恋物語 作者/椿希

最終話   終わった夏



  「ハァ・・・・・・・・・」
 今日は、まだ夏休みです。ですが、登校日です。

 

「・・・・・・・・・ハァ。」

桜神は、浮かない顔して空を見上げていた。

(せっかくの、登校日なのに・・・・・。桐谷と会うなんて・・・)

まだ、桐谷のことは、すきだ。でも、うれしくない、どちらかというと嫌だ。

「・・・・・・嫌だ・・・・。学校」

 ドンッ!!!!

「ウギャッ!!」
「なに寝言見たいなこと言ってんの!!」
「だって・・・・・・・」
「だってじゃないの!!夏休み中何かあった?」
「・・・・・あったといえば、あったけど・・・・。」
「やっぱあるじゃん!!なにがあったの?」
「・・・・・いえない・・・。」
「いってよ・・・!!」
「いえない・・・・」
「いえってんだろ!!」
「無理っていってんでしょ!!!晴茄!!」

    ガタンッ!!
ダダダダダダダダ・・・・・

        図書室

(ここにいると、やっぱ、落ち着くなぁ・・・・。)
        ガラガラッ!!

「・・・・・・ここにいると落ち着くな・・・・・・。」

 

「!!!!!!」
 桜神は、持っていた本を床に落としてしまった。

    バサバサッ

「!!誰かいるのか? きっと、石島だろ。」
(えっ!!何でうちだとわかるの??)

「なぁ。石島桜神?」
「うっわぁぁぁぁぁぁ!!き、桐谷!!!」
「やっぱ。そうだな。そういえば、この前の返事考えてくれた?」

(この前って・・・・・。あのこと?いやぁ・・・・・そのことは、思い出したくなかったのに・・。)

あのこと、そのこととは、桐谷に告白されたこと。まぁ。あたしも告白したんだけどね。

「そいで。どうだ?」
「うん・・・・・・・。まぁ。いいけど。」
「そっか。あとでまた、メールするよ!!」
「あっ!!桐谷???・」

なぜか、テンション高いのが気になってしょうがなかった。でも、もっと気になったことがあった。

「ねぇ!!」
「・・・・?」
「桐谷!!あたしたち、付き合うの?」
「・・・・・・・本格的には、来年から、今は、隠れて付き合おう。」
「・・・・・・・・・・・・・・わかった!!よろしくね!!」
「ああ。わかった。よろしくな!!!」

こうして、勇杜&桜神は、付き合うことになった。
これも、みんなが、引き合わせてくれたおかげだと思う。
と、桜神は、心の中で思っていた。

「みんな、ありがと!!」
            と。