二次創作小説(新・総合)

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逃走中 グレートディストラスト(完結)
日時: 2025/05/25 22:23
名前: TDR (ID: kOmP6qDh)

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 WARNING 注意

・この作品は「もしもアニメ『逃走中 グレートミッション』の逃走者が、本家バラエティと似た空気感で、Netflix版のような疑心暗鬼のゲームに挑んだら」というコンセプトのもと作られています
・各キャラクターに対する独自解釈を含みます
・気を付けていますが、キャラ崩壊の可能性があります
・アニメでウォークライ未使用だったキャラクターが、この作品オリジナルのウォークライを使用する場面があります
・ハンターは本家のような個体番号ではなく、A・Bなどを付けて識別しています

 以上を踏まえてご覧ください
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ムーンワールドコロニーチャンピオンシップの開催2週間前。
A7コロニーの代表も発表されていない中で、クロノス社からの招待状により、29人の逃走者が集められた。
挑むのは「裏切りの巨大迷宮ステージ」。逃走エリアは、2024・某巨大商業施設。
無人の迷宮で、逃走者たちはこれまでにない心理戦を強いられる。
裏切り、絆、疑心、謀略、欲望、信頼……。
それぞれの思惑が交錯するゲームで、ハンターから逃げ切り、高額賞金を獲得する者は現れるのか!?


 逃走者(五十音順)
園城えんじょう マイカ
オーガ クリスタル
オリヴァー フォックス
カイ ブルーム
カラハリ シュウ
クエスチョンくん
クレア サマーズ
シド フェニックス
ジャイロ デーモン
進心丸しんしんまる すすむ
セイラ ピーボディ
千石せんごく 城太郎じょうたろう
ダイナ アレキサンドロス
タロット 幻霧げんむ
チャマ ハスラー
兎桜とざくら マリン
トラヴィス ロウ
根津ねづ 忠太ちゅうた
パンナ ラヴ
ピエタ バローネ
ヒメナ ヴィクトリア
フェザリー ギバー
フォルト ヤング
ペンタ バッカーナ
マジカル ホーミー
ライパチ(神堂しんどう 雷八らいぱち
ランゴ メイザー
リリィ ボーン
リンセン

ミッション6-1 ( No.29 )
日時: 2025/05/16 23:40
名前: TDR (ID: kOmP6qDh)




   35:02
 $1,739,600





ゲームは残り35分。賞金は174万$を超えた。


ハンターC「……」


ハンターは5体。捕まれば、賞金は0……。





シド「どこか休める場所は……」


ここまで走り続けているシド。体力の回復を図る。


ハンターB「……」


その近くに、ハンター……。


シド「……またハンターだ」ダッ


ハンターB「……」


ハンターは、シドに気づいていない。


シド「ハァ、ハァ……」タッタッタ


ハンターA「……」


しかし、向かう先に、別のハンター……!


シド「……こっちにまで」ダッ


ハンターA「……!」ダッ


今度は、見つかった……。


シド「ハァ、ハァ、ハァ」タッタッタ


曲がり角を曲がり、距離をとる。


ハンターA「……」タッタッタ


  【SEARCH MODE】
     [ + ]


ハンターA「……?」タッタ……


ハンターの視界から外れた。





シド「ハァ、ハァ、ハァ……まったく、大スターは人目もハンターの目も引き付けて困る……」


またしても走らされ、疲労困憊だ……。





ジャイロ「残り9人中、復活した3人以外の6人の中に、裏切り者2人。人数が減って、票を集めるのも難しくなってるが、投票だけはしておくべきか?」


ジャイロはゲームの終盤に来て、裏切り者候補への投票を考え中だ。


ジャイロ「とりあえず、警戒心強めだった少佐にでも投票しておくか。消去法でいくと一番怪しい」


 ピッ





オリヴァー「……」


クロノブレス[VOTE:1]


オリヴァー「そろそろ消去法で怪しまれる頃合い。だが、信用は2つ目のミッションで、擬態ハンター放出を阻止したことで稼いでいる。まだ粘れる」


オリヴァー、1票入れられてもまだ余裕だ……。










 牢獄


根津「…………」


フェザリー「根津、大丈夫?」


根津「……人間不信になりそうです……」


フォルト「おいおい、元気出せって!」


進心丸「今度、『ねづや』でたくさん注文させてもらうから、それでひと稼ぎしてくれ!」


マリン「私たちも、また『ねづや』行くよ!」


カラハリ「酒池肉林、このゲームの大々的な打ち上げでもやろう」


根津「ありがとうございます、皆さん……」


ねづやの常連たち、総出の励ましだ……。


リリィ「根津さん、誰にやられたの?」


根津「オリヴァー少佐です」


クレア「うわぁ、また幻霧の裏切り者の占い当たってる」


幻霧「ふふふ……」


リリィ「ここまで当たると、もう1人も当たってそうね。占いで名前が挙がった人で納得だし」


マイカ「もう1人の裏切り者、全然動いてないけど、どうするつもりなんだろうね」










 クロノス社


月村「さあ、このゲームのラストミッションだ。準備はできているな?」


ヤマト「バッチリです!」


ハーヴェスト「このミッションが来て、オリヴァーはどうするかしらね?もう十分なほど稼いでいるけれど。もう1人の方は……ここで重い腰を上げるのかしら」


月村「誰にとっても、このミッションは勝負どころになる。選択1つで、ゲームの結果は大きく変わる」


アンナ「各種ハンター、起動します!」


月村「ラストミッション、発動だ!」










 ジジジ……


ハンター×20「「「「「……」」」」」

ハンター×20「「「「「……」」」」」

ハンター×20「「「「「……」」」」」

ハンター×20「「「「「……」」」」」

ハンター×20「「「「「……」」」」」


エリアに、合計100体のハンターが転送され……。





???ハンター「……」ピピッ


エリア5か所で、特殊なハンターが起動した!










   32:43
 $1,767,400





 プルルルル


ピエタ「……『ミッション|エリアに100体のハンターが転送された』」


ピーボディ「えっ、また!?」


ジャイロ「『残り10分になると放出される』……残り10分か……」


千石「『阻止するには、エリア5か所にあるハンターゾーンで、暗証番号が書かれたカードを入手し』……ハンターゾーン?」


ヒメナ「『各ハンターゾーン前の装置に暗証番号を打ち込まなくてはならない。1か所につき20体ずつハンター放出を阻止できる』……何、ハンターゾーンって?」


リンセン「『また、1か所放出を阻止するごとに、報酬として、全員の賞金にボーナス20万$が加算される』……」


オリヴァー「『なお、ハンターゾーンで待ち受けるハンターは、特殊な能力を持つハンターだ』……」










 ミッション 100体のハンター放出を阻止せよ

エリアに100体のハンターが転送された。残り10分になると放出される。
阻止するには、エリア5か所にあるハンターゾーンで、暗証番号が書かれたカードを入手し、各ハンターゾーン前の装置に暗証番号を打ち込まなくてはならない。1か所につき20体ずつハンター放出を阻止できる。
また、1か所放出を阻止するごとに、報酬として、全員の賞金にボーナス20万$が加算される。
なお、ハンターゾーンで待ち受けるハンターは、特殊な能力を持つハンターだ。










ジャイロ「放出阻止のクリア報酬20万$×3=裏切り者が逃走者1人犠牲にした時の報酬、か……。高額ではあるが、そう考えるとなかなか渋いな」


100体すべてのハンターの放出を阻止すれば、賞金ボーナス100万$を獲得できる。


ボーナスが賞金に加算されるのは、残り10分ちょうどだ。





チャマ「ハンターゾーンがまるで『皆さんご存じ』みたいに書いてあるけど、聞いたことないな……。なんだよ、ハンターゾーンって?」


ハンターゾーンは、狭いエリアにハンターが密集する、危険なエリア。


ここまで逃げ延びた逃走者でも、そう簡単には突破できない……!





