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6人の役者
作者: 紫桜  (総ページ数: 86ページ)
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*12*

♯10 「楓 瞳(カエデ ヒトミ) 」

晃が、男子と女子を上手になだめて、グループわけをしてる最中、もちろん私たちに出番はない。

「晃って、何者?」

「あ、それ時々俺も思うときある。
 人間じゃないんじゃないかって」

「うん。だって、さっきまでおろおろしてた先生たち、晃が来てから
 安心したみたいにほっとかれてる・・・」

「まあ、子供あつかいされてないナンバー1だよね、俺らの周りじゃ・・・」

「だね」

こんなのん気な会話を私達はしてるけど、晃はめちゃめちゃ大変そう。

仕方ない、手伝ってやるか。

「柏、あんた手伝ってきて。私、応援頼んでくる」

「は?なんで俺が・・・」

「私があの中行ったら、どうなると思う?
 私、命ないかもよ?」

なめてんの、女子の怖さ。
あんたは、まあまあ女子から好感度あるからいいけど。
晃や柏と仲がいいって、ただでさえにらまれてんのに。

「おー、そりゃ大変だ。・・・で、応援よんでどうすんだよ」

「2組もいること忘れてない?」

「あー」

なに、その気の抜けた返事。
でも、早くしないとバレーする時間なくなる。

「んじゃ、頑張ってね」

「あー」

「それと、その返事やめろっ」

私は、3組の輪の中に入る前に、柏にひと蹴りした。

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