死に方を知らない君へ。

作者/杏香 ◆A0T.QzpsRU

一章 「理想と現実」-7


台所に着くと、無造作に置かれているビニール袋がまず目に入った。
私はそのビニール袋の近くに行き、袋からお弁当を取り出す。
中に入っていたのはおにぎり2個と、普通のコンビニ弁当、それから箸が一膳だ。
どちらがお母さんの物かは、一目で分かる。
私がおにぎり2個で、お母さんが普通のお弁当だ。
だから私はまずお弁当の方を持って、電子レンジのある方へ向かう。
それから電子レンジのコンセントを挿し、ボタンを手早く押して温める準備をする。
その次に電子レンジの扉を開け、中にお弁当を入れて"あたためスタート"というボタンを押す。

※一時保存(2012/06/20 未完告知あり)