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標的17 強さ
一瞬、別の世界へ迷い込んだのかと、思った。
だってさ、安全大国 日本 でロン毛で強そうで怖そうなオニイサンと沢田達が、戦っているんだよ?
『日本って安全じゃねぇ』理解不能になった私が、一番初めに思った事だった。
あ〜あ、あいつ等、負けそうだなぁ。マフィアって危なすぎるってか、次元を超えてるよね、絶対。
人って、理解出来なくなったら逆に、冷静になるんだね…。初めて知ったよ。
茫然と眺めている。仮にも、私のファミリーが、やられそうなのに。
嗚呼、私ってやっぱり最低だな。静かに嗤った。
でも其れを見られた、あのクレイジーなロン毛の、オニイサンに。
「何だぁ!なに笑ってやがる、テメェェェ!!」
すっげぇ声が大きいな、あの人。声の大きさまで、クレイジ―だ。
呑気に思ってるんじゃなかった。ロン毛のオニイサンが、やってくる。
嗚呼、死ぬのかな?
頭の中では走馬灯ではなく、『もっと生きたい』 という気持ちが駆け回る。
もう駄目だ。そう思ったときに、
「危ない!!遠藤さん!!」
沢田が、割り込んできた。ロン毛のオニイサンの、攻撃があたる。
私の所為で死ぬかもしれない。
ワ タ シ ノ セ イ デ シ ヌ
沢田に、止めを刺そうとするアイツ。もう誰も私の所為で死なせない。
沢田も、獄寺も、山本も、皆死なせない―――!!
「Striga! Nolite transire!(止まれ!!動くな!!)」
するとそいつは、動かなくなった。いや、動けない、私の言葉で。
「!!テメェ何しやがった!!!?」
「言う訳無いでしょ?」
睨みあいが、続く。
そんな中、誰か誰か来た。良かった、あの人だったら大丈夫だ。
ふっと、安堵がやってきて、私は意識が遠くなっていった
あの後何が起きたか、私は知らない。
知っているのは其れに巻き込まれるっていう事だけだった。
・・・・・・強くならないといけないな。