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6人の役者
作者: 紫桜  (総ページ数: 86ページ)
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*33*

♯30 「香芽 華(コウガ ハナ)」

「晃!晃!」

今、私は迷子です。
どこにいるのかさえも分からない。

地図、落としちゃったし、携帯も電池切れ・・・。

「香芽さーん?」
「どこいったのー?」
「香芽さん?」

右の通路から、西園寺さんたちの声が聞こえた。
あわてて、部屋の中に入る。

だめ、あの人たちにはつかまんない。

私は、扉にかぎをかけて、その場に座り込んだ。
どうしよう。これから・・・。

私が、ため息をつくと、いきなり電気がついた。

「わっ!」

隣の部屋から顔をのぞかせたのは、高校生くらいの男の人だった。

「あ、可愛いお客さんだ♪」

「あのー」

「何しにきたの?
 コスプレ? それともデート?」

なに、ここ・・・。

「小学生?
 歳によってはできないものもあるけど」

その男性は、だんだん近づいてくる。

「ここって」

「ん?」

カッコいい人だけど・・・。

「ここって、なんなんですか?」

「え、知らないで来たの?」

「はい・・・」

男性は、一枚の紙を差し出した。
いろんな服や、男の人、女の人の写真があった。

「コスプレをして写真撮影をする事もできるし、女性なら男子。男性なら女子を選んでデートもできる。 どう?する?」

「このお祭りって、文化祭とかじゃないですよね?」

「うん。高校生がやってるんだけど。
 違う学校の人もいるんだよね」

「そ、そうなんですか・・・?
 でも、遠慮しときますね。私、急いでるので・・・」

私は立ち上がった。
けど、私はとめられた。

抱き上げられることで・・・。

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