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標的60 復讐者との契約
とうとう、私は走馬灯が見えてきた…。
嫌だ見たくない。まだ生きたい。
そう思ってもお母さんの顔が映し出されていく。
[い〜い?綾乃、貴方は優しい子だから人の為に力を使うかもしれない…そして死ぬかもしれない…もし死にそうになってもまだ生きたいと思った時、この言葉を言うのよ?……………はいっ復唱してみなさい。]
[おかあさん…ラテン語でオネガイ♪]
[文句言わない!!]
・・・う〜ん、場面的にピッタリな走馬灯だなぁ…
藁でも縋りたいし・・・やってみるかな。無茶振りは私の専売特許っていうことで。
私はすぅっと息と吸うと、小さな声で言ってみた。
「Si prega di ascoltare i miei desideri se vendicatore.」
一行目を読むとリボーンさんやディーノが驚き
「Io passo la maledizione che esiste in me. Quindi, si prega di restituire la vita perduta mia」
二行目を読むと獄寺がこっちを凝視し
「Si prega di concedere questo desiderio se ho sentito」
最後の行を読むと沢田と山本が首を傾げていた。何言っているか分かんないんだろう。多分ね
意味は知らないんだ。お母さんの発音だけを聞いて言っただけだから。
ぼんやりと天井を見ていると左横が変にねじ曲がっている様な感じがした。
まさかな・・・と思いながら一生懸命左を向いて見ると…面白い表現で言うと次元の裂け目と云う様なモノの所為でどす黒い者が渦巻いている所と繋がったという様な感じだ。
「お前の願いを叶えに来た。」
「・・・えぇっと、取り合えず、どちら様でしょうか…?」
「ヴィ、復讐者!?」
ヴィンジチェ…?何だいそれは?意味分からん。
「貴様の先祖に貸してやった物を返してもらいに来た」
包帯ぐるぐる巻きの人はそう言って、私の心臓付近に手を突っ込んだ。
傍から見るとグロイだろうなぁ…、痛くないけどさ
そして、すっと何か光るモノを取りだした。光るって言っても黒っぽいんだけど。
「確かに返してもらった。」
そう言いながら、包帯の人は私に白く光る物を手渡してきた・・・がその光るモノは一瞬にして私の中に入っていった。
「・・・?なんだこれって、あれま、体が軽い」
あの死にかけの私がココまで生き返るとは…あれが私の寿命だったのかな?
「え!?本当!!?」「マジか!!?」 「ははっ、スッゲェのが見れたな♪」
そして、ほぼ同時に言っているこの3人。仲良しだな
「おい、何でお前等が解決出来た?」
ヴィンジチェさんにリボーンさんは厳しい目で言った。
あ、私も気になって来たなぁ〜・・・元気になれたしさ。
余裕が出て来たんだよね。余裕が。