走者としては、現役を退くのか?」
ピーボディ「あははっ、まさか!だったら、統一戦も出てないよ」
クレア「じゃあ、まだ出続けてくれるの?」
ピーボディ「逃走成功はしたけど、逃走中の頂点には上り詰めてないからね。まだまだ上を目指すつもりだよ」
クレア「良かったぁ……」
ピーボディ「……私に出てほしいんだ?」
クレア「うん、ピーボディが逃走中からいなくなったら寂しいよ」
ピーボディ「そっか……!」
ピエタ「ああ、いてくれないと張り合いがない」
クレア「うんうん!」
ピーボディ「あはは……なんだか照れるな。さ、せっかくの豪勢な打ち上げなんだし、食べよ食べよ!」
カラハリ「酒池肉林……!」
シド「……あっ」
シドが、シャインマスカットを頬張っているルナに近づく。
シド「ルナてぃ、王者統一戦は惜しかったね」
ルナ「んむっ、シド!」
ルナはマスカットを飲み込み、シドに向き直る。
ルナ「そうなの、もうちょっとだったんだけどね。まあ、AIダビンチを倒せたから良かったけど」
シド「……ところで、颯也には話しかけに行かないでいいのかい?」
ルナ「!」
シド「逃走中の外で颯也と会うの、滅多にない機会なんだろう?実家が厳しいって噂は聞こえてくるし」
ルナ「あはは、まあね……。どう話しかけようかなって思ってたら、今に……」
シド「もたもたしていると、他の人に取られてしまうよ?チャンピオンは大人気だからね」
ルナ「……!」
シド「早く声をかけることをお勧めするよ。それじゃ!」
ルナ「……そんな簡単に声かけられたら、苦労しないわよ」
颯也「美味いなぁ、こんなうまい料理食べたことないよ」もぐもぐ
ホーミー「…………」
ホーミーは、颯也に話しかけれず、気まずそうだ。
颯也「……あっ、ホーミー!」タッ
颯也から、ホーミーに近づく。
ホーミー「……颯也」
颯也「自首成功、おめでとう!賞金獲れて良かったな!」
ホーミー「……ありがとう。颯也も、チャンピオンになれて良かったね。おめでとう」
颯也はシブヤステージで、ホーミーに裏切られて大きなショックを受けていた。
その後、いろんな経験があったからなのか、ショックも乗り越えられたようだ。
颯也「高性能ボディマージ、ガスティン先生が、そろそろ発注できそうだって伝えてくれってさ!」
ホーミー「そうなの?待ち遠しかったわ……!」
ルナ「…………」
ルナは出遅れたみたい……。
根津「シドさん、厨房を借りても?おいらも何か作ろうと思いまして!」
シド「もちろんいいよ!冷蔵庫の中身も、調味料も、自由に使ってもらって構わないよ」
チャマ「いいのかよ、『ねづや』の看板料理人の料理を、タダで食わしてもらって!」
根津「俺自身も、シドさんたちに食べさせてもらってますから!」
オリヴァー「期待してるぞ、根津」
根津「ええ、期待に応えてみせますとも!」
リリィ「……」
あの3人を筆頭に、巨大迷宮ステージでの裏切りは誰も引きずっていない。
回想・ゲーム終了直後
オリヴァー「……」
オリヴァーが、牢獄へとやってきた。
根津「オリヴァーさん……」
オリヴァー「……根津、それに千石、リリィ、パンナ、ヒメナ。すまなかった」
パンナ「許さないわよ!」
ヒメナ「まあまあ、パンナ。謝ってくれたんだし、穏便に済まそう?」
リリィ「……オリヴァー少佐、聞きたいことがある」
オリヴァー「……なんだ?」
リリィ「どうしてヒメナとホーミーが行動していた時に、ヒメナだけを通報したの?」
オリヴァー「……」
ヒメナ「そうそう、さっきみんなと話してたんだよ。気になってたんだよね」
ホーミー「私とヒメナはずっと隣にいたから、私だけ見てなかったとは考えづらい」
リリィ「それともう一つ。今回、あなたの通報や確保による犠牲者が、『ある共通点』を持っていたことについても、意図を聞きたい」
オリヴァー「……もうそこまで気づいていたのか」
リリィ「すぐ気づくわ。その回答も、ある程度想像がつく。でも、あなたの口から聞きたいのよ。できれば、お金に困っていないあなたが、事実上の引退宣言をした逃走中に、なぜ戻ってきたのかも含めて」
