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標的59 本心 (ツナside)
方法が無いなんて・・・俺らは途方に暮れていた。
あの子が嘘を吐いていて・・・遠藤さんはそれを知っていた。
なのに何で…、騙されたままでいたんだろう。
「おい!ダメツナ!!」
リボーンに背中を思いっきり蹴られた。
「いってぇぇぇ!!何すんだよ!!?」
「お前はこんな事で、綾乃の命を諦めるのか?そんな奴じゃないだろう。お前は」
「そうだ・・・!!もしかしたら10代目!!一族では知られてないけど、実は合ったって言う事例なら俺何度か聞きました!!」
「諦め無かったら、絶対何とかなるのな」
そうだ・・・俺一人だったら何も出来ないけど…。俺にはファミリーが・・・大事な仲間がいてくれる!!
もしかしたら、見つかるかもしれない。
「遠藤さんが戻るまでに見つけよう!!」
**
でも、結局見つかる事は無かった。
目の前にいる遠藤さんは見た目は変わらないのに・・・体内が酷く損傷されていて・・・今日が峠かも知れない。と言われた。
何も出来なかった。ファミリーなのに・・・くそ・・・・・・
そんな時に、遠藤さんが弱々しい声で言った。
「一緒にまだ遊びたかったなぁ…ご飯食べて、ゲームして、喧嘩して…、あ、後、沢田が無事に10代目になれる所見たいし、出来れば・・・本当に出来れば結婚して子供が欲しかったなぁ…」
まるで、今日死ぬ。という様な事を言われ、俺達は何も言えなくなった。
まだ生きていて欲しい。そう思ってしまう。
「何で私・・・こんな事なっているんだろうね?沢田達の顔が見れないし、声もよく聞こえないし・・・上手く体が動かないし・・・」
困った様に笑っていた遠藤さんは、崩れるように泣いた。
「嫌だ、嫌だよ!!何で!何で!何で!!私こんな事なっているの!?意味分かんない!!まだやりたい事一杯有るのに!!やっと信じれる大事な仲間が出来たのに!!・・・たくない・・・死にたくないよ…。」
悲痛な叫びだった。諦めたくない。そう言って泣いていた。
ゼェゼェと荒く浅い息をしていた遠藤さんは、顔を手で覆いながら
「私はっ、まだ生きたい・・・!!」
死にたい筈無いんだ。遠藤さんは毎日笑っていた「楽しい」って言って。
絶対に死なせたくない。どうすればいい?どうすれば…
俺の大事なファミリーを助けれるだろう………!!
獄寺君達もそう思っていた。拳を強く固く握っている。
どうにかしたい・・・じゃ無い!!するんだ!