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『第九話』
【いきなりお金が増えすぎなのだが】
あれから数日経ち、カルデア職員達が待ちに待った給料日となった
給料日のマスター達は皆サーヴァントに貢ぎ物を与えたり、自分のために豪遊したり...と言われているが、藤丸立香の場合は
「...えっ、これいくらなんでも多くない?」
与えられた袋の分厚さに手が震えていた、普段なら目立たない程の薄さなのだが、今回は確実に何枚か詰まってると見ただけでわかるほどの量だった
今日はカルデア日本支部の給料日であり...令呪を貰った彼の初めての給料だ
給料を貰った立香は大事そうに鞄に仕舞い、いつものように帰宅し家に帰った立香は給料袋を開け、入ってる万札を確認する...明らかに多い
「一万...二万...三万...」
一枚ずつお札をめくり、財布にしまっていく...
...
「四十八...四十九...五十...」
数分後立香はまだ数えていた、既に今までもらっている分の何倍になっているがそれでも丁寧に一枚ずつ数えていき、その光景をジャックは不思議そうに眺めている
「...は、八十...八十万!?」
今月の給料が80万にまで跳ね上がっていたことに驚きを隠せない立香...勿論これはぶっちぎりではなく、立香よりずっと先に来たものが令呪を与えられれば100万をはるかに越えるほどの金額が与えられるが、彼が新人だからこそ程よい分が与えられているのだ
しかし大金の使い道など考えたこともない立香は混乱していた
「こ、こんなに使いきれないぞ...えーと、水道代と家賃と食費に掛かる分を抜いて...まだ半分以上もある!」
「ジャック、欲しいものとかあるかい?」
給料を数えた後ジャックの方を見る、大金に慣れない彼はジャックの願いを聞いて一気に使うことを考えたのだ
「うーん...あ」
「てれびが ほしいよ おかあさん」
「テレビ?分かった、テレビがほしいんだな!」
「明日カルデアにいって導入しよう!」
「うん!」
...
立香はジャックを連れて普段通りもしない大部屋へと入る
カルデアには家具や家電等を購入する部屋があり、サーヴァントの希望があればここで望むものを購入することが出来るのだ。
無論ここを使わなくてもいいが、遠出を拒む者が多いのでここを使うものは多く毎日フリーマーケット会場のように賑わっている
「テレビあるかなぁ...」