リンセン「特殊な能力を持つハンターに勝って、大量ハンター放出を阻止できなければ、1か所失敗するごとに20体のハンターが放出される……そういうことだな」


なお、100体のハンターの放出場所、ハンターゾーンの場所、各ハンターゾーンで待ち受ける特殊な能力を持つハンターは、逃走者に告げられている。





 100体のハンター
 → moriエリア2階・立体駐車場

 1.パワースーツハンターゾーン
 → moriエリア1階・立体駐車場

 2.擬態ハンターゾーン
 → moriエリア2階・スポーツショップ内

 3.パルクールハンターゾーン
 → moriエリア外・駐車場

 4.ダミーハンターゾーン
 → moriエリア3階・ゲームセンター内

 5.ワイルドハンターゾーン
 → kazeエリア一帯(出入口2か所)





シド「また擬態ハンターの名前を見るなんてね……」





ヒメナ「あっ、パルクールハンターなんてのがいる!これは私がやるしかないね」


ヒメナは、自身の専門分野と同じ特殊能力であるパルクールハンターとの対決へ。





ピーボディ「名前を見ても、能力の詳細が分からないハンターもいるけど……」


ピエタ「ひとまず、近場のところに向かうのが良さそうか?」


ピーボディ「じゃあ、ワイルドハンターゾーン行ってみる?」


ピエタ「ああ、行こう」


ピーボディとピエタは、ワイルドハンターゾーンに向かう。





チャマ「……行ったほうがいいよな、ミッション」


ここまでミッションは人任せだったチャマ。


ここに来てようやく、ミッションに動くかを悩み始めた。


 プルルルル


チャマ「えっ、電話……?」ピッ


電話の相手は……。


千石『チャマ、今はどのあたりにいる?』


千石だ。


チャマ「moriの1階だけど……」


千石『その場所なら好都合だ。今回のミッション、手分けをしなくてはすべてクリアできないが、少人数で向かうとクリアできずに人数のみ減らすことになり得る』


チャマ「なるほど……」


千石『そこで、私とリンセン、チャマの3人で、まず1か所のクリアを狙わないか?そしてその後に、2か所目・3か所目を考えるんだ』


チャマ「……リンセンも?」


千石『リンセンは、先ほど連絡を取った』





 数分前


リンセン『……チャマの動きを制限したい?』


千石「ああ。今、裏切り者である可能性が最も高いのは、ミッションの貢献度から言ってチャマではないかと考えている」


リンセン『俺はそうは思わない。チャマは、俺と二人行動の時に、俺を確保しようとしなかったんだ』


千石「おお、そうなのか。それは少し可能性が下がった」


リンセン『とはいえ、3人でミッションに挑んで、確実にハンター20体の放出を阻止するのは賛成だ』


千石「ありがとう、ではチャマに連絡を取る」





 現在


千石『まずは、moriの1階にあるパワースーツハンターゾーンをクリアする』


チャマ「……わかった、俺もそこに向かうよ」


チャマ、ついにミッションへ!


千石『ありがとう。では、あとで合流しよう』


 ピッ


チャマ「千石とリンセンは、復活した2人だから裏切り者じゃないし……信用できる。1人で動くより不安じゃない」


勇気を振り絞り、動き出す……!





オリヴァー「ハンターゾーンの場所は、すべて明かされている。つまり、待ち伏せは容易ということだ」


裏切り者・オリヴァー。ミッションのクリアよりも、賞金ボーナス優先だ……。


オリヴァー「まるで暗に『やれ』と言われているようなのが癪だが、元からやるつもりだったからな」


一貫して、自分の利益だけを狙う……!





シド「ここから近いのは、ダミーハンターゾーンか……」


疲れがたまっているシド。それでも、ハンターゾーンへと向かう。


ジャイロ「これ、全部クリアするのは無理だろ。残り10分切って、賞金ボーナス反映されたら自首するか……」


ジャイロは、早々にミッションを諦め、自首を考え始めた。


シド「……う……」


ジャイロ「……ん?あれは、シド?」


シド「ハァ…………」


ジャイロ「おいおい、大丈夫かシド。顔色悪いぞ」


シド「……ジャイロか。見苦しい姿を見せてしまったね」


ジャイロ「疲れてんのか。ここは休んで、他のやつらに任せておけ!」


シド「ダメだ。僕がやらないと」


ジャイロ「何そんな、責任背負ってんだよ……。逃げ切るつもりなら、無理する必要ねーだろ」


シド「……今回は、颯也やシグマ、スネークがいないだろ?」


ジャイロ「……ああ」


シド「だから、僕が頑張らないとダメなんだ」


ジャイロ「そんなことは―――」










シド「でないと、僕は彼らに勝てないままだ」










ジャイロ「……は?」


ドローンカメラの拾わないほどの小さな声で、シドは続ける。


シド「彼らはスターだよ。僕よりも後に逃走中に出始めたのに、あっという間にスターになってしまった。一方で、僕は成績低迷……。スターとして、このままじゃいけないんだ。今日は僕が主役だって、見せないといけないんだよ」


ジャイロ「……それで、無理してでも、全力で走り続けるって?」


シド「それがこのゲームでの目標だったんだ。僕に期待してくれているファンに、僕はスターであることを証明するために。一度も折れずに走り切らなくちゃならない」


ジャイロ「……ハァ。テメーのプライドが理由か。その状態で1人で行っても無駄死にかもしれないってのに、しょうがねー奴だ」


シド「……ああ、そうだよ。しょうがないプライドさ」


ジャイロ「……まあ、そのプライドのおかげで、俺は後半戦に進めたわけだが……」


ジャイロは、3つ目のミッションでシドとペアを組み、シドの囮もあって、100体のハンターを回避している。


シド「任せてくれ。それじゃあね―――」





ジャイロ「チッ、気が変わった!俺もついて行ってやる!」





シド「えっ……?」


ジャイロ「1人で行くより2人で行った方が、ハンターの放出阻止できるだろ!」


シド「それはそうだけど……てっきりキミは自首するものだと」


ジャイロ「どうせこっちは自首ボックスの方向だ!それに、クリアすれば賞金ボーナスも獲得できるからな!」


満身創痍のシドを見て、心変わりしたジャイロ。


2人で、ダミーハンターゾーンへと向かう……!





リンセン「……よし、来たな」


チャマ「よ、よう……」


千石「すぐ揃って良かった」


リンセン・チャマ・千石が合流し、パワースーツハンターゾーンに挑む……!


リンセン「このゲートの先が『パワースーツハンターゾーン』だそうだ」


千石「看板があるな……」





看板[2体のパワースーツハンターのうち1体の背中にある二次元コードを、ドローンのカメラで読み込めば、暗証番号を獲得できる]





チャマ「2体もいるのかよ!?」


千石「どんなハンターかは分からずじまいか……」


リンセン「またドローンを操作するらしい」


チャマ「よ、よし、さっき操作は覚えたぞ……!」


千石「覚悟はいいな?3人で入るぞ」


ボタンを押すと、ゲートが開閉する。


チャマ「お……おう!」


リンセン「いつでも問題ない」


千石「よし……」


 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ハンターゾーン、突入……!





チャマ「ハンター、どこだ!?」


千石「あれじゃないか?」


パワースーツハンターA「……」


パワースーツハンターB「……」


まるでロボットのようなパワースーツを着たハンター2体が、3人を待ち受ける……!


チャマ「全然動かないじゃんか……」


リンセン「視界には入っているはずなんだが……」


パワースーツハンターA「……」


パワースーツハンターB「……」


どちらのハンターも、動かない……。


千石「近づいたら動き出すと見た。慎重に背中側に回るぞ」


リンセン「了解した」


3人ばらけて、ゆっくりと背中側に近づく……。


ハンターゾーンである立体駐車場の中では、障害物としていくつか壁が設けられている。


チャマ「こ、これどっちに二次元コードが―――」


パワースーツハンターA「……!」ギギッ


 グアッ


パワースーツハンターが、チャマに向かって手を伸ばす!


チャマ「うわっ!?」ドタッ


尻もちをついて、偶然ハンターの手をかわした……!


