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作者: S・メイドウィン・黒影 ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 62ページ)
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*43*
デーリッチ視点
「あっ!!」
グリルビーには、新しい先客がいた。
「はいチェックメイト、これで82連勝」
「あー!!またですか!?」
...テーブルでチェスをやっている。
対戦しているのはSansのAU、そして私達の世界のAUだった。
Papyrus
「で、すっごい物はどれだ!?」
Sans(スワ)
「ほら、あの妖精さん!大きいよね!」
Papyrus
「ウワオ!これは熊より大きいな!」
「...それ、褒めてるんですか?」
「..ん、おっと、来たみたいだな、チェスはここで打ち止めとしよう。」
「82回も負けてるんですよ!?まだやらせてくださいよ!」
「ダメだよ...で、お前さんがこいつの知り合いか。」
ローズマリー
「ど、どうも...失礼ですが、貴方は何のAUでしょうか?」
「ああ俺か?そのまんまさ、【chesstale】のSansだ。」
エステル
「chesstaleってどんな内容なの?」
Sans(スワ)
「彼らは立場がチェスの駒になぞられているんだって!」
Sans(チェス)
「その通り、俺は兵士、つまりポーン....いや、ボーンかな(ツクテーン)」
Papyrus
「Saaaaaaaans!!!」
メニャーニャ
「え?何、Sansさんってこんな方なんですか?」
Papyrus
「こいつはいっつもくだらないジョークを話すんだ!」
Sans(チェス)
「でも笑ってんじゃん?」
Papyrus
「こんなので笑っちまったのが悔しいんだ!」
Papyrus
「で、この巨大フェアリーはお前達の世界の住民なんだろ?挨拶ぐらいしたらどうなんだ?」
ローズマリー
「で、でもAUですからね...我々の事を知らないんじゃ....」
「やぁ、エステルさん、久しぶりですね。」
エステル
「ええはいそりゃどうも....ん?なんで私の名前知ってるの?それに久しぶりって....」
「え?そりゃ私、皆の事知ってますよ、ねぇローズマリーさん?」
ローズマリー
「えっ...まさか、本物のかなちゃん!?」
スネーク
「....聞きたいが、アレはなんだ?」
ヅッチー
「【かなづち大明神】通称かなちゃん!妖精の神さ!」
プリシラ
「...で通していますが、実際は我々妖精王国が異世界の情報を得るため造り上げた人工妖精です、ちょっとサイズが大きくなりすぎちゃいましたけど。」
デーリッチ
「で、でも...なんでデーリッチ達の事を知ってるんでちか!?」
かなちゃん
「あれ?前に言いませんでした?この体もあの体も、あくまで器に過ぎないんですよ、精神だけこの【ビショップかなちゃん】に丸々移したわけです。」
スネーク
「なるほど、パソコンのデータを別のパソコンに完全コピーしたような物か。」
かなちゃん
「ええ、いい感じに私のAUとやらが作られたので共有することにしたんです。」
プリシラ
「そうだったの...かなちゃん、向こうの世界はどうなってるの?」
かなちゃん
「どうなってるのって、大パニックですよ、何せ一度に7人、それも大物が意識不明になってるんですから。」
エステル
「い、意識不明!?マジで!?」
ローズマリー
「く、詳しく聞かせてくれませんか!?」
かなちゃん
「もちろん、そのために私は【彼】に呼ばれたのですから。」
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かなちゃん
「7人全員が意識不明になった、同時に、同時期に...我々も必死になって原因を調べた...そしてようやく分かったんですよ。」
メニャーニャ
「原因は何なんですか?」
かなちゃん
「ウィルスです、荷物に速効で効いて広がっていく病原体が付けられていました。」
エステル
「えっマジで!?よく7人で済んだね...」
かなちゃん
「私が早めに処分したので貴方達以外に特に害はありません、私ですか?状態異常にはめっぽう強い方なんです。」
スネーク
「それでそのウィルスのせいでデーリッチ達は眠ったままということか。」