オリヴァー「…………」
オリヴァーはゆっくりと語り始めた。
オリヴァー「……まず出場した理由は、ハーヴェスト直々の出場依頼だ」
リリィ「ハーヴェスト直々の?」
ホーミー「えっ……?」
リリィ「……ホーミー?」
オリヴァー「さしずめ、ホーミーもそうなんだろう。おそらく、しばらく参戦していない面々に、声をかけに動いたんだ。その1人が俺だった」
ゲーム3週間前・オリヴァー宅
オリヴァー「……わざわざ出向かれるとは思わなかった」
ハーヴェスト「数える程度しか、こうして直接の出場交渉は行わないわ」
オリヴァー「……そうか、光栄だな」
ハーヴェスト「もう一度聞くわね。次回の逃走中……ムーンワールドコロニーチャンピオンシップの前哨戦に出場してほしいの」
オリヴァー「悪いが、帰ってくれないか。トウモロコシに水をやる時間だ」
ハーヴェスト「返答くらいは聞かせてほしいわね」
オリヴァー「金で動くと思われているなら心外だ。もう十分稼がせてもらって、隠居生活だ。今更、あんな危険なゲームに戻るつもりはない」
ハーヴェスト「次のゲームは、ストーリーシナプスを使わない。牢獄転送のような最新システムはすべてメンテナンス時期と被っていて、初期のシステムを流用したゲーム―――安全性への配慮が現在よりもされていた頃のゲームとなる予定よ。それゆえに、安全面は保障するわ」
オリヴァー「メンテナンス時期か。そんな状況下でもゲームをやろうとするとは、大変な仕事だな」
ハーヴェスト「ゲーム時間は3時間。そして賞金は、やり方次第で、500万$に届きうる。運も絡むけれどね」
オリヴァー「……500万?」
ハーヴェスト「ええ。長い隠居生活の水準が、ワンランクかツーランク上がるほどの賞金を手にできるチャンスよ」
オリヴァー「……なぜそこまでして、俺を出させたいんだ?A7コロニーの逃走者には、ほかにも大勢実力者がいるだろう。グレートチャンピオンツアーに出場していない者も含めて」
ハーヴェスト「このゲームに必要なのは、お金のために仲間を裏切り、疑われないよう努められる逃走者。仲間を疑い、信頼できる人間の取捨選択をできる逃走者。そして、大きな大会の前哨戦として、ゲームの盛り上がりを意識して動ける、エンターテイメント性を持った逃走者。あなたはどの役回りにも適しているわ」
オリヴァー「…………」
ゲーム終了直後
ホーミー「私も、似たようなことを言われた。疑われながら自首を狙うだけでも、このゲームを盛り上げることに繋がるって……」
オリヴァー「俺はハーヴェストの出場依頼を飲んだ。そして、1つ目のミッションの最中に、運よく裏切り者の募集の通知を受け取り……裏切り者になった」
フェザリー「もしかして、ゲームを盛り上げるために裏切り者に?」
クエスチョン「えっ、僕と同じ?」
オリヴァー「それも少なからずあるが、結局は金欲しさだ。そうでなければ、いくら盛り上げに繋がるとしても、5人も犠牲にできない。だから、許してもらうつもりもない」
パンナ「……私もお金欲しさに裏切り者になった口だし、それ自体を責めるつもりはないわよ。ただ、ホーミーを通報しなかった理由は知りたい。どうして私たちはやられて、ホーミーはやられなかったの?」
オリヴァー「……良心の呵責だ」
パンナ「えっ?」
オリヴァー「俺が犠牲にした5人の共通点。それは、金に困っていないことだ」
千石「ふむ……」
リリィ「……やっぱりね」
オリヴァー「リリィ、千石、ヒメナは、1年以内に逃走成功して、高額賞金を獲得している。根津は、店を繁盛させる夢を、すでに叶えていることを聞いた。パンナは、大富豪のアブラムに貢いでもらっているという情報を得ていた」
パンナ「人聞き悪いわね!」
ペンタ「で、実際どうなん?」
パンナ「少しだけよ、ほんの少し!」
ペンタ「ダイヤ何カラット分?」
パンナ「しつこい!!」
オーガ「……おい、もしかして俺もあんたと関わり続けてたら―――」
