恋物語 作者/椿希

第9話  こくりマス!!



 桜神は、どうしようかと迷っていたことがあった。
(どうしよ。せっかく桐谷と2人なのに、こくらないのは、もったいない。
でも、ふられたら怖いよ・・・(TOT)でも勇気ないしな・・・・。
どうしよ・・・。
あれ、いつものうちじゃない・・・・。
いつもなら、勇気がわいてくるはずなのに、今日はマイナス志向ばっか。
どうしたんだろ。もう焼けくそだっ!!こくっちゃえ!!)

「あのっ!!」
「あの・・!!!」

「ほぇ???まぁ・・・・お先どうぞ。」
「いや。石島からでいいよ。」
「いいや。桐谷から・・・」

  この繰り返しが、10分ほど続いた。
「ええぃ!!同時に言おう!」
「いいな。それ。」
「いくよ・・・・・・。せぇの!!」

「オレ、お前のことが好きだ!!」 「うち、桐谷のことが好きなの!!」

   カァァァァァァァ・・・・
「もう、伝えること、ない?」
「ん。まぁあるといっちゃぁあるけど。」
「うちも、もう一回。せぇの!!」

 「返事は、ゆっくりでもいいからな。」
 「返事は、未来でもいい。でも必ず!!」

 カァァァァァァァ・・・・・

顔が熱くなると同時に、ふっ切れたような感じがする。

  ボーンボーン

「ぁっ!!9時だ。かえろ。」
「家まで送ってこうか。」
「大丈夫。5分もあれば帰れるから。」
「そっ!!じゃぁ。明日部活でな。」
「ばいばい!!」

     こうして、桜神の夏が終わった。