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*206*
「綾美ちゃん!」
「やっほー、かえで。さっきぶりー」
綾美たちが戻ってきたのを見て、かえではぱあ、っと表情を明るくさせた。
しかし、こんな状況でも能天気な綾美を見て、苦笑する。
「…あはは…綾美ちゃんってやっぱりマイペース」
「だな」
かえでに悠斗が同意。
翔と翼も頷き、鳴神とユリはクスクス笑っている。
「―――で?サーヤちゃんと志穂ちゃんはまだ分かるけど…やっぱ綾美ちゃんとれんは付き合ってんの?」
「ブフオッ」
かえでから突然発せられた言葉に、綾美は思わず吹いてしまう。
「…まあ、そーだけど」
「れん!?」
あっさり認めたれんに、綾美が驚く。
「ほらよ」
「…ん」
れんは、綾美を地面に下ろす。
見ると、紗綾と志穂も地面に座っていた。
「綺麗な夜空ですね…」
空を見て、圭吾がしみじみと言う。
「―――リンナはなんでいんの?」
悠斗の問いに、綾美が戦いの詳細を話した。
「なるほどね。お疲れさん」
悠斗は、詳細を聞いてもあまり驚かなかった。
「綾美が無事でよかったよーっ」
「うわ、また!?」
紗綾がまた綾美に飛びつき、さっきと同じ状態に。
―――カツンッ
2人のペンダントの石がぶつかり、乾いた音がする。
「あ、ごめ…」
―――パアアッ
『―――!?』
すると、急に2つのペンダントが輝きだす。
『…これをみんなが見てるってことは、わたしは人間界にいないってことね』
「綾香さん!?」
「綾香!?」
「―――え、この人が…?」
圭吾と耕平が声を上げ、紗綾、黎夜、綾美はそれに反応する。
「…お母…さん」
その映像に映っているのは、紗綾と綾美にそっくりな女の人。
『紗綾、黎夜、綾美…ごめんね。一緒にいられなくて…。でも、いつか、きっと一緒に過ごせる日が来ると思うの』
綾香は、悲しそうな表情で話している。
今にも泣きそうな…儚い声。
『―――わたしの子供に生まれてきてくれて、ありがとう………』
綾香は、一筋の涙を流し…そこで、映像は消えた。
「お母さん…」
小さいころ、何度も悩んでいたの
お母さんは、わたしのことどうでもいいのかな、って
「…わたし、お母さんを助けに行くよ」
「うん。わたしも行く」
「僕も」
「俺たちも」
「みんなで、一緒に助けに行こう」
―――例え、今すぐ会えなくたって
―――心はつながっている、って信じてる
―――一緒にいてくれる、仲間がいる
―――一緒に戦ってくれる、仲間がいる
「―――うん。ありがとう……!」
いつか、みんなで一緒に笑いあえる日が来たらいいね
―――終わり―――