チャマ「あ、危ねぇ~!」ズザザザ


そのまま後ずさり……。


千石「リーチがある分、機動力に難があるようだ。そこをつけば、勝てない相手ではない!」


3人は、パワースーツハンター攻略なるか!?





残る逃走者:9人
オリヴァー、シド、ジャイロ、千石、チャマ、
ピーボディ、ピエタ、ヒメナ、リンセン

ミッション6-2 ( No.30 )
日時: 2025/05/18 21:50
名前: TDR (ID: kOmP6qDh)





   26:47
 $1,838,600





100体のハンターのうち20体の放出を阻止するため、パワースーツハンターのいるハンターゾーンに挑む、リンセン・千石・チャマの3人。


リンセン「1人はハンターを引き付けたほうがいい。その間に、2人がドローンを操作して回り込ませるんだ」


千石「よし、チャマ!ハンターを引き付けてくれ」


チャマ「えっ、俺ぇ!?」


リンセンと千石は、障害物である壁に隠れて、隙を窺う……!





パワースーツハンターA「……」ギギギ……


パワースーツハンターB「……」ギギギ……


2体のパワースーツハンターは、逃走者の確保を狙いつつ、ドローンを背中に回り込ませないように動く……!





チャマ「こ、こっち見ろぉ!!のろまどもぉ!!」


チャマ、ハンターを引き付けるために近づく……!


パワースーツハンターA「……!」ギギッ


チャマ「ぎゃああ!!」ダッ


リンセン「よし……!」ピピピ


ドローンLINSEN[ + ]フォンフォン


パワースーツハンターA「……」ギギギ……


リンセン「……こっちのハンターは二次元コードがない!」





千石「ならばこちらか!」


パワースーツハンターB「……」ギギギ……


チャマ「お、おい、こっちだって言ってんだろぉ!!」


パワースーツハンターB「……!」ギギッ


 ブンッ


パワースーツハンターが腕を振る!










チャマ「うわあああ!!」バッ


間一髪、かわした!


千石「今だ!」ピピピ


ドローンSENGOKU[ + ]フォンフォン


パワースーツハンターB「……」ギギギ……










ドローンSENGOKU[023]ピピッ


千石「023と出たぞ!」


千石、暗証番号を獲得!


リンセン「了解、脱出だ!」ダッ


チャマ「ひいいいい!」ダッ


3人は、ハンターゾーンを脱出へ!





 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


チャマ「はぁ、怖かったぁ~!」


リンセン「千石、番号を……」


千石「ああ、ゲート前の装置に打ち込めばいいんだったな」


 ピッ、ピッ、ピッ


認証装置[023]


千石「エンター……!」


認証装置[認証]ピピッ





 ミッションクリア





千石「これで20体放出阻止だ!」


チャマ「めちゃくちゃ疲れた……」


リンセン「ナイスだ、千石!チャマもよく頑張った!」


無事に1人も欠けることなく、ミッションクリア!





ハンター×20「「「「「……」」」」」ジジジ……


20体のハンターが消滅。放出が阻止された!





千石「さて、切り替えて、次に向かうハンターゾーンだが……」


チャマ「ま、まだ行くのかよ……!」


千石「最初からそういう話だっただろう?」


リンセン「パルクールハンターゾーンと擬態ハンターゾーンは、どちらも木の広場方面だ。フロアが1つ違うだけで、かなり近い場所にある。狙うならそちらじゃないか?」


千石「そうだな。向こうの2か所を狙いに行くか」


チャマ「勘弁してくれよ……もう厳しいって」


休憩の時間はない……。





シド「ここか、ハンターゾーン……」


ダミーハンターゾーンまでやってきた、シドとジャイロ。


ジャイロ「……ゲートの中見ろよ。ダミーって言葉どおりの光景だ」


シド「……なるほどね」





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」


ハンターゾーンであるゲームセンターの中には、ダミーハンターが30体と……。


ハンターK「……」


ハンターL「……」


本物のハンターが2体いる。





シド「どうやってダミーを見分けるんだ?」


ジャイロ「サングラスの縁が赤いやつらがいる。そいつらがダミーだろう。いちいち見て判断してる余裕はなさそうな数だが……」





看板[30体のダミーハンターと2体のハンターを避け、ハンターゾーン内のどこかにある、暗証番号が書かれたパネルを見つけろ。なお、ダミーハンターは逃走者を確保する機能はなく、追いかけもしない]





シド「パネルに書かれた番号を覚えて、装置まで戻ってくるってことか」


ジャイロ「作戦とか考えるようなミッションじゃなさそうだな。短時間での勝負だ」


シド「そうだね。正面突破といこう。右と左、どっちに行く?」


ジャイロ「じゃあ、右に行く」


シド「なら僕は左だ」


ジャイロ「体力もちそうか?」


シド「……なんとかね」


シドとジャイロ、危険なダミーハンターゾーンに挑む……!


ジャイロ「じゃあ、ボタン押すぜ」


シド「頼むよ」


 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ハンターゾーン、突入……!





ジャイロ「無事にまた会おうぜ!」ダッ


シド「ああ!」ダッ





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ジャイロ「うじゃうじゃいやがる……」タッタッタ





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

シド「パネルはどこに……」タッタッタ





 ~~~♪


ゲームセンターの中は、ゲーム音が鳴り響いている。


ハンターK「……」


ハンターが走り出しても、気づくのは難しい……。





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

シド「やっぱり奥の方に―――」タッタッタ


ハンターL「……!」ダッ


シド、見つかった……。


シド「―――ハンターだ!!脱出する!!」ダッ


ハンターL「……」タッタッタ





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ジャイロ「ハンターって聞こえたような……?今、シドが追われてる?」





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

シド「ハァ、ハァ……」タッタッタ


 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


シド「ハァ、危なかった……」タッタ……


ゲート[CLOSE]ウィン……


ハンターL「……」タッタ……


ハンターに捕まる前に、無事に脱出だ……。


シド「ジャイロ!!ゲート前にハンター1体いるぞ!!」





 ~~~♪


ジャイロ「パネルは奥にありそうだが……」タッタッタ


シドの声は、ジャイロに聞こえていない……!





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ハンターK「……」


ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ハンターL「……」





ジャイロ「もしシドが追われたなら、俺が番号を見つけるしかねぇ」





  ―――せ……





ジャイロ「だが、長居すると危険……」





  ――――のだ……





ジャイロ「あー、わかったよ、うるせーな!やりゃいいんだろ、賭けに出てやる!」ゴソゴソ


ジャイロが懐から取り出したのは、クライトリガーだ……!


ジャイロ「博打だが、ここで勝てば高額賞金獲得って考えりゃ、分が悪い賭けじゃねぇ!」










  鍵を挿せ……


  鍵を挿すのだ……





     👁





  W A R C R Y


  W A R C R Y


  W A R C R Y





  【GNOME】





ジャイロ「ノーム、出てこい!!」


ノーム1「ジャイロ」

ノーム2「ジャイロ」

ノーム3「ジャイロ」


ノームたち「「「「「ジャイロー!」」」」」


どこからともなく、手のひらサイズの小人が、無数に現れた!





ハンターK「……」ピピッ


ハンターL「……」ピピッ


ウォークライは、ハンターを呼び寄せる……!





ジャイロ「ったく、出たがりやがって……出たからには仕事しろ。20秒だ。20秒で、暗証番号の書かれたパネルを見つけるんだ!」


ノーム4「ジャイロ」タタタタタ

ノーム5「ジャイロ」タタタタタ

ノーム6「ジャイロ」タタタタタ


小人たちが、ハンターゾーンに散らばっていく!


ジャイロ「せめて鳴き声が俺の名前じゃなけりゃなぁ……」


ジャイロはしゃがみ込んでその場に留まり、周りのハンターに集中する……。


この場所は三叉路。ハンター2体が来ても、挟み撃ちは回避できる……!





ノーム7「ジャイロ」タタタタタ


ノーム8「ジャイロ」タタタタタ


ハンターK「……」





ノーム9「ジャイロ」タタタタタ


ノーム10「……ジャイ?」タタタ……










パネル[761]


ノーム10「ジャイロー!」


小人が、暗証番号を発見……!


