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*35*
「二つの鍵の一つが、グレイ様が言ってた『独創の鍵』だとして…。」
「後一つは、なんだったんでしょう?」
ジュビアとウェンディは、自分の意見を言う。
それにコクリと、グレイが頷いた。
恐らく、その意見は間違いないだろう。
問題はグレイが言う『鍵』。
「グレイ、何か覚えは?」
「アリアとアイリが、懐かしいくらいしか…。」
グレイが悩む様子を見て、ルーシィは伝えようか迷う。
ミッシェルと同じ、人形だと思うと。
昔、グレイに会っているかも知れないと。
それでもどうしてか、言えなかった。
(確信がついてる訳じゃ、ない…。)
「とにかく、その二つの『鍵』を探すしか…、」
「おい!エルザ!」
エルザが何か言おうとしていたが、ナツがそれを遮る。
「どうした、ナツ。」
「もう1ページ、兆年孤独唄のがある!」
ザワザワとナツの前に皆が集まる。
グレイに本を押し付け、ナツはグレイの隣に行った。
「えっと…」
『鍵は封印した。
そうでもしないと、封印が解ける。
だが、造型魔導士。
悪が鍵を見つけ、破壊させ、創ることを強要されたとして。
誇りを保て。
仲間を盾にされたとして。
仲間を信じろ。
いつか、思いを答えてくれるものが、いる。
光の魔法が、負の魔法を。』
「つまりは仲間を信じろと言う事だぞ、グレイ。」
「……ああ。」
東洋文字の本を、パタンと閉じる。
そこで一つの疑問が浮かんだ。
「どこに封印されてるのかな?」
「…『メイキース』は、絵本をかいたらしい。」
「ええ!?星空の鍵みたいに!?」
「俺の家にある。小さい頃、レイガがくれたんだ。」
俺の家に来るか?とグレイが笑顔を見せる。
冗談のつもりだったが、皆そのつもりになってしまった。
「……………。」
「エルザさん?」
ウェンディが心配そうに、エルザの顔を覗く。
「いや、…すこし引っかかっただけだ。」
「?」
遠くでジュビアの歓声が聞こえる。
エルザはとある疑問を、そのままにしとくことにした。
それは重要な。
それでいて答えにくい、
何か。
(その疑問が解決される日は来るのか)