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作者: 紫桜 (総ページ数: 86ページ)
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*36*
♯32 「香芽 華(コウガ ハナ)」
私は、ソファーからおりて、そぉーっとドアに近寄る。
てか、何なんだろう・・・。
あの人。完全にいっちゃってる・・・?
ああ、ダメだ。
私、こんなこと考えるキャラじゃなかったよね?
ドアを開ける。
あれ、開かない。
あ、そういやかぎかけてたな。
かぎにてをかける。
あれ、かった!硬い硬い、開かない。
え、なに?
なんで開かないの?
うそ、閉じ込められた・・・。
「ねぇ、これ、着てみて〜」
隣の部屋から、紅さんの声が聞こえた。
ほんとにどうしよう。
いかなかったら・・・。いや、行っても・・・。
でも、行く事にした。
「なんでしょうか?」
「試着室においといたから、着替えたら出てきてねー」
そういうと、部屋からでた。
試着室のカーテンを開けてみる。
な、なにこれ・・・。
半そでの、水色のフリルだけでできてるような洋服に、ミニスカート。
やばいって。
こんなの、着れるわけないじゃん。
ああ、どうしよう。
かくれんぼっていったって、見つけてもらえないかもしれないのに・・・。
晃が負けたら、なんかするつもりなのかな・・・。
って、私、着てるじゃん。
サイズぴったりだし・・・。
どうする?
脱ぐ?
でも、でれないよ、この部屋から。
しょうがないから、いいなりになっとこう・・・。
「ねー、まだー?」
「今、いきます!」
私は、試着室から出た。
目の前に、紅さんがいた。
「お、ぴったりじゃん。
可愛いよ。華ちゃん」
「あ、ありがとうございます。
・・・って、今なんていいました!!?」
「え、可愛い?」
「ちがう、その後!」
紅さん、今、華ちゃんって・・・!
「なんで私の名前知ってるんですか?」
「ケータイ見たから?」
嘘でしょ?
ね、もうありえないんだけど。
てか、電池・・・。
充電したのかー。
「なんで勝手に見るんですか。
ひどいですよ!?」
「うん、そうだね」
「・・・」
言葉を失うってのはこのことだ・・・。
「あ、メール送っといたから。 彼氏に」
「え、なんで!?
どんな内容のですか。誰にですか」
「だーかーらー、彼氏に。
宣戦布告!」
なんで分かったの?
この人といると疑問が多い。
「メール見たら簡単に分かるよ?
晃って書いてあったな」
「は?」
終わった。
初対面の高校生にメール見られた。
嘘でしょ。犯罪じゃないの?
「ケータイ、見せてください!」
「いーよー」
私のケータイを触ってる。
うん、おかしいよね、この状況。
「はいっ!」
『君の大事な華ちゃん、預かったから!
このお祭りが終わる、16時までに見つけなかったら、華ちゃん俺の彼女にしちゃうよ?
この学校のどこかにいるから!!
そうそう、俺がさらったんじゃないよ?
華ちゃんが、勝手に入ってきたんだからね?』
「もう、どうでもいいですよ」
ため息をつく。
その瞬間、驚く光景が目の前に広がった。