完結小説図書館
作者: 紫桜 (総ページ数: 86ページ)
関連タグ:
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~
*5*
♯5 「香芽 華(コウガ ハナ) 」
やばい、晃とお出かけできるんだ。
緊張してきた。
私は、このことを伝えたくて、瞳に電話をした。
瞳は、私のたよりになる友達で、晃と同じくらい頻繁に電話やメールをしてる。
「あ、もしもし瞳?華だよ」
「あー、瞳だよー。どうしたの?」
「あのね、晃と一緒にお祭り行くことになったの!」
「お祭り!?」
私の急な電話でびっくりしたのか、内容にびっくりしたのか、
瞳はなんだか落ち着いてない様子だった。
「それは、ずいぶん先の話だね・・・」
「先?」
「だって、今4月だよ?
お祭りは、7月だよね?」
「ううん」
「・・・は?」
しっかりした瞳と、ふわふわしてる私では、会話がつながらないときがある。
でも、なーんか珍しいパターンだよね・・・。
こんなには、あんまりならない。
「よし、ひとつずつ言っていこう。
まず、お祭りはいつかな?」
「うーんとね、今週の日曜日!」
「今週!よくオッケーしてくれたね。
まあ、いいや。んで、場所は?」
「中学校!」
今度は、しばらく返事が返ってこなかった。
あれ、私変なこと言ったかなー・・・。
「今週の日曜日に、晃と中学校で開かれるお祭りに行く・・・の?」
「そうだよ〜。春のお祭りだって〜」
「は、るの、お祭り・・・?」
「うん」
瞳は、「まあ、何にしろ良かったじゃん!!!」と、言ってくれた。
「それより、華。華はすごいね」
「すごい?」
「今でも、華がまるでいるように普通に華のことが会話にあがってくるんだよ。
私と晃の間だったら、分かるけど・・・。
5年のときもそうだけど、今も中心にいるんだね。華は」
「え、そうなの?
でも、晃や瞳もそうじゃん?」
「う〜ん、そうかもねぇ〜」
「否定しないんだ・・・」
この、最後の3つの会話だけは、いつもと反対だった。
電話が終わった