ノーム10「ジャイロー!」


ノーム11「ジャイロー!」


ノーム12「ジャイロー!」


小人伝いに、その位置が伝えられる……!





ジャイロ「……ん?あったか!?」


ノーム13「ジャイロー!」


ジャイロ「……761だな!」


ジャイロにだけは、小人の言葉が伝わる……!


ジャイロ「よし、あとは脱出するだけ……!」





ノーム14「ジャイロー……」シュウウ……

ノーム15「ジャイロー……」シュウウ……


役目を終えた小人たちが、消えていく……。





ジャイロ「ハンターはまだ来てない―――」


ハンターK「……!」ダッ


ジャイロ「チッ!」ダッ


見つかった……。


ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ジャイロ「ハァ、ハァ」タッタッタ

ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ハンターK「……」タッタッタ


ダミーハンターの隙間を抜け、逃げる……!


ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ハンターK「……?」


ハンターの視界から外れた。


ジャイロ「ハァ、ハァ」タッタッタ

ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ハンターL「……!」ダッ


しかし、別のハンターに見つかった……!





シド「……ジャイロが来た!」





ダミーハンター「……」

ダミーハンター「……」

ジャイロ「よし、脱出―――」タッタッタ


ハンターL「……」タッタッタ


ジャイロ「―――うおお!?」ダッ





シド「走れ、ジャイロ!!」


シド、ジャイロが来る前にボタンに手をかける!





ジャイロ「おらああああ!!」タッタッタ




















 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ジャイロ「だあああああ!!」タッタッタ


ゲート[CLOSE]ウィン……


ハンターL「……」タッタ……


ジャイロ、ギリギリで脱出成功!


ジャイロ「ハァ、ハァ、すまねぇ、助かったぜ……」


シド「気にしないで。番号は見つけた?」


ジャイロ「ああ、761だ……!」


シド「よし、じゃあ装置に打ち込んで……!」


 ピッ、ピッ、ピッ


認証装置[761]


シド「エンター押しなよ、キミの功績だ」


ジャイロ「んなもんいいよ、シドが押してくれ……俺は息を整える……」


シド「いいのかい?それじゃ……」


認証装置[認証]ピピッ





 ミッションクリア





シド「これでミッションクリアだ!」


ジャイロ「ハァ、よーし……」





ハンター×20「「「「「……」」」」」ジジジ……


シドとジャイロにより、20体のハンター放出が阻止された!





シド「ジャイロはこの後、自首だろう?僕は擬態ハンターゾーンに行くよ」


ジャイロ「はぁ!?マジで言ってるのか!?今、かなり走ったところなのに!」


シド「逃走成功するためには、すべてのハンターゾーンを突破しないといけないからね」


ジャイロ「信じられねぇ……1つ突破できりゃ十分だろ。残りは、ほかの奴らに任せりゃいいんだ。そこまで付き合わねーぞ!」


シド「構わないさ。一緒に挑んでくれて、本当に助かったよ。それじゃ……!」タッ


シドは1人、擬態ハンターゾーンへと向かう……。


ジャイロ「……」


自首ボックスは、ジャイロのいる場所から、およそ60m。


擬態ハンターゾーンは、自首ボックスの反対方向だ……!


ジャイロ「……自首するぞ、俺は。残り10分まで待って賞金ボーナスも―――」


ハンターE「……」


ジャイロ「!」ダッ


ジャイロの近くに、ハンター……。


ハンターE「……」スタスタ


ハンターは、自首ボックスのある方向へ……。


ジャイロ「……チッ、これじゃすぐには自首できねぇじゃねーか。まだシドに付き合えってか?」


ジャイロ、シドの向かった方向へ歩き出す……!


ジャイロ「このミッションをすべてクリアすれば、ボーナス100万$……。さっきも賭けに勝ったんだ、ここも賭けに出るかぁ!」ダッ





ピエタ「あれがゲートだな」


ピーボディ「またここに来ることになるとはね……」


ピエタとピーボディ、ワイルドハンターゾーンであるkazeエリアの、moriエリア側のゲートに到着。


なお、このハンターゾーンは、アウトレット側にもゲートと認証装置がある。


ピエタ「看板がある。なになに……」





看板[3体のワイルドハンターと蜘蛛糸を避け、ハンターゾーン内のどこかにある、暗証番号が書かれたパネルを見つけろ]





ピーボディ「蜘蛛糸って書いてるってことは、もしかしてワイルドハンターって……」


ピエタ「グレートチャンピオンツアーに出てきた、改造ハンターのことか?」


ピーボディ「うわぁ……あいつらなんだ……」


ピエタ「まさか、リベンジマッチの機会をくれるとは」


2人はグレートチャンピオンツアーで、ワイルドハンターに確保されている。


ピエタ「スリリングな勝負になりそうだ。心の準備は?」


ピーボディ「大丈夫、バッチリ」


ピエタ「よし、行くぞ」


 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ハンターゾーン、突入……!





ピエタ「……ん?」


ピーボディ「……これかぁ、蜘蛛糸って」


ハンターゾーン内であるkazeエリアは、大量の蜘蛛糸が縦横無尽に張り巡らされている。


ピエタ「復活ミッションの時までは、こんな内装じゃなかったんだが……」


ピーボディ「糸には触れないようにしないとね……」


この糸は、触れたものに張り付き、簡単にはちぎれない。逃げている時に足をとられれば、一巻の終わりだ。





ワイルドハンターA「……」


ワイルドハンターB「……」


ワイルドハンターC「……」


ハンターゾーンには、3体のワイルドハンター。


このハンターは、蜘蛛糸を放ち、逃走者の動きを止めようとする……!


この恐怖のゾーンを、2人は突破できるのか!?





残る逃走者:9人
オリヴァー、シド、ジャイロ、千石、チャマ、
ピーボディ、ピエタ、ヒメナ、リンセン

ミッション6-3 ( No.31 )
日時: 2025/05/19 22:15
名前: TDR (ID: kOmP6qDh)





   23:01
 $1,883,800





60体のハンター放出まで、残り13分。





ヒメナ「ここって、さっきはセーフティコンテナあったのに……」


ヒメナがやってきた駐車場には、セーフティコンテナ8基の代わりに、パルクールハンターゾーンが広がっている。


ヒメナ「障害物多いし、配置からしてもパルクールしやすそう!」





看板[1体のパルクールハンターを避け、ハンターゾーン内に落ちている6枚のカードを拾え。当たりのカードには、暗証番号が書いてある。]





ヒメナ「1体だけ?じゃあ、私だけでもイケるんじゃない?」


パルクールハンターは、1体。パルクーラーのヒメナにとっては、余裕か……?


ヒメナ「とはいえ、ここは慎重に。少しだけ人を待ってみよう」


ほかの逃走者の到着を待つようだ。





ピエタ「ハンターをどこかに引き付けてるうちに、番号を探したい」


ハンター放出を阻止するべく、ワイルドハンターゾーンに挑む、ピエタとピーボディ。


ピーボディ「先にロックオンされた方が、ハンターを引き付ける役ってことで」


ピエタ「ああ、そうしよう」


2人は離れずに動く……。





ワイルドハンターA「……」


ワイルドハンターC「……」


エリアには、蜘蛛糸を出す、3体のワイルドハンター……。





ピーボディ「暗証番号が書かれたパネル、あるなら上の方の階かな……」


ピエタ「1階は牢獄ある分狭いし、あるなら2階か3階の可能性が高そうだ」


慎重に移動する……。


ワイルドハンターB「……」


2人に迫る、ワイルドハンター……!


ピエタ「……正面からハンターだ」ダッ


ピーボディ「!」ダッ


ワイルドハンターB「……!」ダッ


見つかった……。


ピエタ「二手に分かれるぞ!」タッタッタ


ピーボディ「うん、追われた方が引き付け役ね!」タッタッタ


ワイルドハンターB「……」ダダダダダ


ハンターが視界に捉えたのは……。




















ピエタ「俺の方か……」タッタッタ


ピエタだ……。





ピーボディ「ピエタの方に行った。今のうちに番号探さないと……」


ピーボディは、この隙に暗証番号を探す……!





