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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*62*
「覚悟!」
拙者は斬心刀を引き抜いて、敵に突進していく。
「そうはいかないわよ」
彼女はかぎ爪を生やし、攻撃してくる。
キン、キン、キン!
拙者の刀と敵のかぎ爪が何度もぶつかり合う。
拙者は敵の技量を今までの攻防で予測する。
彼女は今のところ拙者とほぼ互角…けれど、まだ能力を発動していない。
果たしてどんな能力が発揮されるのか。
「ちょうどおあつらえ向きの天気ね。食らいなさい、電撃!」
その刹那、上空から拙者めがけて電撃が投下された。
「ぐああああああああっ、体が痺れる……!」
「どう?あたいの電気の味は?」
「お主、なかなかの手練れでござるな。さすがの拙者もここは苦戦を強いられそうでござる」
「苦戦どころか、このまま殺してあげるわよ」
「そうはいかぬでござる。秘儀、超速!」
拙者は次々に投下される電撃をかまいたちのような素早さで避けていく。
「拙者の最大の武器、それはスピードでござる。覚悟せよ」
彼女に急接近し、一閃を浴びせる。
「きゃああああああ!」
斬撃にかなりのダメージを負い、爪も折れてしまった。
「拙者の刀は人間を斬ることはできぬが、それ以外なら何でも斬ることができるでござる。
もし、このまま改心しないというのであれば、この刀で斬らせてもらうでござる」
彼女はゆっくり立ち上がり、口を開いた。
「勝負はあたいの負け。殺すなら殺しなさいよ」
「秘儀、華麗米斬り!」
スパァン!
拙者は零殿を駆け抜けた。すると、
「ごめんなさい!もう、こんなとはしません。許してください!」
拙者の斬心刀は妖怪の良心も目覚めさせる効果があるのでござる。
「これからは森で暮らすでござる。何かあったら拙者に連絡をよこすでござるよ」
こうして拙者はまたひとり、妖怪を改心させることができたでござる。
これにて一件落着。