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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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*152*

ザーーーーーーーーーーーーーー

「雨が降ってきたから、みんな、中に入って!」
綾美も中に入る。
れんにはげまされながら。
そんな2人を見つめながら、かえでは泣いていた。
「…かえで?」
「…悠斗…綾美ちゃん、大丈夫かな…?」
「れんがついてるから、大丈夫だろ」
「…そうだよね」

と言いつつも、かえでは中に入ろうとしない。
「わたしにも、力があるんだね。悪魔と戦う力…」
かえでは、ぶるぶる震えている。
急に力があると言われても、納得できないだろう。
でも、炎を消すために、かえでたちは力をつかった。
それが…なによりの証拠。
実際に、力をつかったのだから。
「怖いよ…悪魔と戦うことなんて…できないよ」
「かえで…」

すると、いきなり悠斗に抱きしめられる。
「ゆ…悠斗?」
悠斗は、なんだかとても温かくて、安心できた。
「大丈夫だ。おまえのことは…おれが守ってやる。だから…大丈夫だ」
悠斗だって…怖いはずなのに。
まだ、実感していないはずなのに。
まだ小学5年生。その手はまだ小さい。
でも、とても温かい。そのぬくもりは、勇気をくれて…。
「うん…」
みんな、ここにはいない。
誰も、見ていない。会話だって、聞こえていない。
そんな中で交わした・・・

――――――キス――――――

悠斗が少し頬を赤く染め、上着をかえでにかぶせる。
「…中に入るぞ」
「…うん」

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