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【鬼滅×花子くん】短編集続編 六人の軌跡
作者: むう  (総ページ数: 151ページ)
関連タグ: 鬼滅 花子くん 2次創作 オリキャラあり 戦闘あり 恋愛要素あり 
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 弟がどうもすみません……。
 何か無駄にませてんですよ。
 いうなればミツバくんに近い性格?
 
 *******************


 〈放送室メンバーside〉

 【カガミジゴクの部屋】


 有為「●×△%●×△%」
 つかさ「宵宮そのままお願いね!」
 有為(了解。詠唱をやめると空間が歪んで、学園と繋がらなくなるから念話で話すよ)


 夏彦「なんか…僕っ子やめちゃったから、違和感がすごいね…」
 桜「人は変わる生き物だし、どう生きようと本人の自由よ」
 夏彦「そっか。そだね。ってことでワンモア俺たちもやってやりますか!」
 桜「ええ。今回は4番もえらく協力的だしね。どんな手を使って口説いたの?」

 夏彦「口説いたとか人聞き悪い。ただ単に、七番がめっちゃお願いして受け入れてくれただけ☆」
 つかさ「よし、行くよ桜ー」

 ミツバ「こんなに頑張ってる僕をほっといて話を進めるとか脳みそ腐ってんの!??」
 桜「頑張っているそぶりなんてないわ。ああ、見張り…お世話様」
 ミツバ「キィ―――――! 褒めてないねありがとう!」

 つかさ「そう怒らないでよミツバ―。だいじょうぶ、桜は優しいから」
 桜「ええ」
 ミツバ「うーわ自画自賛とか痛い……」
 夏彦「人の事言えないけどね」
 ミツバ「うーわ耳が痛い……」


 つかさ「じゃあ改めて行くよ、桜!」
 桜「ええ。ナッツン、ラジオの電源入れて。行くわよ(ヘッドホンスチャ)」
 夏彦「(カチッ)」


 こんな噂、知ってますか?
 七不思議が四番目、「美術室のシジマさん」
 彼女の絵の世界に閉じ込められたものは、彼女の命令を執行しない限り、
 二度と生きては戻れないでしょう。

 そして………。



 ・・・・・・・・・・・・・



 〈紅羽side〉

 【神社】


 〜紅羽(鬼化仁乃)、絵の世界の睦彦と出会い〜



 睦彦「…………だれ??」
 紅羽「お前こそなんでそんなとこにいるそす。ここはどこそす」

 
 睦彦「…………俺んちだよ。つかお前は何? 客なら金払えよ」
 紅羽「生憎我は、天下不滅の一文無しそす」
 睦彦「何だよ冷やかしかよ! 行った行った! お前なんかに付き合ってられっかよ」


 紅羽「何でお前は隠れてたんそすか?」
 睦彦「掃除サボると親父に叱られるんだよ。あと兄ちゃんにチクられる。怖いんだぜ」
 紅羽「この世で一番怖いものは、そいつはそすか?」

 睦彦「ああ。親父は怒るとそろばん投げつけてくるんだぜ。そんな親がいてたまるか」
 紅羽「鬼は、怖くないそすか」
 睦彦「鬼? なんだそれは」
 紅羽「………知らない? 馬鹿な。だってお前はさっき、紅羽に追われてた人間そす」


 睦彦「何のことだか知らねえが、俺がここに隠れていることは内緒にしてくれ。えっと、お前―」
 紅羽「………紅羽そす」
 睦彦「可愛い名前だな。俺気に入ったよ」


 そう言って愛嬌のある顔でにっこりと笑う少年に、また胸がずきりとうずいた。
 先ほどから何かがひっかっかる。
 何でなのか、まだ分からない。けれど、心が何かを訴えかけているのは分かる。

 こんな奴は知らない、記憶にないと考えると、焼くような痛みが頭を直撃する。
 その頭痛は自分に何かを知らせようと、しているのかもしれない。


 紅羽「お前……睦彦、とか…う゛っ」


 また、頭痛が精神を蝕んだ。
 ズキズキと、その痛みはやむことはなく。


 睦彦「おいおい、大丈夫か。マジでヤバそうだぞ」
 紅羽「よくあることそす。気にすんなそす」
 睦彦「そうか。無理すんなよ」


 紅羽「お前に、聞きたいことがあるそす。我、ここから出たい。どうすればいいのか知らんそす」
 睦彦「………こことは?」
 紅羽「あのおさげの女は、我を絵の世界に閉じ込めたらしいそす。出る方法、教えてくれんそす」
 睦彦「………」
 紅羽「せめて無惨が助けに来てくれればいいのに……」


 そう言った直後だった。
 目の前にいる彼の様子が、劇的に変わったのは。


 睦彦は、さっきまでの表情とは違う、裏表があるような怪しげな表情をしていた。
 そして我を押し倒すと、呆気にとられた我の顔を覗き込む。
 女の体の上に男が乗っかかる光景はいささかどうかと思うが、今はそこに突っ込む余裕はない。

 
 ――睦彦の表情は、暗く暗く、怖気を与えるには充分だった。



 紅羽「睦彦? ど、どうした……そす……」
 睦彦「………………」
 紅羽「ね、ねえどうしたそす………むっくん………」


 むっくん?
 あれ、何で今、そんな言葉がするっと口に出たんだろう。
 むっくんなんて愛称、目の前に居るコイツは呼んでくれなんて一度も言ってないのに。


 睦彦「…………ねぇ……」
 紅羽「な、何そす……っ 怖いそす……」
 睦彦「…………その、無惨って奴は……ホントにお前のこと好きなのかな?」


 紅羽「え?」
 睦彦「おかしいと、思わない? 助けにずっとこない無惨……」
 紅羽「き、きっと後で来るそす。絶対絶対来るそすっ」


 睦彦「…………無惨は、ホントはお前の事、何とも思ってないんじゃない?」
 紅羽「ち、違うそすっ。お前に何が分かるそすっ」

 睦彦「ねえ。お前をそんなふうにさせた男は今何をしてるのかな」
 紅羽「な、何を言うそす」
 睦彦「…………お前が一生懸命、悪と対峙している時に、そいつは何をやってたのかな」


 紅羽「………やめてそす……」
 睦彦「…………そいつがいなかったから、お前は今こんなふうに、無惨にも裏切られた」
 紅羽「……そいつって誰そす! な、なんでそんなこというそす………っ」






 睦彦「…………ねえ。そいつ、……睦彦の事、殺したほうが、いいんじゃない?」












 紅羽「…………聞きたくなかったそす」
 睦彦「………!!?」
 紅羽「…………お前の口から、そんなこと、聞きたくなかったそす!!」



 なんで、何で何で何で何で。
 なんで紅羽は、睦彦のことをそんなに庇ってしまうのだろうか。
 なんでこんなに、胸が痛いのだろうか。

 求める答えは、もう少しでつかめるはずなのに、なんで、つかめないのだろうか。
 怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。
 自分が、怖い。



 睦彦「…………殺さないんだ。じゃあ、俺が殺してあG」
 ??「仁乃ちゃんにそんな物騒なこと、言うんじゃぁぁぁぁねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




  ズバァドンパスべスブスベリべりべりベリべりベリッッッ



 妖艶な笑みを浮かべて、睦彦が我の腕を掴もうとしたとき。
 甲高い大声が、そして自分の耳を疑いたくなる轟音が、神社の敷地内に鳴り響いた。



 ネクスト→思わぬ助っ人とは一体? 次回もお楽しみに!


 

 

 

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