恋物語 作者/椿希

第7話   夏祭りの誘い



 期末の勝利を飾ったのは、やっぱり桜神だった。
学年一位を2度連続でとったのと、5,6位を転々としている勇杜とは、差がありすぎるだろう。

 ある真夏日のことだった。
1学期も終わりかけ、最高の季節になろうとしていた。
依然と、舞羅の桐谷へのアプローチは、日に日にも衰えていこうとしなかった。
そして未咲もついに、大変なアプローチを始めたのだった。
桜神は、まだ、桐谷が好きだとひかりたちに打ち明けていなかったため、一人での攻防は、難しかった。

 そして、一学期が終わり、町内の夏祭りの季節が近づいてきたのだ。
桜神は、自分の部屋で、ゲームをしたり携帯で遊んでいたりしていた。
突然
「You are mail」
  という着信ボイスがなったので
恐る恐るメールの差出人の欄を見てみた。

 「・・・?えーと『桐谷 勇杜』・・・!桐谷?!」
桜神は、
「どうせ勉強のことでメールしたんだろう」
              と 思っていた。

 でも一応中身を見てみた。
こんな内容だった。

 『おっす。いま暇だからメール送ってみた。
勉強もはかどらなくて・・・・。
部活もないしな。
そうだ。今度の夏祭り、一緒に行かねえか??
どうせ暇だろ。五十嵐とか誘って来いよ。
そうだ。いっそのこと、剣道部(一年だけ)で行くか。
そうだ。そうしよう。そのほうが面白いしな。
じゃぁ。返事必ず遅れよな。』

 「・・・・・・・」
驚きで、桜神は、声も出なかった。
ちょうど、夏祭りは、晴茄、愛花、ひかりたちと一緒に行く約束をしていた。
でも、せっかくだから、行っちゃおうと思った。
「こんな運命人生に一度しかないっっ!!」
とでも思ったのだろう。