完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

FAIRY TAIL 過去魔法 ―完結!―
作者: ハヤチ  (総ページ数: 82ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 流れ星 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~

*3*

二話「コントロール」


「じっちゃーん!」

帰ってきて早々、ナツはマスター・マカロフの下へ足を進める。
マカロフは少し酒が入っているのか、酒のにおいがした。

「なんじゃ、ナツ。」
「マスター、この依頼書を見てください。」

ナツの後ろに居たエルザが、少年の依頼書をマカロフに渡す。
その内容を理解したのか、マカロフは少しうなった。

「お前達は自分の力に、自信はあるか?」
「あるに決まってんだろ!」
「アタシはー…、微妙だなぁ…。」
「俺は馬鹿ナツみたいに過大評価しねぇから、わからねぇな。」

グレイの一言に、ナツが言い寄る。

「それどういう意味だ変態野郎。」
「まんまの意味だよ、わかんねぇのかクソ炎。」

二人の悪態で二人がキレ、喧嘩が勃発した。
それをエルザの拳が止める。

「やめんか!…私はこの魔法を信頼します。」
「そうか…。」

それぞれのバラバラな答えに、マカロフは頷く。

「こやつ等は、一人につきギルド一つを潰す力を持つ。」
「ええ!?嘘でしょ!!」
「ルーシィ〜、ここで嘘ついても意味ないでしょ?」
「知ってるわよ!」

ハッピーの腹が立つ答えは、ルーシィを苛立つかせた。
ミラジェーンがまぁまぁ、となだめさせる。

「それでも、自信はあるんじゃな?」
「あるっつーの!」
「私もです。」
「ルーシィとグレイは〜?」

ハッピーの質問に、グレイは冷たい目で全員を見た。

「この魔法に、俺は誇りを持つ。でもな…」

少しだけ、少しだけだがギルド中に冷気が漂う。
それはグレイ自身から放たれていた。


「俺はお前等よりは、現実を見てるよ。」

どんなに頑張ったって、結局は死ぬんだから。

グレイの冷たい声は、全員の耳に残った。
何時の間にか、ナツがグレイの胸倉を掴んでいる。

「っ、なんだ、よっ」
「ふざけんな…。結局ってなんだよ!!わからねぇだろ!」
「な、ナツ!やめて…!」

弱々しいルーシィの声が聞こえる。
まだナツはルーシィの答えを聞いていないことに気づく。

「お前はどうなんだよ、ルーシィ!」
「アタシ、は…。」

答えられず俯かれ、ナツは舌打ちをする。
グレイから手を放し、ギルドから出て行った。
すぐにグレイもナツと正反対の道を歩く。

「ちょっと、二人とも!!」

ルーシィの叫びは届かず、二人は去ってしまった。
アタシのせいだ、とルーシィは泣き出す。
それを、鍵から出てきたロキが慰めた。

「あれは、魔法だ。」
「え…!?」
「感情をコントロールしていたんだ、もう解かれてるけど。」


「さすが、だな。」

一人の少女が、ギルドの近くの高い樹に立つ。
少女は軽く舌打ちをし、その場を去った。


2 < 3 > 4