恋物語 作者/椿希

第6話 恋の傘
桜神は、午後の授業は、まったく耳に通らなかった。
「おいっ!!」
「・・・・・・・・・」
「おいっ!!」
「・・・・・・・・・?」
「おーいっ」
「・・・・・・・・・!!き・・・桐谷!!」
「お前反応遅すぎ。授業中ずっーとボーっとしてたな。部活大丈夫か?」
「うん・・・・。まぁ、何とか。」
「お前は、剣道部のムードメーカーなんだからな。
いなかったら、さびしいだろ。」
「う・・・・・ん。あとでね。」
「・・・・・・・・?」
「おーうーりっ!!」
「石島なら、もういったよ。」
「そっか。ならいいや。・・・」
(・・・・・あっ、優衣おいてきちゃった。謝っておかないと。まぁいいや。ここで待ってよう。)
「桜神~!!!!」「!!!あっ!!ごめんねおいてっちゃって・・・。」
「だいじょうぶだよ。それよりどうしたの?げんきないよ。」
「そうっ?いつもどうりだよ!よぉーしいくぞっ!!!」
ザザザ~
桜神たちの住む地域では、今日から梅雨入りしたため、昼間の太陽は、うそのように雲に包まれ、雨に降られていた。
「はぁ・・・・・雨か。折りたたみでも持って来れば良かった。」
「お前傘ないのか?貸してやるよ。」
「え・・・ぇっ・・・・いいの?お前風邪引くよ。」
「いいんだよ。部活の前に言っただろ。」
「まぁ・・・・・うん・・・。」
「ほいよ。明日返せよ。」
「う・・・・・・・・」
勇杜は、桜神が返事し終わんないままいってしまった。
「あとでメールしておこう。」
1週間後 期末の日
「ふわぁぁあぁぁぁ・・・・・」
「どうしたん?桜神。」
「いやぁ、昨日徹夜で猛勉強してたから、眠くて眠くて・・・。」
「どうして?桜神は、十分勉強出来るじゃん。」
「いやぁ、ひかりや、愛花、晴茄とは、ちがうよ・・。」
こつ~ん!!
「おはよ~う!!」
「・・・・・・・・・・空夏。」
「あら、だめだった?」
「空夏。うちは、徹夜で勉強して、ものすごく眠いんだから!」
「ほらいった・・・。桐谷と期末勝負するんだから、たいへんなんだよ。」
「・・・・・・・・・・ごめんね。」
「まぁ大丈夫。」
「桐谷。忘れてないよな。」
「ああ。わすれてないよ。」
「よし。勝負だ!!!」
「喜んで!!」

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