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6人の役者
作者: 紫桜  (総ページ数: 86ページ)
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*26*

♯23 「楓 瞳(カエデ ヒトミ)」

そっか、あの噂の女子校、三つ葉小学校って言うんだ。
やばいな、これは。
本格的にやばい。笑い事じゃない。本当にやばい。

「西園寺 富(さいおんじ ふう)。
 多分、それがリーダー。三つ葉小学校で、今、トップクラス」

「西園寺、富・・・」

私は、ノートに『西園寺 富』と書いた。

「なに、この、変な名前。
 富じゃん。いみわかんねぇ。てか、これフウって読めんの?」

「間違ってるって言いたいわけ?」

「い、いや・・・」

晃は口ごもる。
まあ、そうよね。
何にも知らないんだから、言いようがない。

「私が嘘つく理由ないんだから、黙って信じて!
 わかんないのは、最初から分かんないって言うし」

「「お、おう」」

息ぴったり。

「・・・で、どうする?」

「どうする・・・?
 どうもこうもないよ。転校しないかぎり、華を救い出すことなんて
 不可能!!」

「は?」

ごめん、私だって、こんなこと言いたくない。

「あそこは、先生たちでさえ!
 児童同士のいじめを黙認している。
 ランクが上の人からランクが下の人へのいじめは・・・、ね」

「だからって、何もしねぇかよ!!!」

晃が立ち上がる。
華がからむと、晃はいつだって本気だ。

「私に任せなさい。
 いい、作戦があるの。へましたら、ものすごく危険だけど」

へましたら、この町からは追い出されるかもね。
けど、私の頭ではこれしか考えられない。

2人だから、話すんだよ。
晃!柏!

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