ピエタ「ここを曲がって、上に行ければ……」タッタッタ


先ほど、復活ミッションでkazeエリアを逃げているピエタ。





ワイルドハンターB「……?」ダダ……


糸を出される前に、ハンターを振り切った……!





ピエタ「あのハンターをエリア端まで連れてきたし、十分だろう。3階探して、また合流するか」


エリアの構造把握はバッチリだ……。





ピーボディ「一度、1階を探しておいた方がいいかも……」


ワイルドハンターA「……」


ピーボディの向かう先にも、ワイルドハンター……!


ピーボディ「―――いた!」ダッ


ワイルドハンターA「……!」


 プシューッ


ピーボディ「危ない!」バッ


吐き出された糸を避け、止まったエスカレーターを降りて1階へ!


ワイルドハンターA「……」ダダダダダ


ピーボディ「ハァ、ハァ……」タッタッタ





パンナ「ピーボディ、追われてるわね」


階下には牢獄がある。


モニターには、ちょうどハンターに追われるピーボディが映し出されている。


ピーボディ「ハァ、ハァ……」タッタッタ


牢獄の近くを、ピーボディが通過……。


フェザリー「ピーボディ来た!」


マリン「ダメだ、そっちには行くな!!」


ピーボディ「え―――」タッタッタ


ワイルドハンターC「……!」ダッ


逃げた先に、もう1体……!


ワイルドハンターA「……」ダダダダダ


挟まれた……。





クレア「ピーボディ!!」


ピーボディ(クレア……!)


マリン「そんな……!」


カラハリ「……!」


フェザリー「ああっ……!」


ピーボディ(マリン、カラハリ、フェザリー……!)


ピエタ「―――あっ、マジかピーボディ!」


ピーボディ(ピエタ……!)





ピーボディ(励ましてくれたみんなの前で……捕まるわけにはいかない)










ピーボディ(諦めない!夢を勝ち取るためにも!!)










  鍵を挿せ……


  鍵を挿すのだ……





     👁





  W A R C R Y


  W A R C R Y


  W A R C R Y





 ゴオオオッ


突風が吹き荒れる!


マイカ「わっ、風!?」


ダイナ「ここは屋内だぞ……!」


牢獄にも、強風が吹きこむ……!


ワイルドハンターA「……」ダダ……


ワイルドハンターC「……」ダダ……


クレア「……えっ、ピーボディは!?」


ハンターに挟まれたはずのピーボディの姿が消えた。


マリン「―――そうか、上だ!」


マリンの指さすモニターの映像では―――





大きな両翼を背中につけ、まるで天使のような衣装となったピーボディが、宙を舞っていた!





 【RAPHAEL】





ピーボディ「大天使 ラファエル!!」





 バサッ


吹き抜けを通り、1階から2階まで飛び立って羽を広げ、滑空する!





ワイルドハンターA「……」ギシギシ


ワイルドハンターC「……」ギシギシ


ワイルドハンター2体は、糸を伝い、2階へとピーボディを追う……!





ピーボディ「おっとと……」タッ、タタ……


滑空から着地し、羽をたたんで、ハンターを引き付けたままゲートへ向かう。


ピーボディ「……!」タッタッタ


ワイルドハンターB「……!」ダッ


またしても正面から、3体目……!


ピーボディ「―――なら、もう一度!」


 プシューッ


吐き出された蜘蛛糸が迫る……!


ピーボディ「はあっ!!」





 ゴオッ





ワイルドハンターB「!」


蜘蛛糸をも吹き飛ばす突風で、急上昇!


ピーボディ「天井危ない……!」バサッ


羽を広げて滑空し、はびこる蜘蛛糸を避けながらゲートへ!


ワイルドハンターA「……」ダダダダダ


ワイルドハンターC「……」ダダダダダ


ワイルドハンターB「……」ダダダダダ


ピーボディ「間に合え……!」タッ、タタ……




















 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ピーボディ「よし!」


ピーボディ、ハンターゾーンを脱出!


ゲート[CLOSE]ウィン……


ワイルドハンターA「……」ダダ……


ワイルドハンターC「……」ダダ……


ワイルドハンターB「……」ダダ……


ワイルドハンターを3体とも引き付けることに成功した……!





ピーボディ「ハァ、ハァ……やった……!」シュウウ……


両翼は消え、元の衣装に戻った。


ピーボディ「捕まらないよ……簡単にはね……!」





ピエタ「よくやった、ピーボディ!」ダッ


ピーボディのウォークライを見ていたピエタは、ワイルドハンターがいないうちに、急いで3階で暗証番号を探す。





 プルルルル


千石「『ミッション途中経過|クリアされたハンターゾーンは、パワースーツハンターゾーン・ダミーハンターゾーンの2か所。残りは3か所だ』」


リンセン「あと10分で3か所か……」


チャマ「これ、全部クリアしようとして、間に合うもんなのか?」


千石「3人で向かうより、2:1で別れた方がいいかもしれないな。パルクールハンターゾーンには、おそらくヒメナが向かっているだろう。1人の方は、ヒメナとの合流を目指そう」


3人で行動していた千石たちは、二手に別れる作戦に変更するようだ。


チャマ「2対1なら俺は2の方がいいよ。一時的にでも、1人じゃ不安だ」


千石「ちょうどいい、もとよりチャマが2人組の方のつもりだった」


チャマ「えっ、ありがたいけど、なんか複雑……」





ピエタ「すぐこっちに戻って来るだろうし、急がないとな……」タッタッタ


ワイルドハンターゾーンを駆け回るピエタ。暗証番号が見つからない。





ワイルドハンターC「……」


ピーボディが引き付けた3体のワイルドハンターは、まだmoriエリア側のゲートの近くにいる。





ピエタ「……ん、あれは?」


パネル[189]


ピエタ「暗証番号!」


ついに、暗証番号を発見!


ピエタ「ピーボディに連絡しよう」





 プルルルル


ピーボディ「……ピエタ?」


 ピッ


ピエタ『暗証番号は189だ!きっとゲート前にいるだろう?打ち込んでくれ!』


ピーボディ「オッケー、ありがとう!ハンター3体とも、まだmoriエリア側のゲートの近くにいる。無事に脱出してね!」


ピエタ『了解した!』


 ピッ


ピーボディ「えっと、装置は……これね、1、8、9……」


 ピッ、ピッ、ピッ


認証装置[189]


ピーボディ「で、エンター」


認証装置[認証]ピピッ





 ミッションクリア





ピーボディ「よし!」





ハンター×20「「「「「……」」」」」ジジジ……


これで、さらに20体のハンター放出が阻止された!





ピーボディ「ありがとう、ピエタ……!」





ピエタ「あとは脱出すればいいだけ。アウトレットに行こう」


ピエタは、ワイルドハンターを避け、もう1つのゲートへと向かう。





ワイルドハンターB「……」


ワイルドハンターC「……」





ピエタ「たしか、こっちだったはずだ」タッタッタ


ワイルドハンターA「……」


ゲートに近づくピエタに、ワイルドハンターが迫る……!


ピエタ「……いるなぁ、ハンター」


ワイルドハンターA「……」


ハンターに気づかれず、ゲートまでたどり着けるか?





千石「早急に組み分けを決めよう、時間がない」


リンセン「じゃあ、俺とチャマが擬態ハンターゾーンに。パルクールハンターゾーンは、千石刑事に任せても?」


千石「ああ、それでいい」


チャマ「お、おし!」


千石「では、任せたぞ」ダッ


千石、単身でパルクールハンターゾーンへ。





ヒメナ「メール見る限り、あと3か所も残っていて、時間もない。これは私1人でやるしかないか」


そのパルクールハンターゾーンの前にいるヒメナ。


ミッション途中経過のメールを見て、単独でミッションに挑む!


ヒメナ「それじゃ早速、ゴー!」ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……





 プシューッ!


ヒメナ「えっ、何!?」


ドライアイスの演出だ……。


パルクールハンター「……」ダンッ


パルクールハンター、空中で1回転し着地……!


