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6人の役者
作者: 紫桜 (総ページ数: 86ページ)
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作者: 紫桜 (総ページ数: 86ページ)
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*32*
♯29 「大智 柏(ダイチ ハク)」
やってしまった。
いろいろやってしまった。
まず、瞳にあんな顔をさせてしまったこと。
そして、2人を見失ったこと。
最後のは、怖い。
晃は、怒ると怖い。
優しくなんかないくせに、怒るとやたらと怖い。
「柏」
ビクーーーー!!!
なんとなく、岳の気持ちが分かった。
晃のタチが悪いところは、後ろから気配を消して近寄るところ。
心臓に悪い。
「なに?」
「瞳は?」
「・・・」
「瞳は?」
言えない。
晃が好きだという瞳に告白して逃げられたなんて。
言ったら、どっちにも殺される・・・!
「・・・華は?」
こうなりゃ、話を変えよう。
晃は、華という言葉に敏感だ。
「それが、いなくなったんだよ。
だから、電話しようとしたけど、繋がんないし」
「え?」
「だから瞳は?」
「・・・急用ができたって・・・」
「は? 用事がないって・・・」
「できたんだって!」
強く言うと、晃はそれから聞かなくなった。
「分かった。
それより、華を捜してくれ。
あいつらに先に見つかるとやばいことに・・・」
あいつら・・・。
多分、西園寺 富のグループのことだろう。
「うん。手分けして探そう。
晃はこのあたりを探して。
俺は、情報を集めながら探す。
見つけたら電話しよう」
「オッケー。
頼りにしてるからね。お前の情報」
「・・・うん」
ありがとう。
だけど、ごめん。
頼りにされたら、困る。
それに、不安定なんだよ。今の俺の心・・・。
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