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*57*
はっきりいって大丈夫じゃないよ。普通は立ち上がるだけでも大変。
「わたしは、もう逃げない。大切な人のためなら…いくらでも強くなってみせる!!!」
凛として響く声。恐怖にも負けずに立ち上がるその姿。そして、大切な人のために戦う姿。
その意志の強さにはみんな圧倒される。
「なによ。そんなフラフラでわたしを倒せるとでも?」
悔しいが、そのとおりだ。綾美は今、立ち上がるのもやっと。普通、こんな状態で倒せるわけがない。
だが、綾美は笑っていた。もちろん、にこにこ笑っているわけではない。相手をにらみながら、だ。
「あなた、わたしのことなんにも知らないのね。」
綾美がいうと、アリーラはクスッと笑って言った。
「知ってるわ。あなたが伝説の子ー…ということでしょう?」
「よくわかってるじゃない。」
綾美とアリーラはわかっているようだが、紗綾たちにはなんのことだかまったくわからない。
「伝説?どういうこと?」
「わたしにもわかりません。」
「僕にもわからない。」
黎夜でもわからないらしい。これは完全にお手上げー…かと思った、そのとき。
「まさか、天の力のこと?」
そう言ったのはかえでだった。
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