ヒメナ「おおー」


パルクールハンター「……!」ダッ


パルクールハンターは、足の速さよりも立体的な動きに長けている。


ヒメナ「おっ、いい動き!」タタッ


障害物をうまく使い、ハンターと一定の距離を保つ。


ヒメナ「これか、カード……」パシッ


足元のカードを1枚拾った。


パルクールハンター「……」グンッ


ヒメナ「鉄棒の使い方上手いね!」バッ


ハンターの急接近を、余裕しゃくしゃくでかわした!


ヒメナ「でも、私の方が上手い!」グルッ


距離を保ちつつ、カードを拾いに動く。


ヒメナ「2、3……!」パシッ、パシッ


移動した先にあるカードを、立て続けに拾った!


パルクールハンター「……」


 ダンッ


パルクールハンター、大ジャンプ!










ヒメナ「よっと!」ダンッ


ヒメナもジャンプで、ハンターをかわす!


ヒメナ「いったん出よう!」タッ





 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ヒメナ「3枚ゲット!」


ゲート[CLOSE]ウィン……


パルクールハンター「……」


まったく苦戦することなく、6枚中3枚のカードを拾った!


ヒメナ「楽勝だったね!」


しかし、拾ったカードに暗証番号が書かれていなければ、意味がない。


ヒメナ「表面に白いシール貼ってある。剥がせばいいのかな?」


シールを剥がしたカードに暗証番号が書いてあれば当たり、何も書いていなければハズレだ。


ヒメナ「まず1枚目……」ベリッ










カード[ ]


ヒメナ「ハズレかな?じゃあ2枚目……」ベリッ










カード[ ]


ヒメナ「うわ~、ハズレ。次でラスト」


3枚目のカードに暗証番号が書かれていなければ、またハンターゾーンに入り直しだ。


ヒメナ「お願い、番号あって!」ベリッ










カード[385]


ヒメナ「やった!」


最後のカードが、当たりのカードだ……!


ヒメナ「3、8、5、と」


 ピッ、ピッ、ピッ


認証装置[385]


ヒメナ「エンター!」


認証装置[認証]ピピッ





 ミッションクリア





ヒメナ「オッケー、それじゃ次に向かおうかな!」





ハンター×20「「「「「……」」」」」ジジジ……


早くも、4か所目のハンターゾーンをクリア、これで残るハンターは20体!





ヒメナ「ミッション終了まであと7分ちょっとか。近いところに行ったほうが良さそう」





ピエタ「……」


ワイルドハンターA「……」


ワイルドハンターの隙を窺う、ピエタ。


ワイルドハンターA「……」


ピエタ「……今だ」ダッ


ワイルドハンターの背後をつき、ダッシュ……!


ピエタ「来てないな……」タッタッタ





 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ピエタ「脱出成功!」タッタ……


ピエタ、アウトレット側のゲートから、ハンターゾーンの脱出に成功!


ピエタ「もう少しスリルがあっても良かったかもなぁ」





順調に大量のハンターの放出を阻止し、危険なエリアを攻略していく、逃走者たち。




















オリヴァー「……」


その逃走者を、裏切り者のオリヴァーが狙う……!


オリヴァー「……いた」サッ


逃走者の誰かを目視し、身を潜める……。


オリヴァー「―――が、―――にいます」


通報に動いた……!





ヒメナ「どこのハンターゾーンが一番近い?」


ピーボディ「ピエタ、もう脱出したかな……」


ピエタ「ここからだとほかのハンターゾーンは遠い。みんなに任せるか」


通報されたのは、誰だ!?





残る逃走者:9人
オリヴァー、シド、ジャイロ、千石、チャマ、
ピーボディ、ピエタ、ヒメナ、リンセン

ミッション6-4 ( No.32 )
日時: 2025/05/21 21:42
名前: TDR (ID: kOmP6qDh)






   16:54
 $1,957,200





オリヴァー「―――が、―――にいます」


裏切り者のオリヴァーが、通報に動いた……!





ピーボディ「ピエタがこっちのゲート来るかもしれないし、動かない方がいいよね……」


ピエタ「ピーボディに連絡取っておかないとな」ピッ、ピッ


ヒメナ「一番近いのは……擬態ハンターゾーンかな」




















ドローンHIMENA[ALARM]ブーーーッ!!


ヒメナ「えっ、また!?」


通報されたのは、ヒメナだ……!





ハンターA「……!」ダッ


ハンターC「……!」ダッ


アラームの音を聞いたハンターが、ヒメナの確保へと向かう!





千石「……アラームの音だ。誰かが通報されている」





チャマ「お、おい、どっかからアラームの音するぞ!」


リンセン「騒ぐんじゃない。俺たちは、自分のやるべきことをするだけだ」





ヒメナ「どこから見てるんだろう、裏切り者……」タッタッタ


ハンターA「……」タッタッタ


ヒメナ「うわ、来た……」ダッ


パルクールハンターゾーン周辺は、開けた駐車場。パルクールが出来るような障害物は少ない……!


ヒメナ「ハァ、ハァ……」タッタッタ


ドローンHIMENA[ALARM]ブーーーッ!!


ハンターC「……」タッタッタ


逃げた先に、もう1体……!


ヒメナ「えっ、ちょっと待って!」ダッ


ハンターC「……!」ダッ


ハンターA「……!」ダッ


挟み撃ちだ……。


ヒメナ「嘘でしょ……」





 ポン!

 16:25 ヒメナ ヴィクトリア 確保
           残り8人





ヒメナ「最悪……こんなところで……」


抜群の身体能力を持っていても、挟み撃ちでは早々逃げ切れない……。





オリヴァー「……よし」


オリヴァーは、遠くからヒメナの確保を見届けた。


オリヴァー「これで5人目、ボーナス合計270万$……。十分だ、自首をする」


十分な賞金ボーナスを稼ぎ、ついに自首へと動く……!





 プルルルル


シド「ヒメナちゃんまで通報でやられるなんて……」


ジャイロ「おーい、シド!」


シド「……ジャイロ?自首はどうしたんだい?」


ジャイロ「考え直して、自首じゃなく、高額賞金ボーナス獲得にベットした。俺もハンターゾーン行くことにしたぜ」


シド「それは心強い……」


シドとジャイロが合流し、ともに擬態ハンターゾーンへと向かう。





リンセン「この店の中が、擬態ハンターゾーンだそうだ」


チャマ「スポーツ用品店の中にあるんだな……」


リンセンとチャマが、擬態ハンターゾーンに到着。


チャマ「……ゲートの奥、ハンターいる気配しないぞ?人っ子一人見えない」


リンセン「看板がある、読んでみよう」





看板[3体の擬態ハンターを避け、ハンターゾーン内のどこかにある、暗証番号が書かれたパネルを見つけろ。なお、擬態ハンターは店に並ぶ商品などに擬態している]





チャマ「し、商品に擬態!?」


リンセン「逃走者だけでなく、物にも化けられるのか……」


擬態ハンターは、ハンターゾーン内のどこかで商品などに擬態し、逃走者を待ち受けている……。


チャマ「マジかよ、どうやって避けりゃいいってんだ!?」


リンセン「入ってみて、その場その場で判断していくしかないだろう」


チャマ「そんな難しいことできないって……」


リンセン「ここで喋っていても仕方ない。覚悟はいいか?」


チャマ「全っ然!!」


リンセンとチャマ、擬態ハンターゾーンへと突入する……!


リンセン「……行くぞ」


 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


ハンターゾーン、突入……!





チャマ「は、ハンター、出ておいでー?」





 シーン……





チャマ「ずっと出てこなくてもいいぞー……?」


リンセン「なるべく通路の真ん中を通ろう。ハンターが棚から手を伸ばしてきても、届かないかもしれない」


慎重に、歩を進める……。


制汗剤[……]


タオル[……]


チャマ「商品、全部怪しく見えてきた……」


ウェア[……]


マネキン[……]


リンセン「全方位に意識を向けるんだ」


チャマ「お、おう―――」




















マネキン「……」ギギ……


チャマ「―――!!」


マネキン「……!」バッ


チャマ「ぎゃあああああ!!」ドタッ


よろけたチャマ、ギリギリで擬態ハンターの手をかわした!


