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*196*
「光よ、悪を討つ鋭き矢となれ!」
紗綾が戦っている間に、綾美は治療を開始する。
「―――っ」
汗がじわりと浮かんでくる。
丁寧に、すばやく。
目を閉じて、必死に祈りをかけながら。
すると、だんだんと傷がふさがっていく。
出血も止まり、息も少し楽になっているように感じた。
(あと少し…!)
たとえ傷がふさがっても、体力が全くないのは確か。
少しは回復させないと、動けないままでは危険だ。
「ふう、これ、飲んで」
最後に、黎夜とれんに薬を飲ませる。
体力を増加させる薬。
前に、綾美が使った薬の完成品だ。
「紗綾!応急処置、完了!」
「え、ホント!?」
紗綾が思わず気を緩めた瞬間。
「よそ見してんじゃないわよ!」
不意打ちの、闇の矢。
(しまった…!)
「紗綾―――!」
『―――光よ、万物を弾く盾となれ』
―――バンっ
紗綾の目の前に突如現れた光の盾。
「レイヤくん…」
「れん…」
そこに立っていたのは、黎夜とれん。
「―――まだ、座ってて。完璧に治ったわけじゃないから」
「ああ」
「………」
こんなときに、カッコいい、とか思ってごめん
まるで、王子様みたい、とかつい思っちゃって―――
でも、こんな非常事態でもそう思っちゃうほど、すごくうれしかった
ありがとう、黎夜、れん 大切な人を守ってくれて
そして、なによりも―――
あなたが、元気にわたしのそばでいてくれるのがうれしい
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