ディクス
「で、精神だけがここに漂っていると。」
かなちゃん
「そういうことになりますかね...しかし誰があんなものを」
Sans(チェス)
「そんなやべーウィルスを仕込める奴なんて俺の知る限りではerrorSansくらいだぜ」
ローズマリー
「うーん、でも彼が我々を狙います?その時は無関係なのに。」
Sans(チェス)
「関係あるないの話じゃない、騒ぎが起きるなら犠牲になる相手なんてどうだっていい...そういうものさ。」
かなちゃん
「私には異世界の情報を聞き取る力があったので陰ながら応援してたのですが...例の、たくっちスノーさんが復活しそうと聞いて急遽私のAUに人格を移した、というわけです。」
...デーリッチの世界、そんな大騒ぎに。
このままじゃこっちもヤバイかもしれないでち。
かなちゃん
「...ん、それにしても懐かしい面々が揃っていますねぇ?」
野獣先輩
「ん、そうですね、こっちは運動祭から5ヶ月経ったけど、かなちゃんどう?」
かなちゃん
「こっちはまだ三日ですよ三日。」
野獣先輩
「はえ〜」
かなちゃん
「ディクスさんもお久しぶりです。」
ディクス
「...ごめん、君の事は知らないかも。」
かなちゃん
「ありゃ、どうやら私の知るディクスさんとは別人のようですね。」
ローズマリー
「ところでかなちゃん、彼というのは?」
かなちゃん
「ローズマリーさんもご存知のマクスウェルの助言者です、【たくっちスノーに対する最大の切り札はお前だ】なんて言われちゃいましてね。」
スネーク
「...彼女がたくっちスノーに対する切り札?」
ヅッチー
「...ああそうそう!かなちゃんの事なんだよ!前にたくっちスノーをコテンパンにしたの!」
プリシラ
「運動祭の事だったでしょうか、たくっちスノーはかなちゃんを愛していました...口だけの偽りの愛でしたが。」
ヅッチー
「それでさー、アイツの性格は昔からひどくって、かなちゃんがキレたわけ、今まで怒ってるところ見たことないから私ら驚いちゃって」
かなちゃん
「...あの時は自分の怒りを抑えるのに必死でしたよ、どうやら私の訴えも無駄だったようですがね..」
デーリッチ
「....かなちゃん、来てくれるでちか?たくっちスノーを止めるために。」
かなちゃん
「.....はい、少なくとも彼をどうにかしないと帰れなさそうですしね。」
Sans(チェス)
「おいおい、まだ行くな、プレゼントがあるんだろ?」
かなちゃん
「ああそうでした、人格をコピーする際変なものを見つけたのです、うろろろろろろ!!」
エステル
「うげーっ!!口から出すんじゃねぇよ!」
かなちゃん
「すいません...えっと、顔をあげたらいかがですか?」
「....ああ、うう、お、俺は...神...」
野獣先輩
「....ウッソだろお前。」
かなちゃん
「田所さん、どういうわけか...精神だけの存在となり、漂っていたんですよ....貴方の相棒、Sonic.exeが。」
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【かなづち大明神】
妖精王国によって作られた人工妖精。
自称、妖精の神様、皆からは【かなちゃん】と呼ばれている。
今回は本物ではなく、彼女のchessAUこと【ビショップかなちゃん】に人格をコピーした物が登場、なのでデーリッチ達の事や運動祭の記憶もある。
成人男性を軽く越す程巨大、名前の通り武器に金槌を持つ。
たくっちスノーが愛していたはずの人物であり、彼に「愛を持たない」と伝えた人物。
たくっちスノーがエステルを殺しかけた事で彼女の怒りを買い完膚なきまでに叩きのめした結果、たくっちスノーは力を失い、トラウマになっている。
【別のディクス】
運動祭に登場したディクスの事。
【Sans(chess)】
chesstaleのSans
彼の立場は「兵士」
ビショップかなちゃん誕生の引き金となった人物、中身は普通のSansと変わらないのでいつもだらけている。
【Sonic.exe】
野獣先輩の相方のマガイモノ、野獣同様創造主はたくっちスノーではない。
ソニックの目が赤くなり常に血まみれになったような姿をしており、かつては遊びと称して殺人ショーを行っていた、自称神。
現在はたくっちスノーという問題児を抱えた為か口調がちょっと大人びた。
何故か人格だけになっているところをかなちゃんに救助された。