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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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*195*


「う…あ…」

手にぬめりとまとわりつく、生ぬるい血。

れんと黎夜は、ピクリとも動かない。
しかし、血は流れ続けていて―――



     ―――ポタッ


倒れた2人に、紗綾と綾美の涙が滴り落ちる。




     ああ、絶望って、きっと、こういうことを言うんだわ



       自分ではなく、大切な人が傷つくことが―――




「あ…やみ…」

「サ―…ヤ…」


『!?』

絞り出すような、今にも消えそうな淡い声。

「俺は…俺たちは、大丈夫…だか…「しゃべっちゃダメ!お願い…」



     これ以上、あなたが傷ついていくところを、見たくない



「死なないでよ…」



     あなたが死んだら、わたしはもう生きていけない



「は…?何言ってんだよ、おまえ」

「え…?」

涙でぬれた綾美の頬を、そっとなでる。



「言っただろ?好きな女残して死なねーよ、って」



れんは、安心させるように柔らかい笑みをこぼし、また目を閉じた。


「綾美…応急処置…できない?」

「え、できるけど…あいつが狙って…」

「…わたしが相手をする。だから、その間に…」


応急処置をしずにこのまま時間がたてば、2人は死ぬだろう。


「―――わかった」



     わたしにできるか、わからないけど



     ―――やるしかないんだ 大切な人を守るために―――

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