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標的42 O stulti in populo verbum est
お父さん、お母さんお元気ですか?
私は何時もどうり元気です。まぁ、環境は五月蝿くなったけど(笑)
この一週間は慌ただしく終わってしまったのが驚きです。初めての経験だからだと思います。
ハルと京子ちゃんと花ちゃんとくーちゃん(クロームちゃんのあだ名)買い物に行ったり、沢田の家に行ったり、(沢田のママンはすっごく可愛らしかった!!)ランボとイーピンと遊んだり、(子守とも言うんだけどね…)ファミリーと友達と遊んだり、神威が私に「様」付けで呼んだり(何故?)、家に来てご飯作ってくれたり、家事をしてくれて助かってる。(家事能力ほしい)
と、まぁ楽しくやってるんです。こんな時間を過ごすのって、久しぶりです。
今住んでいる家ってなんと山本とお隣だった。引っ越そうと思ったんだけど、寿司屋が遠くなるから止めました。
今、私の生活は満ち足りています。怖くなる位に。
でも、まだ人を信じるのは怖くって約束の時間ギリギリに行って、本当にいるか確かめたり、遅かったらメールしたりと、最低な行為をしています。私を殺したい、マジで。
でも大好きなんです。内緒にしてね。
また会える時が来るのを楽しみにしています。
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ふぅ、また書いてしまった。届く訳無いのに・・・。
しかも、沢田達に出会ってからのはもう五通は軽く超えた。
父と母が死んでしまってもう何年にもなる。
でも時々寂しくなったり誰かに話したい時、こうやって手紙を書いて紛らわしている。
「・・・あ、書き忘れてたな。本当はいじめられてないって・・・」
そう、黒板に書かれてあったのは真っ赤な嘘。それを沢田達にいうと拍子抜けしたような表情をしていて笑えたんだよなぁ。
今は本当に幸せです。夢物語のように、フワフワしている感覚がして楽しい。こんな日がずっと続けばいいけど・・・無理です時間が足りないです。
もう少しで私の残っている寿命は尽きる。使い過ぎた分けではないけど・・・限界が近い。
沢田達は、少しでも悲しんでくれるのだろうか。でもそれを私は望んでいない。
だから決めたんだ。猫は死ぬ時何処かへ行く。ならば、私は絆も一緒にいた記憶もすべて無くして何処かへと行こう。
奪って何処かへ行こう。可能性の種を統べて潰す。
沢田達の中から私との記憶を奪っていこう。
もう決めた、覆す事なんてもうないだろう。
O stulti in populo verbum est親愛なる人たちへ愚か者からの言葉があります