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*36*
標的29 XANXUS
「・・・勝者は遠藤綾乃。」
私の勝利が決まった途端そこからチェルベッロ(・・・?)さんの話を聞いてなかった。駄目だなぁ私。そんな時、
「雑魚が」
誰かがそう言った。たった一言。たった一言なのに何故か恐怖を覚えた。
声の主を一目見てみようと思って振り返った。声の主は神威のとこのボスXANXUSさんだった。
この人は『ナニ』?底知れぬ恐怖が外へ外へ出てくる。
確かに神威は吹雪だと思う。でも、XANXUSさんはそれとは別の冷たさだと思った。冷たくしかし荒々しく燃える灼熱の炎そんな感じだ。
あいつ等なんでこんな人と戦っているの?関わったらいけないよこの人とは・・・!!
すると、XANXUSさんは銃だろうか、それを神威に向ける。まさか…!!
やはり、撃った。神威は避けようとせずただ立っていた。きずいているだろう、だが避けない。
「Complicare manus!!(手を伸ばせ!!)」
私が叫んでいた。何故かそう言っていた。神威はその言葉により私の方に手を伸ばした。私はその手をとりこっちに引っ張った。
あと少し、あと数秒遅かったら神威はこの世にはいなかったかもしれない。
「・・・なぜ助ける。敵だろう」
そう言ってこっちを睨む。助けるな そう眼が言っていた。
「私は、クオリティーなんて知らない。でも私に負けたからって殺されるなんて目覚め悪いし。文句は言わせない」
もしかしたら、こいつはもう嫌になったんだろう。生きるのが疲れたんだろう。でも私の所為で殺されるのは我慢ならん。
「なぜ助ける!貴様も殺そうとした!!俺はほかにも多くの者を殺した!!ほっとけばいいだろう!?」
やっぱりそうか、私の首を狩り取ろうとする時、一瞬苦しそうな眼をしていた。こいつは優しいんだ、神をも威圧してしまう位に。
「そうかもね、私を殺そうとしたし、沢山の人を殺したかもしれない。でも、私は
人が死ぬ理由は老衰だけでいいと思う。
それがどんな人でも、それに、一瞬で死ぬより長い間生き向く方がよっぽど大変だと思うし苦しいと思う。だから生きろ。」
頑張れよ。そう呟いた
「はい」
・・・・・・ん?なんか敬語だったような?まぁいっか。
安堵した途端急に視界がだんだんとぼやけてきた、何もかも歪んで見えてくる。
途轍もない吐き気、頭痛が襲ってくる。
まって…まだ、頑張ら、なきゃいけない、から・・・もう少し・・・もう、すこ・・・し
そこからプッツリと、意識が無くなり、暗闇に呑込まれていった。