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FAIRY TAIL 過去魔法 ―完結!―
作者: ハヤチ  (総ページ数: 82ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 流れ星 
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*11*

「グレイー!」

ハッピーが近寄る。
まだグレイは意識があり、立ち上がれる体力もある様だ。

「っはー…、はっあ…伊達に喧嘩してるわけじゃないからな。」

強気な様子にハッピーは安心する。
そしてアイリに向かって叫んだ。

「お前!どうしてグレイを蹴ったんだよ!」
「…腹が立ったのよ…。」

アイリの目が変色していく。
黒から、深紅へ。

「何様よ…ギルドに迷惑かけといてこんな態度だなんて…。」
「何のことだよ!」
「知ってるのよ?氷古龍の事件。」

氷古龍。その単語に、グレイはビクリと体を震わせた。
あの事件はグレイからしたら、忌々しい過去でしかない。

「これから、私達は過去を手に入れる。」
「過去、を…。」
「そして!!」

アイリの声が、耳に響く。

「蘇らせるんだ、――――――」


「!」

それは、あのときの光景の様だった。
背筋が凍る様な、あの時の。


「お前等……………!」
「昔から、恐れられていたんだ。それに、あの人も…」

グレイは歯を食いしばる。
冗談じゃない、やらせてたまるか。

「アイスメイク…!」
「させないよ、キク。」
「……空竜の斬撃。」

無数の風がグレイを切り刻む。
一部、ハッピーにも被害が及んだ。

「っく…!」
「うわあっ!」

ギリギリ手首を斬られなかったが一つ一つの傷は深く、これが手首にと思うとゾッとした。

「アイリ…キク…やめないか。」
「はい。」
「っち…分かったわよ。」

アリアが苦笑いでグレイの肩を叩く。

「君は人質であり、引き寄せ役であり、計画に必要な存在だ。…グレイ。」

グレイは、ギルドの皆を思っていた。


(来るな…頼むからくるなよ…!)



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