オリヴァー「間違いなく狙った」
オーガ「おお……マジか。まあ、映画スターが仲間に紛れ込む裏切り者にやられたってなったら、それはそれで盛り上がりそうだしなぁ。展開としてアリではあるか」
マイカ「ポジティブな考え方……。まさにお金に困ってない人って感じ」
オリヴァー「だから、賞金を獲りたがっていたホーミーを見逃したんだ」
ホーミー「……ありがとう。見逃してくれたおかげで、私は自首できた」
オリヴァー「礼を言われるようなことは、全くしていない」
リリィ「よくわかったわ。答えてくれて感謝してる」
根津「……事情は分かりましたよ」
オリヴァー「……」
根津「そういうゲームだって理解はしてますから、恨んだりはしません。でも、俺だって、賞金を獲ろうとしていた理由はあるんです。だから……」
オリヴァー「……俺からは謝ることしか―――」
根津「今度、『ねづや』に来て、たらふく食べてください!」
オリヴァー「……何?」
根津「店のPRです!店で働いて稼いだお金で、母ちゃんに親孝行するつもりなので。もちろん、オリヴァー少佐が満足する料理を提供しますよ!」
オリヴァー「……」
根津「あっ、もちろん全然、強制ではないので。オリヴァー少佐にもスケジュールやらなにやら、いろいろ事情はあるでしょうし、気を遣うことは―――」
オリヴァー「行くよ、必ず。いつか行ってみたいと思ってたんだ」
根津「……はい!ご来店、お待ちしてます!!」
リリィ「……ふふっ」
現在
オリヴァーは、根津の言った通りに、店に出向いて、たくさん注文したらしい。
もちろん、全品完食だったそうだ。
リリィ「……」
私を含めたほかの4人や、クエスチョンくんに通報された2人は、特に見返りを求めていない。根津は、見返りではなく、店のPRをしただけに留まっている。
あのゲームでの裏切りは、尾を引くことはない。
千石「リリィくん、どうやら宿命のライバルがご到着のようだぞ」
リリィ「えっ?」
千石さんの指さす方を見ると……。
ハル「シドさん、はいこれ。頼まれてた写真です!」
多忙でパーティーに遅れたハルくんが、シドと話していた。
シド「ありがとう、2人にも渡しておくよ」
颯也「それ、なんの写真だ?」
シド「僕とピボっち、ホーミーちゃんで撮った写真だよ。ミッションの時に偶然、『巨大迷宮ステージ』の賞金獲得者3人でスリーショット写真を撮ったから、せっかくだしみんなで持っていようという話になってね。クロノス社に現像を頼んでおいたんだ」
ルナ「へぇ~、いい記念になるわね!」
ハル「画像データもあります。今、クロノブレスに送りますね」ピッ、ピッ
シド「助かるよ、忙しいのに悪いね」
ハル「いえいえ、僕はちょっとしたおつかいをしただけですから」
リリィ「ハルくん」
ハル「あっ……リリィさん!」
2人でお皿片手に、ベンチに腰を落ち着ける。
リリィ「どう、エニグマの調整は?」
ハル「順調ですよ。AIダビンチの余波によるメンテナンス作業も、着々と進んでいます」
AIダビンチがムーンワールドコロニーチャンピオンシップに出現し、ゲームをかき回したことは、クロノス社に大きな打撃を与えた。
グレートチャンピオンツアー後、AIダビンチがストーリーシナプス内の次ステージキャラクターデータに擬態し、事前のチェックを掻い潜っていたこともあり、現在、ストーリーシナプスと関連付けられている過去のゲーム記録等の全データの総チェック作業が、連日行われているらしい。
現在、地球奪還に向けたエニグマの調整も並行して行われている。こちらの仕事は、エニグマ起動時のゲームマスターであるハルくんの担当だ。
ハル「……それで、地球奪還をかけたゲームの挑戦者についてなんですけど……」
ハルくんの顔色が暗い。
リリィ「私が逃走者の候補から外れるだろうって?」
ハル「えっ……!?」
リリィ「図星ね」
ハル「ど、どうしてわかったの……!?」
リリィ「顔色見れば一目瞭然。それに、元から私が選ばれないことは想定内だったから」
