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標的30 主 (神威side)
負け・・・か。不思議と悔しさなどはやってこ無かった。
しかし、馬鹿な負け方をしたな俺は。すられている事に気が付かなかったんだな。
物事を今は、何故か客観的に考えてしまう。もうすぐ死ぬからなのか、それとも、感情的にめんどくさくなったからなのか。あるいは両方か
俺には分からなかった。
「雑魚が」
ボスがそう言ったのが聞こえた。もうすぐ、ボスが俺に向かって銃を撃つだろう。そうしたら俺は死ぬんだな。避ける気さえ起きない。
嗚呼、でもヴァリアーに入れて楽しかった、もう少しヴァリアーで居たかった。それが悔いと言ったものだな
「Complicare manus!!(手を伸ばせ!!)」
誰かが叫んだ途端に俺の手が伸び、引っ張られた。
あの女か・・・・・・
「・・・なぜ助ける。敵だろう」
コイツは何を考えている?負けてその後助けられて、俺を惨めにさせたいのか? それなら助けられない方がましだ。
「私は、クオリティーなんて知らない。でも私に負けたからって殺されるなんて目覚め悪いし。文句は言わせない」
は?何を言っている?赤の他人しかも貴様を殺そうとしたのに何を言っている?
「なぜ助ける!貴様も殺そうとした!!俺はほかにも多くの者を殺した!!ほっとけばいいだろう!?」
何かがフッと弾けた様な気がした。
本当は悩んでいた。このままでいいのかと、軟弱者の仲間のコイツを殺していいのかと、
しかし、ボスには行き場の無い俺をヴァリアーに置いてくれた。
だから俺は、ここまで来れた。
恩義と言ったら堅苦しいが、感謝をしてもしきれないほど感謝している。勿論、ベルやマーモン、ルッスーリア、レb・・・アイツには感謝なんてものは無い。まぁ、三人にも感謝はしている。(レビィ以外)
だから俺は戦ったし、ボスのやる事について行こうと思った。
すると、黙っていたアイツはゆっくりと口を開いた。
「そうかもね、私を殺そうとしたし、沢山の人を殺したかもしれない。でも、私は
人が死ぬ理由は老衰だけでいいと思う。
それがどんな人でも、それに、一瞬で死ぬより長い間生き向く方がよっぽど大変だと思うし苦しいと思う。だから生きろ。」
真っ直ぐ俺を見て言った。優しそうな微笑を浮べ頑張れと言ってくれた。
嬉しかった。生きていいと、言ってくれて嬉しかった。
「はい」
そう言うしか出来なかった。喉にひかっかって言葉が出なかった。
ボスは、ボスだ。大切なお方だ。
しかし、この方は弱い。だから出来るだけこの方を守りたいと思ってもいいだろうか。
そんな時、急に綾乃様は倒れた。
っ!!しまった、此処はアソコではない。力を使えだ使うほど、命の危険性があるというのに俺の為に使われてしまった。
急いで運ばなければ!!