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*63*
宵宮有為様へ。
元気にしていますか。
俺はちょっとしなくちゃいけないことがあって、そっちへは戻れそうにない。
十郎兄ちゃんの行方を探して家を出て、かれこれ一年。
流石に一年経っても兄が戻って来なかったら死んだと思われても当然だよな。
でも、俺も十郎もちゃんと生きているから安心しろ。
必ず用事を終えて、戻ってくるからな。
今俺がいる場所はすごく暗い。自分の両手足さえ見れないような状態だ。
この場所は他の人からはまず見えないし見つからない。
だからお前が俺ともし会える日が来るなら奇跡だ。
俺はこの場所で必死に敵と戦っている。
敵は俺の力で少しずつ弱体化しつつある。
ただ俺の体力はもう既に限界状態だ。
日に日に出来ることが少なくなってきて悔しい。
有為、もし俺とお前が会うことが出来たら、お前の力で敵を倒してくれ。
その時は、俺が陰でサポートする。
敵を倒し終わる頃には俺がこの世から居なくなっているかもしれないが、
それでも微かな可能性を求めてお前を頼る。
俺はお前ときっと会えるはずだ。
だから、その日までもう少し辛抱してくれ。
頼りにしてるぞ。
宵宮茂吉
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