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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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「…み…んな…?」
声がうまく出せない。体がうまく動かない。まるであのときと同じー…。
そう思っていると、紗綾たちが気づいてくれた。
「綾美!!!!!」
満面の笑み。本当に心配してくれてたんだと分かり、うれしくなる。
それと同時に迷惑をかけてしまったという罪悪感。
「え、もう目覚ましたわけ?普通ならあと1時間くらい気絶してんのに。まあ、約束通り自己紹介するわ。
わたしはアリーラ・アレール。公爵の5番手。」
公爵の5番手ー…。今までで1番強い相手だろう。
それに、アリーラは綾美の精気を吸っている。それも大量に。
綾美はおそらく現役マテリアルで1番強い。その綾美が気絶するほど精気を吸ったのだ。
アリーラは今、さらに強くなっているだろう。そして、アリーラ・アレールという名前に
反応した人物が1人だけいた。
「アレール…ですって…?」
綾美だ。ぶるぶるとふるえ、いつも勝気なその瞳は光を失い涙まで浮かんでいる。
「この前はわたしの妹がお世話になったわね。まあ、王女はそこで見学していなさい。」
そう言うと、紗綾に向かって力を放つ。紗綾は、目をギュッと閉じ、痛みを覚悟する。…すると。

ピカッ!!!

(え…また?)
ペンダントが光り、その力を盾で防ぐ。
紗綾は無事だったが、綾美は自分を責める。
(わたしがしっかりしていれば…。もう、こんな自分いやだ。こんな弱い自分に負けたりなんか、もうしない!)
そして、思いっきり叫ぶ。
「もう、大切な人はだれにも傷つけさせない!!!!!」

ブチィィッッ!!!

なんと、綾美は手足に巻きついているロープを自力で引きちぎったのだ!
「わたしは、もう逃げない。大切な人のためなら…いくらでも強くなってみせる!!!」
その強い意志にみんなは圧倒された。

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