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作者: 紫桜 (総ページ数: 86ページ)
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*25*
♯22 「桜羽 晃(オウバ コウ)」
呼び鈴がなって、柏が玄関まで行った。
僕は、部屋で待ってる事にした。
そして、入ってきたのは・・・。
瞳だった。
「瞳!?」
「晃!?」
ほぼ同時に、僕たちは言った。
柏より情報がすごい小学生が、瞳だとぉぉ?
「柏は?」
「ああ、飲み物とりにいった」
「そう」
なんでだろう、言葉のキャッチボールがもう終わってる。
てか、なんか喋れよ。
黙って、ノートとシャーペンとるんじゃなくてさ、なんかないの?
僕が瞳をじーっと見つめていると、
「なんなの?」
と、にらみながら言ってきた。
コワイ、コワイ、コワイ・・・。
瞳も、いつもの席にすわった。
水色の座椅子だ。
なんか瞳は、昔からそこがお気に入りらしい。
まあ、昔といっても、小3くらいのときだけど。
そこに、飲み物をもった柏がきた。
「いきなりごめん、瞳」
「いいよ。暇だったし。明日も予定ないからね」
「そう」
3人とも、それぞれの場所に座り、柏があのことを話した。
「なにそれ、超むかつくんだけど。
華が巻き込まれてんでしょ?」
「う、うん」
やばい。話さないほうがよかったかな。
今にでも、その女子グループを見つけたら殴りかかって行きそうなんだけど。
「だから、瞳。なんか知らない?
俺じゃあさ、だめなんだよ」
「ふーん、どこの小学校?」
「え、言ったら分かる?」
「聞いてみないとわかりゃしないでしょ」
おお、頼もしい。
でも、瞳、知らないんだな。華が通ってる小学校。僕もだけど。
2人して、柏を見る。
「お前ら、しらねぇのかよ・・・」
「「うん」」
柏は、ため息をついた。
「三つ葉町、三つ葉小学校。なんでお前らが知らないのに、俺が知ってるんだよ・・・」
パソコンをいじって、その三つ葉小学校のホームページを出してくれた。
三つ葉小学校の写真を見た瞳は、目を見開いた。
「晃、柏、大変だよ。ここ、女子が一番恐れている小学校。
だめ、だめ、華なんかが行ったら・・・・。
いじめられるに決まってる」
「え?」
「ここはね、女子校だよ。かなり厳しい。
噂が絶えないもん」
女子校・・・?
小学校に、女子校なんてもんがあんのか?
「全てはお金でランクが決まる。
華は、普通でしょ?
ここでは、普通が最低ランク・・・。
だって、お嬢様学校だもん!!!」
「「お嬢様学校!!?」」