擬態ハンター(マネキン)「……」ズズズ……


マネキンが、ハンターの姿へと変わっていく……!


リンセン「!?」


チャマ「に、逃げろおおおおおお!!」ダッ


リンセン「あ、ああ!」ダッ


二手に分かれて逃げる……!


擬態ハンター「……」タッタッタ


チャマ「こっち来るなああああ!!」タッタッタ


視界に捉えたのは、チャマだ……!





リンセン「ハァ、ハァ……さすがに焦った」


リンセンは、擬態ハンターから距離をとり、様子を窺う。


リンセン「マネキンに擬態していたのか。たしかに擬態するならうってつけ―――」





 ポン!





リンセン「!?」





 15:01 リンセン 確保
       残り7人






リンセンの背後に……。


擬態ハンター(シューズ)「……」ズズズ……


シューズに擬態した、擬態ハンターだ……。


リンセン「……そうだよな、人型のものに擬態しているとは限らない」


一瞬の油断が、確保へとつながる……。





チャマ「ああああああ!!」タッタッタ


 ポチッ


ゲート[OPEN]ウィン……


チャマ「ああっ、だっ!!」ドタッ


ゲート[CLOSE]ウィン……


擬態ハンター(マネキン)「……」タッタ……


チャマは、足がもつれながらも、ハンターゾーンを脱出……!


チャマ「ハァ、ハァ、心臓に悪すぎる……」


 プルルルル


チャマ「メール……えっ!?リンセン!?」





リンセン「チャマ、後は頼んだ……」


リンセンの確保で、チャマは孤立してしまった……!





チャマ「お、俺一人でどうしろって言うんだよ!千石刑事に連絡取るべきか……!?でも、通話は向こうの邪魔することになるかもしれないし……」





千石「アラームの音が聞こえたのは、こちらの方向だったはず……」


千石は、アラームを鳴らした裏切り者を見つけるべく、アラームの鳴った方向へと来ていた……!


千石「未だに通報をやめない裏切り者を、検挙しなくてはならないようだ……」


その近くに……。


千石「……ん?」










オリヴァー「……千石刑事か」


通報を続けていた裏切り者、オリヴァー……!


刑事と裏切り者が、顔を合わせる……!


千石「……オリヴァー、このあたりでアラームが鳴っているのを聞いただろう?」


オリヴァー「……ああ、聞いたよ」


千石「ヒメナが通報されたそうだ。周辺に怪しい人物は見かけなかったか?」


オリヴァー「……見かけていないな」


千石「そうか……。ところでオリヴァー」


オリヴァー「……なんだ?」


千石「今現在、裏切り者の候補で残っている逃走者は、5人しかいない。シド・ジャイロ・ピーボディ・チャマ、そしてキミだ」


オリヴァー「…………」


千石「実は、有用な情報を手に入れていてね」





 ミッション開始直後


千石「ピエタに電話しよう」


 プルルルル


 ピッ


ピエタ『千石か、どうした?』


千石「今、どこにいる?もし場所が近ければ、同じハンターゾーンに向かおう」


ピエタ『今、ピーボディとkazeエリアのハンターゾーンに向かうところだ』


ピーボディ『こっちは私たちに任せて!』


千石「そうか、ではそちらは2人で動いてほしい。こちらはほかの逃走者と、近いハンターゾーンへ向かう」


ピエタ『……そうだ、一つ有用な情報をやる』


千石「有用な情報?」


ピエタ『ジャイロだが、俺に触れても確保判定にならなかった。あいつは裏切り者じゃない』


千石「……それは重要な情報だな、助かる」





 現在


千石「現在想定される居場所と、触れても確保とならないという情報から、ヒメナを通報したのは、シドかオリヴァーのどちらかと推理できるんだ」





 千石視点の情報
チャマ→アラームの音が聞こえた時、リンセンと行動している。
ピーボディ→ここから遠い、kazeエリア方面にいると推測される。
ジャイロ→裏切り者ではない確たる証拠がある。
シド→情報なし。
オリヴァー→通報アラームが鳴った場所の近くにいた。





オリヴァー「…………」


千石「オリヴァー。自分がシドよりも裏切り者ではないという証明はできるか?そして、ここにいた理由を説明できるのか?」


オリヴァー「……ハァ」


オリヴァーは、ため息をついた。


オリヴァー「まさか、アラームが鳴っていた方へと来たがる物好きがいたとはな。普通は逆で、離れるものだと思っていた」


千石「……それは、認めたということか?」


千石、クロノブレスに手をかける―――


オリヴァー「止まれ」


オリヴァーが、千石に向かって右手を伸ばす。


千石「…………」


オリヴァー「誰かと通信しようとしただろう?そうはさせない。通信の操作をする前に、俺が先にお前に触れる」


千石とオリヴァーの距離は、およそ2m。オリヴァーが千石に触れた瞬間、千石は確保され、ゲームからリタイアとなる。


千石「…………」


オリヴァー「俺はもう十分稼いだ。今から自首するつもりなんだ。お前を含め、今残っている逃走者を狙うことは、もうしない。ここは見逃して、自首をさせてくれないか?」


千石「……十分稼いだ、か。もう何人も犠牲にした。しかし、これ以上被害は出さないと……そう言うんだな」


オリヴァー「……そうだ」





千石「何人もの被害者を出した犯人の言葉を信じて、目の前にいる状況で逃がすなど、刑事の端くれとしてはできない相談だ」





オリヴァー「……この状況で、よく俺の提案を受け入れない選択肢がとれるな」


啖呵を切った千石。勝機はあるのか……!?





残る逃走者:7人
オリヴァー、シド、ジャイロ、千石、チャマ、
ピーボディ、ピエタ

ミッション6-5 ( No.33 )
日時: 2025/05/22 21:44
名前: TDR (ID: kOmP6qDh)






   14:20
 $1,988,000





オリヴァー「この場は嘘でも『見逃す』と言っておけばいいものを」


千石「……不器用な質でね」


裏切り者のオリヴァーと対峙する千石。


その距離、およそ2m……!


オリヴァー「傭兵と刑事の勝負とでもいこうか?」


オリヴァーが千石に触れれば、千石は確保となり、ゲームからリタイアとなる……!


千石の手は、クロノブレスにかかっている。


オリヴァー「お前が動く前に、こちらがお前に触れる。それで終わりだ」


千石「手元が動けば十分だ」


オリヴァー「何を言っている?通信は操作が間に合わ―――」


千石「すぐに終わらせる」


千石が手元に隠し持っているのは、クライトリガーだ!










  鍵を挿せ……


  鍵を挿すのだ……





     👁





  W A R C R Y


  W A R C R Y


  W A R C R Y





  【GIANT】





千石「ジャイアント!!」


ジャイアント「……」ズズズ……


千石の足元から、巨人の幻影が現れる!!





オリヴァー「巨人……!?この狭い空間で出してどうなる!」


2人がいるのは、木の広場。吹き抜けで天井は高く、巨人は立ち上がることはできるが、動き回ることはほぼできない。


千石「言っただろう、手元が動けば十分だと」


ジャイアント「……」ゴゴゴ……


巨人の腕が、オリヴァーに伸びる。


オリヴァー「くっ、しまった―――」


とっさに両腕でガードしようとするが……。


 ガシッ


巨大な手に握られる形で、羽交い絞めにされてしまった。


千石「ウォークライは、ハンターを呼び寄せる。このまま待って、ハンターに確保させる」





ハンターA「……」ピピッ


近くにいたハンターが、千石とオリヴァーの元へと向かっている……。





オリヴァー「……そんなことをすれば、この場で巨人を操作しているお前も無事では済まないだろう」


千石「覚悟の上だ。先ほどまでの状況では、いずれにしても無事ではなかっただろうからな。ほかに犠牲者が出るくらいなら、自ら犠牲になろう」


千石、決死の道連れ作戦だ……!


