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12話「メイキース」
「…どうして、こんな事しってるんだろうな。」
「もうよい、辛かったじゃろ?」
「…いや、俺は調べたいことがあるんだ。」
マカロフに休憩しろといわれるが、今のグレイにはその気などない。
むしろ、知りたい事がありすぎた。
レヴィが玄関を見つめる。
どうやらグレイの奪還成功と同時に、この壁が消えたらしい。
「ギルドの資料室にいってくる。」
「私も行こう。」
「アタシも手伝う!」
「俺も行ってやるよ。」
「私にも、お手伝いさせてください。」
「ジュビアにも!」
「オイラ達もやろ!」
「ええ。」
ナツ、ルーシィ、エルザ、ウェンディ、ジュビア、ハッピー、シャルルが次々に参加する。
それにグレイは、なんだか不思議な気持ちになった。
「グレイ、兆年孤独唄の本を探すの?」
「ああ、それと…『メイキース』の本もな。」
―ギルド・資料室―
「グレイ、兆年孤独唄の資料。出来るだけ集めてみたわ。」
「ありがとな、『メイキース』のは?」
「…『メイキース』ってなに?」
「?…ああ。」
どうやらグレイだけが知っているらしい。
風詠みの眼鏡を外し、グレイは仲間に向き直った。
「メイキースは、最初の造型魔導士で…
兆年孤独唄を創った本人だ。」
「ええええええええええええええ!!!?」
ビックリ発言に、皆が驚く。
そんなに驚く事かと、グレイは肩をすくませた。
「で、でもどうして調べるの?」
「意図的な何かを読めるかもしれないからな。」
ナツが「あ」と目を丸くし、奥の本棚に行く。
しばらくして戻り、グレイに一冊の本を渡した。
「…『MAKESS』、コレだ!…ありがとな。」
少し恥ずかしいが、お礼をいう。
ナツがしばらくキョトンとしていたが、ぎこちなさそうに「オウ」と呟いた。
「………これだ。『兆年孤独唄』。」
「内容は?」
「えっと…」
『墜ち行くのは私だった。
造型の限界を超えて、忌々しいものを創りだしてしまった。
誰か、誰か。
これを見てるものは。
絶対に、二つの鍵を。
絶対に、十字を司る剣を。
絶対に、蘇らせるな。
開けてはいけない。
負の魔法を生み出した、私を許せるものなど居ない。』
「…だめだ、ここからは破れてる。」
「兆年孤独唄…負の魔法か。」