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6人の役者
作者: 紫桜  (総ページ数: 86ページ)
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*27*

♯24 「桜羽 晃(オウバ コウ)」

そんなこんなで日曜日。
10時に、華の家に行く事にした。

あいつら?
会場にいくんじゃない?
華から、なんも聞いてない。
ただ、10時に行くよ、と伝えただけだったし。

「華〜、来たよー」

「今行く!」

僕は、ジーンズに白いTシャツ、青と水色と白のチェックの薄い上着をきている。アクセントに、銀色の十字架のネックレスも。

玄関から出てきた華は、薄紫のワンピースに、灰色のカーディガン、白の、一部分にピンク色のキラキラしたビーズがついているカチューシャをつけていた。

「お待たせ。ありがと、迎えにきてくれて」

「う、うん」

だめだ、直視できない。
久しぶりに見る華は、パワーアップしてる・・・!!

どうしよう、もつかな・・・。今日。
作戦、あるつーのに。華、守んなきゃいけないつーのに。

「晃?」

「あ、ああ、何?」

華が、僕の前に来て言った。

「似合わなかった・・・?」

なに、その顔!
照れたような、困ったような。

「似合う・・・。
 可愛い、よ?」

その瞬間、華の顔が赤くなったのが分かった。
反則だって。

「いこ、華」

「うん」

手をつないで、僕たちは歩き出す。


                 ・・・
ものすごく、ものすごく、幸せな時間だった。

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