オリヴァー「……そうか……」


オリヴァーは微動だにしない。


千石「諦めてくれたのか。それなら良かったよ」


オリヴァー「……今のは、諦めの『そうか』じゃない」


千石「……?」










オリヴァー「『これが、〝ときの声〟というやつか』……という意味だ」










千石「!?」


ガードしようとしたオリヴァーの両腕は、巨人の腕に掴まれていても、クライトリガーを挿せる位置関係にある……!


千石「まさか……やめろ!」











  鍵を挿せ……


  鍵を挿すのだ……





     👁





  W A R C R Y


  W A R C R Y


  W A R C R Y





  【EREBOS】





オリヴァー「エレボス……!!」


 ズズズ……


オリヴァーの周りから、黒い霧が発生し始める!!





千石「エレボス……暗黒や闇をつかさどる神とされている、あの……!?」


オリヴァー「……」ズズズ……


オリヴァーの姿が、完全に黒い霧に包まれた。





 ズズズ……





黒い霧が晴れ、そこには―――


千石「なっ!?」










オリヴァーの姿はなかった。










千石「ば、馬鹿な、どこに!?」


先ほどまでオリヴァーを掴んでいた巨人の手を開き、凝視するが、何もおかしな点はない。


千石は周囲を見渡す。しかし、人影はどこにもない。





ドローンOLIVER[……]フォンフォン





千石「……!」


オリヴァーのドローンが、千石から離れていく……。


千石「そこにいるのか!?」


???「……認識阻害の能力だが、ドローンは位置を把握できるようだな」





 ズズズ……





何もないはずの空間に黒い霧が発生する。


???「10秒程度だけ、『俺がその場にいないものと錯覚させる』らしい。視覚だけじゃなく、すべての感覚を錯覚させる。触れる感覚もなくなる」


千石「……!」





 ズズズ……





霧が晴れ、オリヴァーが現れた。


オリヴァー「巨人の手を開いてくれて助かったよ」


オリヴァーは、消えた時点では、巨人の手に握られたままだった。


しかし、認識が阻害された千石は、オリヴァーが消えたことに驚き、巨人の手を開いてしまった。


千石「逃がすか……!」ダッ


オリヴァー「捕まるより先に、捕まえてみろ」ダッ


ハンターA「……!」ダッ


千石「!」


ウォークライで呼び寄せられたハンターが、千石を視界に捉えた……!


オリヴァー「……」タッタッタ


千石「くっ、こんな……!」タッタッタ


ここは、直線だ……。


ハンターA「……」タッタッタ





 ポン!

 13:30 千石 城太郎 確保
         残り6人





千石「こんな形で、取り逃がすなど……!」





オリヴァー「……今回も俺の勝ちだ」


ゲーム序盤に千石を通報し、確保させていたオリヴァー。


千石相手に、本日2勝目だ……。





千石「……あとは、キミに託すしかないようだ」


千石、2階を見上げる……。





チャマ「……マジかよ……」


2階には、直前まで真上の擬態ハンターゾーンに挑んでいた、チャマだ……!


チャマ「オリヴァーが裏切り者……千石まで捕まった……」


チャマは、事の一部始終を見ていた……。


チャマ「あ、あいつ自首するって言ってたもんな!放っておいても大丈夫だろ!は、はは……」










チャマ「それじゃ、気を付けてな!」


根津「チャマさんも、気を付けて!」










チャマ「……でも、あいつが根津たちを犠牲に、賞金稼いだんだよな」


オリヴァーは、ここまで5人を犠牲に、合計270万$の賞金ボーナスを獲得している。


チャマ「根津のことを想ったら、そんなの許せないけど……」


仲を深めた根津が被害者となったことに、心を痛めていたチャマ。


チャマ「あっ、じゃあ、他のやつらと一緒に、オリヴァーに投票集めたら―――」


???「おい、シドはどうなんだ?」


チャマ「!」サッ


何者かの声を聞き、とっさに隠れる。





ジャイロ「誰が裏切り者だと思う?俺たちの中に2人いるはずだろ?」


シド「うーん、そうだね……」


声の正体は、擬態ハンターゾーンに向かっていたジャイロとシドだ。


シド「候補は僕たちを入れて5人しか残ってない。その中で2人となると……チャマと少佐が怪しいと思うよ」


チャマ「……!」


ジャイロ「だよな。俺とシドは違うし、ピーボディも違いそうだ。となると、消去法でその2人になる」


チャマ「…………」




















チャマ「バレてる……俺が裏切り者だって……」


チャマは、ここまで動きを見せていない裏切り者だった……!





 ミッション1


チャマ「う、裏切り者……!?」


最初のミッションの最中、裏切り者の誘いを受けていたチャマ。


チャマ「よ、よくわかんないけど、別になったことで損はないよな?誰も通報しなきゃいいだけなんだから……」


特に大きな理由なく裏切り者になり、一度も通報には動いていなかった……。





 ミッション2


チャマ「裏切り者ってバレたら困るって……。誰か擬態ハンター放出させてくれ……!」





 ミッション4


チャマ「強化ミッションって言ったって、通報する気のない俺には関係ない……」


その後も、まったく動く気はないまま、ゲーム終盤を迎えていた……。





 現在


チャマ「この状況で、オリヴァーに投票集めようとしても、信用してもらえないかもしれない……」


千石はオリヴァーによる通報や確保で捕まっておらず、通常の確保メールが送られたため、チャマが先ほどの対決について話しても、信じてもらえない可能性がある。


チャマ「……まさか、俺が……俺が一人でやるしかないのか……!?」


オリヴァーを止めるのか、それとも放置するのか……?


全ては、チャマの選択次第……!


チャマ「無理だろ、そんなの……やっぱり、自首するって信じて放っておいた方が……」










千石「何人もの被害者を出した犯人の言葉を信じて、目の前にいるこの状況で逃がすなど、刑事の端くれとしてはできない相談だ」










チャマ「…………」










チャマ「めちゃくちゃ疲れた……」


リンセン「ナイスだ、千石!チャマもよく頑張った!」










チャマ「……何やってんだろうなぁ、俺。覚悟決めて、逃走中出たんじゃないのかよ……。何か変わるかなって思って、ミッション挑んだんじゃないのかよ……。1人だと、何もできないってか……?」


チャマ、オリヴァーが向かっていた方向へと歩き始める。


チャマ「俺は、変わる。オリヴァーは、俺が止める……!!」


ついに、覚悟を決めた……!





オリヴァー「……」


ハンターC「……」スタスタ


慎重に自首ボックスを目指すオリヴァー。遠くにハンターを見つけて隠れる。


オリヴァー「捕まったら意味がない。急いては事を仕損じる」


自首ボックスに、たどり着けるか……?





ジャイロ「裏切り者の候補、投票で脱落させてやろうぜ!俺たち2人にピーボディかピエタのプラス1票ありゃ、即脱落だ!」


シド「僕は投票する気はないよ」


ジャイロ「えっ、なんでだよ。今、脱落させないと、終盤で狙われるかもしれねーぞ?」


シド「問題は、どっちがここまで犠牲を出しているか、だよ。トラヴィスやパンナちゃんみたいに、誰も犠牲にせず終わった裏切り者もいた」


ジャイロ「あー、たしかに、残りの2人のうち片方だけが通報しまくってるのか、両方がそれぞれ通報してるのかは見えてこねーな……」


シド「誰も通報してない人を、投票で脱落させたくない。だから、確たる証拠がない限り、僕は投票しないことにしてる」


ジャイロ「そうか……そういう考え方もアリか」


シド「……話してるうちに着いたよ」


シドとジャイロ、擬態ハンターゾーンに到着。


ジャイロ「ハンター放出まで、残り2分……。時間との勝負だ」


シド「擬態ハンターに見つかったら、ゲートに引き付けよう」


ジャイロ「了解だ」


20体のハンター放出まで、残り2分。


ここをクリアできるかどうかで、ゲーム終盤の結果が大きく変わる……!





残る逃走者:6人
オリヴァー、シド、ジャイロ、チャマ、ピーボディ、
ピエタ


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