完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~
*2*
「そいつ、強いのかー!?」
「いえ、そうじゃなくて…。依頼ですよ、依頼。」
なんだ、とナツはうなだれる。
エルザはその話を詳しく聞こうとするが、少年はもう遠くに居た。
「貴方達は主と契約されました!手紙に内容が書いてありますので、来て下さい!」
「あ、待ってくれ!」
エルザは引き止めようとするが、少年は何かの魔法を使い消えて行った。
「…どうしたものか。」
「決まってんだろ!その依頼うけんぞー!」
「俺は、じーさんに相談したほうが良いと思うぜ。」
「アタシも…。」
ルーシィがグレイの意見に賛成する。
すると、ハッピーがルーシィを呼んだ。
「ルーシィ、依頼の報酬みてー。」
「え?………ほ、報酬がいい!!よーしっ、この依頼を受けるわよ!」
人が変わったかのように元気になるルーシィに、グレイとエルザは呆れていた。
その依頼内容は何だ、と全員が手紙を広げる。
「…よ、読めねぇ…。」
「これ、東洋文字じゃないのよ!グレイ、読んでー!!」
「最終的に俺かよ!」
グレイは半東洋人だ。
それなりの東洋語を大体は理解できるらしい。
『最近、私達の町の近くに恐ろしいほど強いギルドがあります。
そのギルドの名は【風の唱歌】というのですが、人数が少ない。
ですが、一人一人の魔力が異常に高いのです。
どうか、強い者達の力をお借りしたい。』
つらつらとグレイは意味を解読していく。
それを聞き、エルザはフム、と考えた。
「【風の唱歌】と言えば、闇ギルドだな。七年経った今でも強いらしい。」
「三大バラム同盟の候補の一つなんでしょ?」
三大バラム同盟は、闇ギルドの最強を三つ選んだものだ。
【六魔将軍】、【悪魔の心臓】、【冥府の門】。
だが、そのうち【冥府の門】以外は、壊滅したと考えられている。
今は、候補者を決めている状態だ。
「ああ、…そこまで勢力を強めていたのか。」
「コレはー…マスターに相談ね。」
ルーシィは納得する。
だが、ナツだけはまだ納得していない様だ。
「だーかーら!依頼なんだから受ければいいだろー!」
「馬鹿ナツ。」
「んだとこらああ!!」