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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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*198*

「…破魔よ、悪を浄化する眩き輝きとなれ!」

「ぎゃあぁあぁあ――――!!!」

なぜか、あっさり消滅。
綾美が力を放ったあと、すぐに消滅してしまったのである。

「…なんか、ちょーあっさり」

「―――うん」

相手も、疲れがたまってたのかもしれない。


「じゃ、戻りましょーか!」

「ちょ、ちょっと待て!」


笑顔で言った綾美に、翔が呼びかける。



「志穂と徹平が…いないんだ」

「え…」



翔の爆弾発言に、絶句。

しかし、その近くにいたかえで、悠斗、ユリ、鳴神、翼も気づいていた。


「え…なんで…」

「それが、おれたちにも分からないんだ」

翔に代わって、翼が言う。


「このあたりにいたはずなんですけど…」

ユリがためらいがちに声を出す。


「ほぉ…大木?」


ユリが指差した場所は、大きな木の手前。


「ここに、なにかあるのかな?」


紗綾の意見を聞き、綾美はそこに手を当てる。


「―――地よ、留めし記憶を我に」


そう唱えると、ブレスレットが光った。

アーティファクトを使っている証拠だろう。


「ど、どーだった?」

「ん、見えなかった。闇の力で塗りつぶされたみたい…」

「え、じゃあ…」

「2人がどこ行ったのかは、記憶では分からない」

「そんな…!」


みんな、がっくりと肩を落とした。

せっかく…悪魔に勝ったのに。


しかし、綾美は冷静だった。



「でもね、ここの記憶が消されてる、ってことは、ここで何かがあったってことなんだ。だから、記憶が消された。…つまり、ここになんか仕掛けがあるはず…」



どうやら、綾美にはなんとなく2人がいなくなったわけが分かっているようで…。


「精気を吸いたいのなら、ここにいる体力を消耗した全員を連れ去ればいい。そうじゃないということは…」


ここでいったん言葉を区切る。


「悪魔が、志穂か徹平さんの体を乗っ取ろうとしているということだ」

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