ハル「……」
リリィ「私は身体能力が他の人たちより低いし、ハルくんがゲームマスターとして同行する以上、頭脳担当に一枠割くこともないと判断するのは自然なことだと思うわ」
ハル「……ごめんなさい。リリィさんがいれば、たとえマスタールームとゲーム内の通信が断絶されたとしても心強いって、推薦してはみたんだけど」
リリィ「謝ることないわ。私が行けないのは悔しくはあるけれど、クロノス社の判断は妥当だと思う。それに……」
リリィ「私はみんなが、故郷を奪還してくれるって信じてるから、安心して任せられる」
逃走中に出場したての頃であれば、「有事なら他の人よりも私が」……って、前に出たがっていたかもしれない。
でも、今は違う。頼りになる仲間がいるという実感がある。
私にできないことを、できる仲間がいる。私たちの命を預けられる仲間がいる。
たとえ疑心暗鬼に陥って一時は翻弄されても、心の奥底では信じ合うことが出来るような仲間が。
だから、信じて送り出す。月世界の未来を……そして地球の未来を託して―――
The story is never ending...
- おまけ ( No.38 )
- 日時: 2025/05/26 22:31
- 名前: TDR (ID: kOmP6qDh)
〇投稿開始前に行った「長く残ってほしい・活躍してほしい逃走者アンケート」における得票数
※1人5票まで
アンケートに回答してくださった11名の方、ご協力いただきありがとうございました。
6票:ピエタ
5票:ピーボディ
4票:ジャイロ、パンナ
3票:クレア、シド、ヒメナ、ペンタ、マイカ、リリィ
2票:オーガ、カラハリ、ライパチ、ダイナ、ホーミー、リンセン
1票:幻霧、マリン
〇オリジナルウォークライの説明
・神獣スレイプニル
パンナの「猪突猛進に目標を目指しながら、他の逃走者からのキャリーを頼る」本質が顕在化した、8本脚の軍馬を模したウォークライ。神話では、オーディンが騎乗する。
パンナを乗せ、驚異的な加速と速度で直線を駆ける。その超スピードから、曲がるのは不得意。
パンナ本人は普段キャリー頼りのため、このウォークライを滅多に使わず、能力もいまいち分かっていない。もしかすると、上記以上の能力があるかもしれない。
・ノーム
ジャイロの「目的のためなら対象を徹底的に追い詰める」本質が顕在化した、大地をつかさどる精霊・妖精を模したウォークライ。
群体であり、正確な数はジャイロ自身でも数えたことがないため不明。探し物や探し人を、その数を活かして探し出す。
ノームの言葉はジャイロ本人にしか伝わらないが、周りの人間には「ジャイロ」と言っているように聞こえているため、最初に使ったときはペンタにからかわれた。この時の経験をきっかけに、ジャイロは鬨の声が聞こえても無視することが多くなった。
余談だが、ノームはラテン語で「金属魔(デーモン)」と言い換えて説明されたことがある。
・大天使ラファエル
ピーボディの「常に上を目指し続ける」本質が顕在化した、三大天使のうち一人であり、儀式魔術の照応体系で「風」に関連付けられている天使を模したウォークライ。
突風ともいえる上昇気流を足元に発生させ、自身が真上に上昇した後、背中にある大きな両翼で滑空する。
クライミングの際に上を目指しやすくなり、万が一落下しても安心の能力だが、ピーボディ本人は自らの身体能力だけで上に登りたいと思っており、使う頻度は少ない。
・エレボス
オリヴァー少佐の「静かに隠遁生活を送りたい」本質が顕在化した、闇の神を模したウォークライ。
10秒程度だけ、オリヴァーがその場にいないものと錯覚させる。視覚だけではなく、すべての感覚を錯覚させるため、オリヴァーに触れている感覚もなくなる。
ハンターの視界からも消えるが、クロノス社に発信している逃走者の生体反応は消えないため、例えば今回のドローンのように、クロノブレスの生体反応と連動したものがあれば、エレボスの影響を受けない。